1987年に創業された台湾の茶器ブランド、EILONG(宜龍)のミニマルコーヒードリッパーのレビューをします。
キャンプなどのアウトドアシーンや、旅先などでも自宅と変わらない至福のコーヒータイムを過ごせる点が魅力的で、旅行には必ず持っていきたい一品でした。
旅行用のコーヒー器具を検討している方には、かなりおすすめ度の高いコーヒー器具セットです。
EILONG(宜龍)とは?
EILONG(宜龍)は1987年に台湾で陶磁器の街として有名な鶯歌(イングー)創業のブランド。
伝統的な台湾茶器はもちろん、東洋の茶器と西洋のガラス工芸を融合させた「新東方」という新しいスタイルの茶器を提案し、中国や韓国、アメリカ、カナダ、イギリス、ロシアなどにも輸出していて、各国で話題になっています。
EILONGは台湾茶器を世界に広めた存在と言っても過言ではなく、エレガントさと温かみが融合した高いデザイン性が世界中で高い評価を受けています。
ミニマルコーヒードリッパーの基本情報
EILONG(宜龍)ミニマル トラベルコーヒードリッパーはダークブラウン、ライトブラウンの2色展開。
レザーやウッドの自然素材を生かしたナチュラルなデザインも高く評価され、レッド・ドット・デザイン賞(ドイツが主催する国際的なプロダクトデザイン賞)を受賞しています。
カップひとつのサイズに、カップ、ドリッパー、フィルター、フィルタースタンド、ドリップソーサーの5つがコンパクトに収納できます。
さらに、5つのコーヒー器具を収納する「専用ケース」も付属するので、出先ですぐに使うことができます。
ケースは厚みもしっかりあって丈夫な作りなので、かなりの衝撃を与えなければ中のガラスが割れたりすることもなさそうです。
これだけのコーヒー器具が250mlサイズのカップにすべて収まります。重量は325gなので、マンガ本1冊くらいの軽量さです。
実際に手に取ってみると、温もりを感じるデザインについ見惚れてしまう。
インテリアとして置いておくだけでも映えるビジュアルに仕上がっています。
EILONGのロゴがデザインされたスリーブは取り外し可能です。
使い込むと味が出そうなレザー製スリーブが高級感を演出しています。
マジックテープではなく、パチンと外せる仕様になっていて使いやすい。
ホウケイ酸ガラスの美しいドリッパーはHARIO(ハリオ)V60と同じ円錐形のスパイラルリブ仕上げ。
抽出速度が速く、日本人好みのすっきりした味のコーヒーを淹れることが得意なドリッパーです。
コーヒーサーバーの役割を果たす耐熱ガラス製のカップには、150ml、200ml、250mlの目盛りが付いています。
涼やかな美しさが魅力的なだけでなく、熱や衝撃に強く壊れにくい点もポイント。
なお、万が一壊れてしまった場合は、部品だけの購入もできるようにメーカーと調整中とのことです。
※食洗器、電子レンジには対応していません。
こちらは付属のネルフィルターです。ご自宅でゆっくりとコーヒータイムを過ごす時はネルフィルターを使って、出先では円錐形のペーパーフィルターを使うのが手軽で良いかと思います。
ネルフィルターの手入れは、使用後に水洗いして、保存用の袋に入れて冷凍庫で保管するのがおすすめです。使用頻度が多い場合は水に浸けて冷蔵庫で保管してもOKです。
公式サイトの説明では、付属のフィルターを少し折り曲げてドリッパーに固定させて使うようです。
僕は、付属のフィルターを「コーヒーフィルターケース」として使っています。
お手持ちのペーパーフィルターを写真のように収納すれば、いつも清潔に使えます。
ペーパーは1〜2人用の小さいフィルター(ハリオ VCF-01-100Wなど)に対応しています。
レビュー
ここから、実際にEILONGミニマル トラベルコーヒードリッパーを使ったレビューをしていきます。
中挽きにしたコーヒー粉をセット。カップの目盛りが見えるように、レザースリーブは外しておきます。
出先で使うことを想定して、ペーパードリップを行います。使用するフィルターは「三洋産業CAFECのアバカ円錐フィルター1CUP用」です。
出先でドリップする際はスマホのストップウォッチ機能を使えば、抽出時間を計測できるので、いつも飲んでいる自分好みの味に仕上げやすいかと思います。
▼EILONGミニマル トラベルコーヒードリッパーを使っていて、唯一気になった点
ペーパードリップする際、お湯を注ぐとフィルターが「ズズッ」と若干、下にズレていき一瞬ひやっとしました。(抽出に大きな影響はありません)
おそらく、付属のネルフィルターで抽出することを前提に作られたドリッパーなので、ペーパーフィルターとのサイズが完璧にマッチしていないため、かと思います。
HARIO V60用の「VCF-01-100W」など、別のフィルターならドリッパーに密着するかも知れないので、お手持ちのフィルターでフィット感を色々と試しても良いかも知れません。
追記:折る場所を変えることで解決しました
メーカーの方に相談したところ、ペーパーフィルターを普段より急角度になるように折ることで、ドリッパーにフィットさせることができるそう。
いつもならミシン目のところで折りますが、ミシン目+親指ひとつ分くらいの位置で折るとドリッパーにフィットします。
先ほどは「ズズッ」と、お湯の重さでフィルターが下がりましたが、今回はドリッパーにジャストフィットしています。
その後も何度かドリップしましたが、フィルターの折り目を変えてから問題なく抽出できるようになりました。
抽出が終わったらドリッパーと、ドリッパーを固定する木製のフィルタースタンドを外し、付属のソーサーに乗せます。
慣れてくればフィルタースタンドごと持ち上げてOK。慣れないうちは、最初にドリッパーを持ち上げてからフィルタースタンドを持ち上げたほうが、ソーサーに乗せやすいかもしれません。
完成したコーヒーを飲んでみると、すっきりとした透明感のある味わいが感じられます。
旅先でこれだけ美味しいコーヒーが飲めれば申し分ない!と正直に感じました。
キャンプなどで使える様々なコーヒー器具が登場していますが、これだけコンパクトに収納できるセットは多くないように思います。
一般的なトラベルコーヒーセットには、取っ手がついたマグカップが付属することが多いですが、本セットに付属するカップには取っ手がないため、よりスマートに収納できる点が大きなアドバンテージだと感じました。
また、キャンプ用のドリップセットはステンレス製のカップを採用していることが多いです。ステンレス製カップは割れない点が大きな魅力ですが、特有の口当たりが苦手という方もいるかと思います。
本セットはガラス製のカップなので口当たりが滑らかなのです。そのため、コーヒーをより美味しく感じます。
さらに、ステンレス製のコーヒー器具を使う上で避けられない「金属臭」もコーヒーに移らないので、味にこだわる本格派の方にぴったりのトラベルセットだと思います。
専用のケースも厚みがしっかりとあるので、より強固にコーヒー器具を衝撃から守ってくれます。
総評すると、非常に完成度が高いコーヒートラベルセット、というのが僕の正直な感想です。