200gで32,400円という値段の超高級コーヒーを飲んだり、おいしいコーヒーを飲むために自分で焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、東京・銀座の名店「カフェ・ド・ランブル」に訪れ、このお店でしか味わえない「オールドコーヒー」を飲んでみたので感想を正直に述べていく。
カフェ・ド・ランブルは、オールドコーヒーをはじめ手縫いのネルドリップ、ドゥミタスコーヒーなど、独自の道を切り拓いた関口一郎氏が手がけたお店です。
オールドコーヒーとは
画像提供:cafedelambre.com
カフェ・ド・ランブルで飲める「オールドコーヒー」とは名前から想像できるかも知れませんが、お酒のように貯蔵(エージング)した古い豆から抽出したコーヒーのこと。数年寝かせた豆もあれば10年以上寝かせた豆もある。
カフェ・ド・ランブルで、オールドコーヒーの提供を始めたきっかけですが、オーナーの関口一郎氏の知人の部屋に、各国から送られてきたコーヒーの見本が梱包のまま、ずいぶん長いこと放置されていたそう。
それらは、もはや梱包の色が変わっているほど古くなっていたそうですが、関口さんはこれらの豆をいくつか入手して、サンプルロースターで焙煎して飲んでみたそう。
すると、ニュークロップ(収穫されたばかりのコーヒー豆)とは比較にならないほど、目が覚めるくらい味に差があり、この時に「エージングはやる価値がある」と決心したと語られている。
オールドコーヒーっておいしいの?
味についてはいろいろな意見が見られるオールドコーヒー。
まずは飲んだ人の「美味しい」感想を見てみる。
正直、イノダコーヒや小川珈琲を死ぬ程うまいとは思っていない(スタバよりかははるかにうまいし比較対象にする己を処分したいが)。銀座のデミカップ一杯1000円級オールドコーヒーが自分の中で最高。グァテマラは特に水臭さと青臭さを鼻の穴から感じることが出来たから最強。……で、何すんだっけ?
Nagai m@do (@xxassydow) 2018年5月3日
カフェ・ド・ランブル
銀座の街で70年の昔から続く「コーヒーだけのお店」
この店はオールドコーヒーを複数銘柄揃え、その収穫年も幅広い
いかにも気難しい店主の淹れる'94ビンテージのモカマタリの華やかな香りはまるでゲイシャ種
繊細なデミタスカップに収まる僅かな液体の魅力は別格 pic.twitter.com/m105yZaTqxわちゃ 榊原尚宣 (@pontaArd) 2018年1月12日
続いて、「美味しい」ではない感想も見てみる↓
ランブルのオールドコーヒーは今飲んでも価値がわからんと思う。コーヒー以外の別の飲み物と思わなあかん。
ぴらにやカフェ 中野りうし (@piraniyacafe) 2017年12月20日
ランブルのイエメンモカのオールドコーヒーを注文。オールドコーヒーは初体験なので飲みなれたイエメンモカで比べてみたんだけど、謎の味わいでした。
りのん (@miyukinakos) 2017年9月23日
オールドコーヒーを飲むために入店
奥のカウンター席へ案内される。時刻21:30と閉店が近いこともあり、お店は空いている。
メニュー
席につくと、メニューを渡される。
こちらは「珈琲だけの店」なので、数種類のブレンドと、多くのストレートコーヒーを扱っている。
味の濃さが3段階あり、コーヒーの濃さに応じて「普通カップ」「中カップ」「小カップ」となる。
僕は一番濃い「濃厚」で注文したので、「小カップ(50mlのデミタスカップ)」で提供される。
★のついたコーヒーは10年以上寝かしたオールドコーヒー。今回は1973年の「ブラジル バイーア」を注文。
ネルドリップで提供
銀座の名店「カフェ・ド・ランブル」では注文を受けてから豆を粉に挽き、一杯ずつ丁寧に、お店オリジナルのネルフィルターで抽出します。
オールドコーヒー「ブラジル バイーア '73」を飲んでみた
▲ブラジル バイーア '73 870円(税込)
カフェ・ド・ランブル特注の電動カッターで中挽きにされ、ネルドリップされた「ブラジル バイーア '73」を一口飲んでみると、コーヒー豆の青臭い風味が際立っており、独特のコクを感じます。苦味や甘みについては↓をみてほしい。
ずばり「美味しいか?」と聞かれれば、僕は美味しいと感じなかったが、もしニュークロップのブラジルバイーアと飲み比べることができたら、その味の差に感動を覚えたかも知れません。
草原を思わせる力強い風味で、個性的。ここでしか飲めない特別な風味です。
歴史ある銀座の名店「カフェ・ド・ランブル」でオールドコーヒーを飲む、という貴重な体験ができたところで、おかわりをいただくことにします。
次に飲むコーヒーは、僕が大好きなインドネシア産「セレベス トラジャ」です。
こちらは★マークが付いていないが、ニュークロップというわけではないそう。
カフェ・ド・ランブルの「セレベス トラジャ」を飲んでみた
▲セレベス トラジャ 820円(税込)
丁寧にじっくりと、ネルドリップされた「セレベス トラジャ」を一口飲んでみると、コーヒー豆本来の甘みが口に広がり、やわらかな苦味とほどよいコクが感じられます。
それなりに濃厚ではあるのですが、正直「物足りない」という印象。かつて札幌の名店「森彦」で飲んだ、フレンチマンデリンのような衝撃は受けなかった。
苦味や甘みについては↓をみてほしい。
お店の公式サイト「ランブル式ネルドリップ」のページには、コーヒー18gに対する抽出量は
- ドゥミタス:50cc
- 中濃:70~75cc
- レギュラー:100cc
となっている。
現在はこの通りに淹れてないのか、僕が頂いた50ccのドゥミタスには、コーヒー18gも使ったとは思えない味でした。
コーヒー18gで50ccの抽出となると、とんでもなく濃厚なコーヒーが完成します。
たとえ豆を粗挽きにして、注ぐ湯量も太く「サッと」抽出しても、もう少し濃厚に仕上がるのではないか?と感じました。
3、4口ほどで飲み終えてしまう量で、そこまで濃厚でもなく、味も正直「普通」のコーヒーなので、これで820円となるとやや高め。
この820円には「銀座」という場所代も含まれているので仕方ないが、ネットで土居珈琲や丸山珈琲の豆を取り寄せて、自分で淹れたほうが満足感の高いコーヒーが飲める。というのが正直に感じたことです。
土居珈琲や丸山珈琲などを含め、僕が自信を持っておすすめできるコーヒー豆は別記事にランキング形式でまとめたので、おいしいコーヒー豆選びの参考になればうれしい。
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