本記事では、ネルドリップで淹れたコーヒーの特徴や、ネルフィルターの手入れ方法、おすすめ器具などについて書いていきます。
ずばり、ネルドリップは使うフィルターで味が異なるため、一概に「味が濃厚になる」「まろやかな味わいになる」とは言えません。
しかし最初の1つとしておすすめの器具は、「HARIO (ハリオ) ネルドリップ ポット ウッドネック」です。
こちらの器具はコーヒーサーバー、ネルフィルター、ろか器(金具)、ネルドリップスタンドがセットになっているオールインワンタイプ。
値段も手頃なので、ネルドリップ入門に1番おすすめのコーヒー器具です。
ここから、ネルドリップで淹れたコーヒーの味について、ネルフィルターの手入れ方法などを述べます。
目次
ネルドリップとは?
ネルドリップとは、一般的に使われるペーパーフィルターでなく、布のネルフィルターでドリップする抽出方法を指します。
この布フィルターの素材を「フランネル」といい、柔らかく厚手のもので、ネルシャツのネルはフランネルを略したもの。
▲ネルシャツの素材がコーヒーの抽出に使われます。
一度抽出するたびに捨てるペーパーフィルターと違い、ネルフィルターは使用後に洗って50回~60回ほど繰り返し使える。
ネルドリップの味の特徴
ネルドリップの特徴ですが、まずはメリットからお話しします。
ネルフィルターは使うたびに手洗いして、煮沸洗浄する必要があります。
こうしないと、すぐにネルフィルターが目詰まりを起こし、お湯を通さなくなります。
また、ネルフィルターを使う回数が増えるほどコーヒーの粗脂肪などの成分がフィルターに付着し、お湯が落ちにくくなる。
ネルドリップはペーパーフィルターに比べて手間がかかるため、コーヒーの味にこだわる「本格派のコーヒー器具」といえます。
しかし、ネルドリップしたコーヒーは、ペーパードリップで落とせない「コーヒーの油分」も楽しめるのが特徴。
そのため、ペーパードリップよりもまろやかな口当たりになる傾向にあります。
ネルドリップは、珈琲通の間では「ハンドドリップにおける究極の抽出方法」とも言われています。
ネルドリップはフィルターの手入れなど手間は確かにかかりますが、それに見合った「至高のコーヒー」が楽しめる抽出方法だと思います。
おすすめのネルドリップ器具
冒頭でも紹介したとおり、ハリオ製ドリップポット ウッドネックというオールインワンタイプの器具がおすすめ。
こちらの商品は、抽出したコーヒーを受けとめる「サーバー」と「ネルフィルター」、持ち手がウッド調になった「ろか器」と、ネルドリップスタンドがセットになっています。
そのため、届いたその日からネルドリップコーヒーが楽しめます。
しかも、これだけ揃っていて値段が安いのも魅力的です。
初めてのネルドリップ器具で何を買うか迷ったら、ハリオのドリップポット ウッドネックを購入すれば後悔はしないと思います。
おすすめのネルドリップスタンド
もし、ヤグラタイプのネルドリップスタンドを使いたいなら、こちらが第一候補になるかと思います。
ネルドリップの手付きフィルターを付けるのにちょうど良い形状のスタンドですが、サイズがやや大きめ。
収納場所にゆとりがある方におすすめのネルドリップスタンドです。
ネルフィルターを使う前の準備
ハリオ製ネルフィルターを使う前の準備ですが、まずはネルフィルターを軽く水洗いして、沸騰したお湯に投入します。
その後、お湯が黄色くなるまで15~20分ほど煮沸すればOKです。
この作業の目的は、ハリオ製ネルフィルターに付着している黄色い糊(のり)を取り除くこと。
ネルフィルターに付着している糊は特有の臭いがあるので、この作業は美味しいコーヒーを飲むうえで欠かせません。
なお、僕はコーヒーとネルフィルターの馴染みを良くするために、使用済みのコーヒー粉も一緒に入れて煮沸させています。
煮沸が終わって糊を取り除いたら、ろか器にネルフィルターをセットしてみましょう。
▲ろか器の先端部分を、ネルフィルターの穴に通す。
▲穴へ通すことができたら、ろか器の根元まで持っていきます。
ネルフィルターの装着が完了し、ネルドリップの準備が整いました。
写真では起毛面が外側になっていますが、起毛面が外側になっていてもOKです。
なお、外側起毛と内側起毛による違いは下記のとおり。
- コーヒーの微粒子による微妙な味わいを楽しむなら、外側起毛がおすすめ。
- コーヒーの微粒子を通さず、舌触りの滑らかさを楽しむなら、内側起毛がおすすめ。
個人的には、どちらもそれぞれの良さがあるので、自分の好みに合わせて飲むことをおすすめします。
ネルドリップの手順
ここからネルドリップする手順を解説していきます
まず、ネルフィルターにコーヒー粉を投入していきます。豆の挽き具合は中粗挽きがおすすめ。
理由は、細挽きだとネルフィルターがすぐ目詰まりしてコーヒー液が落ちなくなるため。
使うコーヒー豆(コーヒー粉)は、コーヒー液150mlに対して豆15g。(コーヒー10mlの抽出に対して豆1gと覚えればOK)
豆を粗挽きにするとコーヒーの味が薄くなるので、豆を通常よりも多く使うのがおすすめです。
先端が細口になっているコーヒーポットを使って、お湯をコーヒー粉の中心に落とします。
ネルフィルターによって仕上がりが異なりますが、どのフィルターを使っても舌触りがなめらかになるのが特徴かと思います。
ハリオのフィルターだと酸味がマイルドになり、苦味の角が取れて柔らかい味になります。
使用後のネルフィルターの手入れ
使用後のネルフィルターの手入れは、水またはお湯で軽く「もみ洗い」してから煮沸洗浄を行う。
毎日ネルドリップするなら、煮沸洗浄後は水で急冷し、冷蔵庫で保存すると良いでしょう。
ネルフィルターをたまにしか使わない場合、水気を切ってジップロックなどの袋に入れて冷凍庫で保存しましょう。
ネルフィルターを再び使う際は、お湯をかけるなどして解凍します。
ネルフィルターの寿命は?
ネルフィルターの寿命ですが、各メーカーによって推奨している目安があります。
僕が使っている「マルタ製ネルフィルター」は、60回の使用が交換の目安となっています。
マルタ製ネルフィルターは、ハリオのネルフィルターよりもコーヒーのコクや味の深み、まろやかさがアップします。
またハリオのフィルターよりも小さく、カップ1杯分のコーヒーを抽出するのにちょうど良いサイズ感です。
まとめ
さて、今回は「ネルドリップの特徴、おすすめの器具、ネルフィルターの手入れ方法」という内容でお届けしました。
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内容をまとめると、
- ネルドリップコーヒーは油分を含むため、滑らかさが増す
- ネルフィルターの手入れは「手洗い」「煮沸洗浄」「水に漬けるor冷凍庫に保管」
- ネルドリップのおすすめ器具は「ハリオ製ドリップポット・ウッドネック」