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コーヒーの豆知識

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

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コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

「カトゥーラ(カツーラ)」はブラジルで誕生したブルボンの突然変異です。花や柑橘のような香りが豊かで、果実味のある甘味と軽やかな酸味が特徴です。

木が小さく作業しやすいこと、実が密について高収量が期待できることから、主に中南米で広く普及しました。

今回はコーヒー豆の品種「カトゥーラ」の特徴・歴史について解説し、通販で購入できる「カトゥーラ」の焙煎豆を3つ紹介します。

この記事の監修者

コーヒーマニア 山口誠一郎

山口 誠一郎
焙煎士/バリスタ

TV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。

1,000種以上の通販コーヒーを飲むマニア。

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カトゥーラ(カツーラ)の特徴

カトゥーラ(カツーラ)とは

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

カトゥーラはブラジルのミナスジェライス州で発見されたブルボンの突然変異です。

コロンビア、コスタリカ、ニカラグアなど中南米諸国で広く栽培されています。

「カトゥーラ」とは「小さい」という意味で、パラグアイやボリビアに住む先住民族の言葉が語源になりました。

発見された木が小型で、葉と葉の間隔も短かったことが、注目された理由です。

コーヒーは葉の付け根に実をつけるので、葉と葉の間隔が短ければ実もびっしりと密になり、一本あたりの収量が多く期待できます。

さらに、木と木の間隔を詰めて植えられるので、同じ面積でより多くの収量が得られます。

しかしカトゥーラには、さび病に非常に弱いという特性があり、中南米でさび病が大流行した際、カトゥーラの木は壊滅的な被害を受けました。

近年はさび病に強いカティモールなどハイブリッド種への植え替えが進んでいますが、カティモールの親となったのもカトゥーラで、中南米におけるコーヒーの育種で基盤的な役割を果たしています。

共通する味と香りの特徴

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

カトゥーラが長年にわたって評価されてきた理由は、単に収量が多いだけではなく、優れた風味のポテンシャルを持っている点にもあります。

コーヒーの風味は栽培環境と精製方法によって変化しますが、標高が高くて十分な雨が降るなど、適切な環境で栽培されると、カトゥーラの持つ力が引き出されて高品質の豆が育ちます。

カトゥーラはコスタリカやグァテマラなどで栽培されていますが、各国で共通する味わいの特徴は、最初の一口目から後味まで続く甘みと明るい酸味です。

花や柑橘を思わせる香りが豊かで、苦みはあまりありません。コクは中程度で飲みやすいコーヒーです。

精製方法はクリアな味になりやすい「ウォッシュド」が一般的ですが、甘くなりやすい「ハニープロセス」で精製されたカトゥーラは、アプリコットやマンゴーのドライフルーツを思わせる果実味と、柑橘系のキャンディーのような甘みが感じられます。

ナチュラル式では、ドライフルーツの入ったチョコレートバーのような甘みとコクが加わります。

コスタリカのカトゥーラ(カツーラ)の特徴

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

コスタリカのコーヒーは栽培地域によって個性があり、カトゥーラも産地によって風味がさまざまです。

中央部から北部にまたがるアラフエラ州の険しい山地では栽培が盛んですが、りんごやアプリコットのような甘酸っぱい果物の香味が特徴です。

別の産地、中央部のカルタゴ州で栽培されるカトゥーラには、スパイスやナッツのような香ばしさが感じられるのが特徴です。

どちらもほどよいコクがあり、柑橘やトロピカルフルーツのような明るい酸味を備えています。

グアテマラのカトゥーラ(カツーラ)の特徴

グァテマラのコーヒーは赤い果物に象徴され、グァテマラのカトゥーラの香りや香味も「赤いリンゴ」「赤いぶどう」によく例えられています。

コクは丸く柔らかですが、他国のカトゥーラに比べるとしっかりしています。さとうきびのようにジューシーな甘みに加え、レモンやオレンジの酸味もあり、バランスがよく、ナッツのような香ばしさもほのかに感じられます。

