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コーヒーの豆知識

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

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【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアコーヒーは、柑橘系やベリーのような果実味のある酸味とコクが特徴です。

サードウェーブコーヒーのブームとともに知名度を上げたケニアコーヒーは、アメリカやヨーロッパでも人気で、「世界最高品質」とも言われています。

本記事では、ケニアコーヒーの特徴と美味しさの秘密などをわかりやすく解説します。

ブログ管理人:山口 誠一郎

コーヒーの専門家としてTV出演文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。

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ケニアコーヒーの基本情報

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアコーヒーの基本情報を簡単にまとめました。

地域 東アフリカ
・キリニヤガ、エンブ、ニエリなど
味わい・香り オレンジ、レモン、
グレープフルーツ、ブルーベリーなど
コーヒー生産量 世界第17位
栽培品種 アラビカ種90%:ロブスタ種10%
・SL28、SL34、ルイル11、K7、バティアンなど
精製方法 ウォッシュド

世界中から高い評価を得ているケニアのコーヒー豆は、ほとんどが小規模農家によって栽培されています。

コーヒーの主要生産国ではないケニアで、これほど品質の高いコーヒーを生産できるのでしょうか。

理由は2つあります。

1つ目は、土壌や雨量など、コーヒー栽培に適した環境であること。

2つ目は、コーヒー栽培に関する組織的な研究が行われ、コーヒーの品質向上のための公的な取り組みが行われてきたことが挙げられます。

ここから、もっと具体的なケニアコーヒーの特徴を解説します。

ケニアコーヒー2つの特徴

1.柑橘系やベリーのような酸味と甘み

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアコーヒーは、柑橘系やベリーのような明るい酸味と、濃厚な甘みが特徴です。

ケニアのコーヒーは標高1,500m~2,000mの高地で栽培されます。

標高の高い場所で栽培すると、低地よりも時間をかけてゆっくりとコーヒーが熟成し、糖度が増します。

また、昼夜の寒暖差も低地より大きくなるため、コーヒーの実が引き締まり、美味しさが凝縮されます。

エチオピアのコーヒーと味が似ている

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアのコーヒーは、エチオピアのコーヒーと比較されることが多く、実際にどちらも柑橘系のフレーバーが楽しめるという共通点があります。

実際、ケニアで栽培される「SL28」というコーヒー品種は、もともとエチオピアから来たコーヒーなので味も似ています。

唯一違う点は、酸味の明るさと、苦味の強さです。

エチオピアのコーヒーは、全体的に完熟オレンジのような甘い酸味があり、苦味が少ないのに対して、ケニアのコーヒーはグレープフルーツのようなジューシーな酸味と苦味があります。

誤解を恐れずにいうと、ケニアは「苦酸っぱい」コーヒーもあると言えますが、これは抽出の方法(淹れ方)が大きく関わってきます。

後ほど詳しく解説しますが、ケニアのコーヒーはペーパードリップドリップよりもフレンチプレス、ネルドリップなど油分をしっかり味わえる抽出方法が向いていると思います。

2.ケニアのコーヒーは通常の2倍の時間をかけて発酵させる

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアのコーヒーは、水洗式(ウォッシュド)という方法で加工(精製・精選)されます。

写真のような水槽にコーヒーチェリーを入れると、糖度の高い完熟コーヒーは底に沈みます。

逆に、熟していないコーヒーは上に浮くので、欠陥のあるコーヒーだけを取り除くことができます。

一般的には、上記のような水槽内でコーヒーを24時間ほど発酵させますが、ケニアでは最大48時間かけてコーヒーを発酵させます。

水槽内の水は12時間ごとに交換され、発酵反応を維持するために、ろ過されたリサイクル水を使用します。

手間のかかる作業ですが、この工程によって明るい酸味とクリアな味わいが生まれます。

ケニアコーヒーの等級(格付け)

ケニアでは、豆のサイズ豆の形状によって等級が決まります。

  • AA:サイズ17以上
  • AB:サイズ15以上~17未満
  • C:サイズ11以上~15未満

ケニアコーヒーの品種・種類

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアでは、高品質なアラビカ種のコーヒー栽培が全体の90%を占めています。

アラビカ種のコーヒーといえば、ティピカ、ブルボンなどが有名ですが、ケニアには特有の高級品種があります。

それがSL(エスエル)種です。

この名前は、ケニアのナイロビでコーヒーを研究していた機関「スコット研究所(Scott Laboratories)」の頭文字から取りました。

ケニアで栽培されるコーヒーの大部分は「SL28」と「SL34」です。

SL種を含めた、 ケニアのコーヒー品種を簡単に紹介します。

SL28・SL34

ケニアのスコット研究所で生まれた品種です。

ブルボン種の系譜にあたるコーヒーで、干ばつに強い特徴があります。

柑橘系のフレーバーと酸味、コクのバランスが良いですが、病気に弱い側面もあります。

ルイル11

病気に強いコーヒー品種として、ルイルのコーヒー研究所「CRI」で誕生しました。

優れた風味のSL種と、病気に強いカティモール種を交配させた「ハイブリッド種」です。

優しい酸味と苦みが特徴的ですが、SL28やSL34と比較すると、香りやコク、フルーティーさが少ないです。

ルイル11だけを使ったコーヒーは少なく、主にブレンド用として使用されます。

K7

スコット研究所で誕生したブルボン系の品種です。

以前は病気に強かった品種ですが、現在では耐病性をほとんど失い、マイナーな品種となっています。

ルイル11と同じく、主にブレンド用として使用されます。

バティアン(Batian)

