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コーヒーの豆知識

コーヒーノキとは?1本から採れる豆の量などをバリスタが解説

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コーヒーノキとは?1本から採れる豆の量などをバリスタが解説

「コーヒーノキ」と「コーヒーの木」は、意図的に使い分けされている場合があるのをご存知でしょうか。

カタカナ表記の「コーヒーノキ」は、アカネ科コーヒーノキ属「コーヒーノキ」という植物名のことです。お米がイネ属「イネ」という植物名であるのと同じように考えていただくとわかりやすいかもしれません。

そして、イネにブランド米など種類があるように、コーヒーノキにも種類があり、様々な特徴があります。

今回は、そんな「コーヒーノキ」について詳しく解説していきます。

コーヒーノキとは何か

コーヒーノキとは?1本から採れる豆の量などをバリスタが解説

まず、わたしたちが飲んでいるコーヒーは、コーヒー豆を焙煎し、挽いた粉を抽出した飲み物です。

コーヒーノキは、小さな実をつける常緑樹(樹木)で、コーヒー豆はその実の中にある「種子」です

光沢のある葉を繁らせるコーヒーノキは、毎年白い花を咲かせ、緑色の実をつけます。

数ヶ月かけて、緑色の実は黄色へ、さらにルビーのような赤色へと変化していきますが、収穫期を迎えたコーヒーの実は、まるでさくらんぼのように赤く熟すことから「コーヒーチェリー」と呼ばれています。

コーヒーノキとは?1本から採れる豆の量などをバリスタが解説

このコーヒーチェリーは、主に季節労働者によって手摘みされ、チェリーの中からコーヒー豆だけを取り出して焙煎されています。

コーヒーノキは熱帯植物で、「コーヒーベルト」と呼ばれる北回帰線と南回帰線に挟まれた赤道付近の国で生産されているので、日本ではコーヒー豆はほとんどが輸入品です。

そのため、どのように実をつけ、収穫されているのかを知らない人も多いかもしれませんね。

コーヒーノキの特徴

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そして、コーヒーノキの特徴は、コーヒーチェリーやコーヒー豆に「カフェイン」を多く含むということです。

カフェインには、主に以下のような効能があり、昔は薬としても使われていました。

  • 眠気の抑制(覚醒作用)
  • 疲労感の抑制(興奮作用)
  • 脂肪の代謝を活発にする(肥満予防)
  • 老廃物の排出を促す(利尿作用)
  • 胃液の分泌を促す(消化を助ける)

また、焙煎されたコーヒーの香りにリラックス効果が期待できることもあり、飲料としてのコーヒーはまたたく間に世界中に普及。

コーヒーノキの本格的な栽培が始まった17世紀以降、多くの人がコーヒーに魅了され、毎日約20億杯が飲まれる現在に至っているのです。

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コーヒーノキの生育の難しさ

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コーヒーは前述のとおり「コーヒーベルト」(熱帯地域)で主に栽培されますが、雨量や日当たり、温度、土質などの繊細な条件が揃うこともコーヒーノキの生育において必要です。

日光を浴び、光合成をすることで成長しますが、直射日光を当てすぎると葉焼けして弱ってしまいます

ほどよい雨量は必要ですが、雨が多過ぎてもうまく育ちません

山岳地帯など昼夜で寒暖差が大きい気候を好む一方で、冬霜などの寒さには弱いデリケートな面もあります

そのうえ、「さび病」「CBD(炭そ病)」などの病気で、ようやく成長したコーヒーノキが枯れてしまうこともあるのです。

コーヒーノキの病気

コーヒーノキの代表的な病気は、次の2つです。

さび病

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最も有名な病気は「さび病」です。コーヒーノキの大敵と言われています。

通称「さび病菌(Hemileia vastatrix)」と呼ばれる空気感染するカビの一種で、感染力が非常に強いことが特徴です。

風によって木から木へ、人の手や衣服に付着することで農園から農園へと運ばれたさび病菌は、ひとたびコーヒーの葉に付着すると菌糸を広げ葉肉を浸食します。

こうして、葉の光合成機能を失ったコーヒーノキは2〜3年で枯れてしまうこともあるのです。

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CBD(炭そ病)

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感染すると、コーヒーチェリーが壊死して黒い斑点が現れ、熟す前に落ちてしまう病気が「CBD(炭そ病)」です。

さび病と同じく菌が原因となって発症するため、感染力が強いことが特徴です。

ケニアで初めて報告され、アフリカ全土に蔓延しましたが、アフリカ大陸での封じ込めに成功しました。

しかし、農薬以外に有効な対処法が見つかっていないため、この病気が上陸していない他のコーヒー生産地も警戒しています。

コーヒーノキの種類

病害による被害をはじめ、とにかく栽培が難しいコーヒーノキは、さまざまな観点から品種改良が行われています。

病気に強く、栽培しやすいだけでなく、高品質なコーヒーを収穫するための研究が盛んに進められており、数多くの品種が存在します。

品種は日々増えていますが、その原種は「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の3種類です。

これらは、コーヒーノキの「三大原種」と呼ばれています。

アラビカ種

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アラビカ種は、コーヒー愛好家に高く評価されている原種で、コーヒー生産の7〜8割を占めます。

主な栽培地は中南米とアフリカ・インドネシアの一部で、植物名は「アラビカコーヒーノキ」です。

高品質で収穫量が高く、世界のコーヒー文化において欠かせない存在と言えますが、高温多湿の環境には適応しません。

また、霜害、乾燥、病害虫にも弱いため栽培には手間と時間がかかります

しかし、その良質な風味から、主にレギュラーコーヒー用として栽培されており日本でも多く流通しています。

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ロブスタ種

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ロブスタ種は、病虫害に強い原種です。植物名は「ロブスタコーヒーノキ」です。

高温多湿の気候にも適応し、収穫量も高いことから東南アジアやアフリカの一部、ベトナムでも栽培が伸びています。

アラビカ種と比較するとカフェイン含有量が多く、やや風味は洗練されていません

主にインスタントコーヒー用、あるいは廉価なレギュラーコーヒーの増量用として生産されています。

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リベリカ種

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リベリカ種は、西アフリカ(リベリア)が原産の原種です。植物名は「リベリカコーヒーノキ」です。

病害に弱く、大木に成長して収穫に手間がかかるため生産量が最も少なく、世界でも一部の地域でしか栽培されていません

豆の大きさにばらつきがあり、焙煎時の品質が安定しにくいということも生産量が少ない原因となっています。

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1本から採れるコーヒー豆の量は?

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最後に、1本のコーヒーノキから収穫できるコーヒー豆の量について、意外な事実をお伝えします。

わたしたちに届けられる焙煎されたコーヒー豆の状態になると、その量はわずか「約500g」です

500gの焙煎されたコーヒー豆は、小さめのマグカップで淹れた場合(10gのコーヒー豆を180mlのお湯で抽出)、おおよそ50杯になります

約20億杯のコーヒーが世界中で飲まれていることからも、その産業規模がどれだけ大きいか理解いただけるのではないでしょうか。

コーヒーノキは生産に適した土地が限られ、病害被害も受けやすく、実をつけるまでにも3〜5年ほどかかります。

さらに、実がなってチェリーが熟すまでに9ヶ月ほどかかり、収穫期は「年にたった一度」だけです。

この記事で「コーヒーノキ」について深く知ることで、毎日のコーヒータイムを今まで以上に特別なものにしていただければと思います。

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