「赤い」フルーツの香りとジューシーな甘みは余韻となっていつまでも続きます。

コロンビアのカトゥーラ(カツーラ)の特徴

コロンビアの高地で栽培されたカトゥーラは、糖分がしっかり蓄えられた豆に育ち、焙煎するとメープルシロップや蜂蜜のように甘い香りが漂います。

口に含むと、グレープフルーツのようにシャープなシトラス系の香味がまず感じられ、後からベリー系の甘さが広がります。

明るい酸味と甘味のバランスが絶妙で、苦味はほとんどありません。

口当たりはとろけるようになめらかで、後味にはキャラメルやカカオを思わせる甘い余韻が長く続きます。

 

カトゥーラ(カツーラ)とカトゥアイ(カツアイ)の関係は?

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

カトゥアイは、カトゥーラとムンドノーボという品種を掛け合わせた品種です。ですので、カトゥーラとカトゥアイの関係は親子ということになります。

カトゥーラの誕生が自然に起こった突然変異なのに対し、カトゥアイは人工的に掛け合わせて開発された品種です。

カトゥーラとカトゥアイの共通点は、木が小型で密植が可能なため、生産性がよいこと、さび病などコーヒーの病気に弱いことです。

粒の大きさも同じぐらいの小さめサイズで、滑らかな口当たりとコク、バランスの取れた味わいの特徴も似ています。

両者とも、ポテンシャルの高い豆で、中南米のCOEで入賞した豆にも、カトゥーラ、カトゥアイ両方の品種が上がっています。

ただし素晴らしい風味を引き出すには、精製所の工夫と努力だけでなく、栽培環境が品種に合っていることが前提です。

誕生の地は同じブラジルのサンパウロ州ですが、カトゥーラはブラジルの気候に馴染みにくかったため、国内ではほとんど普及しておらず、カトゥアイのほうが一般的です。

それに対してコロンビアでは、政府がカトゥーラの栽培を大規模に奨励した経緯があり、カトゥーラの栽培が圧倒的です。

ほかの中南米諸国、コスタリカ、グァテマラ、ニカラグア、ドミニカ、ペルーなどでは、カトゥーラ、カトゥアイの両方が栽培されているほか、東南アジアのタイでも先代の国王のプロジェクトにより導入され、少量の栽培が見られます。

 

カトゥーラ(カツーラ)の基本情報

精製方法

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カトゥーラが生産されている中南米の国々で一般的な精製方法はウォッシュド式です。

ウォッシュド式はコーヒーチェリーの果肉を除去した後、発酵させてヌルヌルしたミューシレージと呼ばれる部分をはがしやすくした後、水できれいに洗い流してから、乾燥させる方法で、すっきりした味わいとなります。

ウォッシュド式以外では、ハニープロセスとナチュラル式が採用されています。

ハニープロセスとはコスタリカで始まった精製方法で、ミューシレージをつけたまま乾燥させる点がウォッシュド式との違いです。

ハニープロセスで精製したカトゥーラは果実味と甘みがしっかりしてきます。

ナチュラル式とは、収穫後のコーヒーチェリーをそのまま天日干しする方法で、果肉がついたまま乾燥・発酵する過程で甘みとコクが加わります。

栽培環境

アラビカ種の中でもカトゥーラの栽培には、比較的高い海抜1000~1600m以上の場所が適しています。

標高が高いほど昼夜の気温差が大きくなるため、風味の良い高品質の豆となりますが、収量は少なくなります。

1年を通して雨が降り、年間降水量が2,500~3,500 mm程度の場所が適しており、栄養豊富な弱酸性の土壌を好みます。

カトゥーラの生産は、栽培から収穫まで手作業で行われますが、木が小型で、たくさんの側枝が出ており、葉と葉の間隔も短いので、作業しやすい品種といえます。

しかし、さび病に弱いため、リスクを減らすために同じ農園で他の品種と共に栽培されることが多いです。

木の健康を保つためにコスタリカなどではシェードツリーの下で育てられますが、曇りがちなコロンビアでは日差しの直接当たる場所で植えられています。

栽培の歴史

1915~1918年、ブラジルのミナスジェライス州にある農場でブルボンの突然変異が発見され、ほかの木より小型だったため、「小さい」という意味の「カトゥーラ」と名付けられました。

