コーヒーブロガー山口が全国にある有名なコーヒー専門店の豆を取り寄せて、味や香り、一番おいしく飲める抽出方法を実験してレビューする企画。
今回は軽井沢にある名店「丸山珈琲」の「スマトラ・セミウォッシュト深煎り」を通販で取り寄せて、5つの抽出器具を使って飲んでみた。
丸山珈琲のスマトラ・セミウォッシュトは100g 886円と値段も決して安くない豆なので、いつも最高の味でコーヒーを楽しんでもらえるよう、この記事を参考にしてもらえるとうれしい。
また、値段に見合った豆なのかどうかもこの実験を通して見極めていきたい。
丸山珈琲のスマトラ・セミウォッシュトとは
セミウォッシュトとは原産国や銘柄ではなく精製方法を指している。
価格は先ほどお伝えしたとおり100g 886円で販売されている。
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトはインドネシアで収穫された豆のみが入っていて、銀色のジッパー付きのパッケージに入っている。
パッケージには、コーヒー豆から発生する炭酸ガスを抜くためのバルブがついている。(写真左上の+印)
コーヒーの美味しさを保つために装着してあるのだが、やはり豆が届いたらすぐにキャニスターなどの保存容器に移し替えたほうが香り高いコーヒーを長い期間、楽しむことができる。
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトを開封して豆を見てみると、マンデリンのようなゴツゴツした豆ではなく、平均的なスクリーンサイズで粒も揃っている。
豆の香りだが、苦味を連想させる芳ばしさと、ほのかにフルーティーな香りが感じられる。
焙煎度合いは深煎り(フルシティロースト)となっており、ムラなくきれいに焼かれている。
丸山珈琲で使っている焙煎機はアメリカ・ローリング社のスマートロースターという熱風式のもの。
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトを5つの器具で抽出
▲左奥:HARIO製ウッドネック ネルドリッパー。右奥:エアロプレス。右:Kalita3つ穴ドリッパー。真ん中:bodum製フレンチプレス。左:HARIO V60ドリッパー。
今回は、上の5つの器具で丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトを抽出し、それぞれの味の特徴をお伝えしていくとともに、僕がもっともおいしいと感じた器具もお伝えしていく。
HARIO V60で抽出
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトの風味を5段階でみる
Kalitaニューカットミルで均一に挽いた豆を、HARIO V60ドリッパーにセットし、タカヒロ製のコーヒーポットでお湯の雫を落としていく。
ドリップしていると、アーモンドのような芳ばしい香りが広がる。豆の状態で感じたような華やかさやフルーティーさは感じられない。
さっそく一口飲んでみると、マンデリンのような非常に濃厚で豊かな味わいだ。
丸山珈琲のスマトラセミウォッシュトは、アーモンドのような香ばしい味と、ハチミツをような甘みと、ほんのりと感じられる酸味の一体感が高いレベルで実現されている。
苦味がメインの味わいだが、このスマトラ・セミウォッシュトには甘みも多く含まれており、マイルドな苦味になっていて飲みやすい。
甘みの少し後ろにある酸味も、この豊かな味わいにするため良い仕事をしている。
この酸味を酸っぱいと感じることはないだろう。このちょっとの酸味が味のバランスを上手に取っている。
コクはかなり深め、舌触りもまろやかで重たいコーヒー。
僕は目覚めに飲んだが、身体に染みるような深いコクが、脳や体のエンジンをかけてくれた。朝にぜひ飲んでみてほしい。
次はネルドリップで淹れてみる。
ネルドリップで抽出
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをネルドリップすると、HARIO V60で淹れたときよりも、さらにクリーミーで濃厚な口当たりになる。
まるでバターを入れたようなコクが感じられ、苦味と甘みもより強く抽出される。酸味はほとんど変化を感じない。
ただ味の各要素が濃く抽出されたことで、豆本来のアーモンドのような味は若干控えめになる。
もともと重たかったコーヒーが、さらに重厚な味わいになって僕は好きだが、さすがに飲み手を選びそうだ。
マンデリンのような芳醇な味わいのコーヒーが好きなら、ネルドリップの重厚感あふれる一杯に幸せなひとときに感じることだろう。
次はKalita3つ穴ドリッパーで抽出してみよう。
Kalitaで抽出
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをKalitaドリッパーで抽出すると、これまでで1番さっぱりとした味になった。
苦味と甘みは少し抑えられたが、一般的にはこれくらいで丁度いいとされるだろう味わいだ。
かわりに酸味が前に出てきて、さわやかな口当たりに。
また、HARIO V60ドリッパーやネルドリップで淹れた時には感じられなかったアーモンドのような味に加え、豆本来のチェリーのような味が、ほんのりと余韻で楽しめる。
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをKalitaドリッパーで淹れると、ほどよい苦味と甘み、キレのよい酸味が特徴のスッキリしたコーヒーが淹れられる。また豆本来のアーモンドのような味と、チェリーのような味を余韻で楽しむことができる。
バランスの取れた味わいで飲むならKalitaドリッパーで淹れるのがいい。
次はフレンチプレスで淹れてみる。
フレンチプレスで抽出
まず一口飲むと、苦手や甘みといった味の要素ではなく、アーモンドのようなコーヒー豆の味がダイレクトに感じられる。
そのあと、甘酸っぱいチェリーのような味が余韻で楽しめる。
苦味や甘みはアーモンドやチェリーの味の、少し後ろでバランスよくまとまっている。
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをフレンチプレスで淹れると、豆本来の味をもっとも楽しめる一杯になり、ネルドリップとはまた違う口当たりの濃厚さが特徴だ。
▲抽出したコーヒーには油分や微粉が含まれる。カップの底に溜まった最後の一口は豆の味をダイレクトに感じられる。
この独特の味わいや口当たりは好き嫌いがハッキリ分かれると思うが、僕はもっとも好みの味だった。ペーパードリップのコーヒーの味に飽きることがもしあれば、ぜひ一度試してほしい。
最後にエアロプレスでも抽出してみる。
エアロプレスで抽出
丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをエアロプレスで淹れると、Kalita3つ穴ドリッパーで淹れた時に近い、さわやかな一杯になる。
苦味よりも酸味を感じられるようになり、アーモンド感やチェリーのような風味が余韻で楽しめる。甘さは控えめで、口当たりは軽め。
余韻の長さはKalitaドリッパーよりもエアロプレスで淹れたほうが長い。
「すっきりと飲みたいけど豆の味も楽しみたい」というあなたにはエアロプレスで淹れることをおすすめする。
まとめ
さて、今回は丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトを5つの抽出器具を使って飲んでみたが、いずれの飲み方でもアーモンド感、ハチミツをような甘みと、ほのかな酸味を楽しめる。
各器具で抽出したコーヒーの味の特徴を以下にまとめます。
- 丸山珈琲スマトラ・セミウォッシュトをHARIO V60で抽出すると、マイルドな苦みと豊かな甘みを楽しめる。
- ネルドリップで抽出するとバターを入れたような濃厚なコクが主な味わいに。
- Kalitaドリッパーで抽出するとバランスの取れた味わいに。
- フレンチプレスで抽出すると豆本来の味であるアーモンド、チェリー感たっぷりの一杯に。※僕は一番おいしいと感じた飲みかた。
- エアロプレスで抽出すると、すっきりとした口当たりながらも豆の味をほどよく楽しめる。
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