ルイルのコーヒー研究所「CRI」で2010年に誕生した、病気に強いコーヒー品種です。

病気に強いだけでなく、SL28と同等のフレーバーがあると海外でも高い評価を得ています。

しかし実際は、他の品種とブレンドして販売されることが多く、シングルオリジンとして販売されるケースは少ないです。

ケニアコーヒーのおすすめの飲み方

コーヒーオイルを味わえる抽出方法がおすすめ

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

結論から言うと、フレンチプレスやネルドリップなど、コーヒーオイルを味わえる抽出方法がおすすめです。

グレードの高い「AA」など大粒のケニアコーヒーには、「コーヒーオイル」と言われる油脂分が多く含まれていると考えられています。

この油脂分が、ケニア特有の酸味をまろやかにして、風味を複雑にし、フルボディのワインのようなコクを生みます。

結果的に、味全体に一体感が生まれて、完熟フルーツのような甘い酸味を楽しめます

ペーパードリップすると味がクリアになりすぎて苦味が目立つことも

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアのコーヒーに限らず、ペーパードリップをすると味がクリアになる特徴があります。

これは、コーヒー豆に含まれる油脂分がカップに落ちにくくなるためです。

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

▲コーヒーオイルは水よりも比重が軽いため、ペーパードリップをすると抽出カスの上部に残ってしまう

ケニアのコーヒーは苦味がはっきりと感じられるものが多く、 ペーパードリップをすることで味がクリアになり、苦味が目立つことがあります。

すると、結果的にグレープフルーツのような苦くて酸っぱいコーヒーになることがあります

このような経験がある方は、一度フレンチプレスなどで抽出することを試してみてください。

ペーパードリップよりも複雑な風味で、完熟フルーツのような甘い酸味を楽しむことができると思います。

ケニアのコーヒーは鮮度が命

ケニアのコーヒーは油脂分(コーヒーオイル)を楽しむことで、より甘みとコクのある美味しさを楽しめます。

フレンチプレスのようにコーヒーオイルを楽しむ飲み方では、油脂分の酸化に注意が必要です。

コーヒー豆は焙煎直後から数週間で劣化し、豆に含まれるコーヒーオイルも酸化します。

酸化したオイルは、食品と同じように「古くなった油の味」がするので、コーヒーの味に悪影響を及ぼします。

そのため、なるべく鮮度の良いコーヒー豆を購入したいところです。

具体的には、焙煎した日にちが記載されているコーヒー豆を購入するのがおすすめです。

逆に、賞味期限だけ記載されているコーヒー豆は、すべて古くなっていると考えて良いです。

ケニアコーヒーの栽培環境

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

ケニアのコーヒー産地は、「ニエリ」と「キリニヤガ」が有名です。

ニエリはケニアの中央部にそびえるケニア山の麓に位置しており、土壌は水はけの良い赤土です。

標高が高く、気候の寒暖差が激しいため、まさにコーヒー豆の生産地として最適な環境です。

キリニヤガはニエリの東に位置しています。

火山性の土壌で栽培されていて、ケニアの中でも特に高品質なコーヒーが栽培できる土地だと言われています。

また、ケニアは1年間に2度の雨季があり、この豊富な降雨量もコーヒーの品質に寄与しています。

ケニアコーヒーの歴史

コーヒー豆の栽培は19世紀末ころからスタート

【保存版】ケニアコーヒーの特徴とおいしさの理由をわかりやすく解説

▲1936年のケニアのコーヒー農園:Wikipediaより引用

ケニアのコーヒー栽培の歴史は、1900年頃から始まったとされています。

最初のコーヒーの木は、フランスの宣教師によってケニアに運ばれたという説と、イギリス人がコーヒーを持ち込んだという説があります。

フランスからはブルボン種が持ち込まれ、イギリスからはエチオピアの品種が持ち込まれたと伝えられています。

世界初のコーヒー研究専門機関を立ち上げる

ケニアは世界で最初にコーヒー研究専門機関を立ち上げました

ここでは農園の管理方法から流通、格付けまで研究し、そこで得たノウハウを元に流通の経路や加工の仕方を確立しました。

その結果、安定して高品質な豆を流通させることが可能になり、ケニアのコーヒーは世界中から高評価を得ることになりました。

ケニアコーヒーのよくある質問

Q:ケニア産のコーヒーはどんな味?

A:ケニアのコーヒーは柑橘系やベリーのような、フルーティーな酸味とコクが特徴です。

普段エチオピアの「モカ」「イルガチェフェ」を飲むような人におすすめです。

詳しくは「ケニアコーヒー2つの特徴」で解説しています。

Q:ケニア産コーヒーのおすすめの飲み方・入れ方は?

A:フレンチプレスやネルドリップなど、コーヒーオイルを味わえる抽出方法がおすすめです。

詳しくは「ケニアコーヒーのおすすめの飲み方」で解説しています。

Q:ケニア産コーヒーの焙煎度合いはどれがおすすめ?

A:特有のフルーティーな味わいを最大限楽しめる「浅煎り」から「中煎り」の焙煎度合いがおすすめです。

具体的には、ミディアムローストからシティローストまでの焙煎度合いです。

これ以上深煎りになると、酸味が少なくなって飲みやすくなりますが、フルーティーさも失われます。

参考文献:helenacoffee.ictcoffee.thecoffeemaven.espressocoffeeguide.baristainstitute.homegrounds.sweetmarias.worldcoffeeresearch

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