収穫量の多さ、作業のしやすさへの期待から非常に注目を集め、1937年からサンパウロ州のカンピーナス農業試験所で育種が始まりました。

しかし、ブラジルで育種されたものの現地の気候には馴染みにくかったため、国内で公式に普及されることはありませんでした。

一方、隣国のコロンビアではよく育ち、一時はカトゥーラが国のコーヒー生産の半分を占める代表的な品種となりました。

1940年にはグァテマラに導入され、グァテマラからコスタリカ、ホンジュラス、パナマへ伝わり、中米諸国でさかんに栽培されるようになりました。

その後のカトゥーイ、カスティーリョといった新品種の開発でも親となり、中南米のコーヒー産業に大きな貢献をした品種といえます。

 

カトゥーラ(カツーラ)のおすすめコーヒー豆3選

1.コスタリカ・カンデリージャ

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

価格 1,300円
内容量 200g
100gあたり 650円
1杯あたり(10g) 65円
豆の産地 コスタリカ・タラス地区 ラ・カンデリージャ農園
精製方法 水洗式(ウォッシュド)
豆の品種 カトゥーラ(カツーラ)
焙煎度合い 深煎り(シティ)

ラ・カンデリージャ農園は良質のコーヒー生産地として有名なタラス地区の標高1,500mに位置しています。

2000年に設立されたマイクロミル(小規模な精製所)では、周辺9農園からのコーヒーを精製しています。

寒暖の差が激しい土地で豆は引き締まり、 精製工程もきれいに清掃されているため、クリーンな味に仕上がっています。

黒糖のような甘さと、かすかな苦味、まろやかなコクが特長の豆は、ホタルが住み着くほど水が清らかな土地にちなんで、ホタルという意味のカンデリージャと名付けられました。

 

2.ニカラグア エル・スヤタル農園 カトゥーラ ウォッシュド

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

価格 1,399円
内容量 100g
1杯あたり(10g) 140円
豆の産地 ニカラグア エル・スヤタル農園
精製方法 水洗式(ウォッシュド)
豆の品種 カトゥーラ(カツーラ)
焙煎度合い シナモン~シティローストまで指定可能

エル・スヤタル農園は、ニカラグアの名門農園をいくつも抱えるバジャダレス・ファミリーが所有する農園の1つです。

この農園は、標高1300~1600mの山中に位置します。ニカラグアでも取り分け標高が高く、理想的な気候条件が爽やかで美しい風味を生み出しています。

先代から40年以上に渡ってカトゥーラ種を大切に育て続けており、2006年に初めてCup of Excellenceを受賞、以降10年間で20ロット以上のCOE入賞を果たしてきました。

チョコレートを感じさせる甘いアロマが香り高く、奥行のあるしっかりした味わいを求める方におすすめです。

 

3.パナマ ハートマン農園 カトゥーラ ナチュラル

コーヒーの品種カツーラ(カトゥーラ)とは?味の特徴やおすすめの豆を紹介!

価格 812円
内容量 100g
1杯あたり(10g) 81円
豆の産地 パナマ チリキ県カンデラ地区サンタクララ ハートマン農園
精製方法 ナチュラル
豆の品種 カトゥーラ(カツーラ)
焙煎度合い 中煎り(ハイロースト)

ハートマン農園は、ハートマン一家による家族経営の農園です。

コスタリカとの国境に接するチリキ県に位置し、1500mの高地に広がる原生的な自然環境を保全しながらコーヒー栽培を行っています。農園内には野鳥がたくさん生息し、エコツーリズムも実施しています。

販売元の旭珈琲では焙煎歴40年の極めて技術の高い焙煎師が焙煎し、社内でカップテストを行うなど、品質の確保と改善に努めています。

苦味は少なく、甘味と酸味のバランスもよく非常に飲みやすいコーヒーで、後口に綺麗な甘さが広がります。

 

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