コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

2018年5月9日

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コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

2018年5月9日

コーヒーの品種「カネフォラ種(ロブスタ種)」は、ほとんどがインスタントコーヒーなど加工用や、増量目的のブレンド用コーヒー豆として使われています。

しかし、一部の高品質の豆は独特の苦みとクリーミーさを活かしてエスプレッソにブレンドされ、ベトナムコーヒーのようにロブスタ種100%のブランドも存在します。

今回は「ロブスタ種」の特徴・歴史について解説し、通販で購入できるロブスタ種100%のコーヒー豆を3つ紹介します。

この記事の監修者

コーヒーマニア 山口誠一郎

山口 誠一郎
焙煎士/バリスタ

TV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。

1,000種以上の通販コーヒーを飲むマニア。

ロブスタ種の特徴

まずはじめに、ロブスタ種の特徴を解説します。

ロブスタ種とは?アラビカ種との違い

ロブスタ種

コーヒーを植物学的に分類すると、アカネ科コーヒーノキ属コーヒーノキという「種」になります。コーヒーノキは数十種類の「亜種・変種」がありますが、飲用に栽培されて流通しているのはアラビカ種とカネフォラ種(通称ロブスタ種)の2種類のみです。

世界の生産量の割合はアラビカ種が約6割、ロブスタ種は4割です。

「ロブスタ」という名前は、「強い」という意味の「Robust」が語源になっており、強靭で耐病性も備えた特徴から付けられました。

ロブスタ種はアラビカ種に比べて暑い気候やイレギュラーな降雨、病害虫にも強く、さまざまな標高で栽培できるのが特徴です。

また、アラビカ種に比べてロブスタ種は強い苦味があり、穀物のような特徴的な風味が感じられます。

そのため、インスタントコーヒーや缶コーヒー、栄養ドリンクのカフェインなど加工に用いられるほか、業務用のレギュラーコーヒーや、エスプレッソにブレンドして使われています。

 

ロブスタ種は不味い?実際に飲んでみたレビュー

コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

実際にインドネシア産のロブスタ種をストレートで飲んでみましたが、独特のパンチが効いた苦みと強いボディが感じられます。

今回はかなり品質の高いロブスタ種を飲んだのですが、それでもアラビカ種のような豊かな風味はありません。

ですが、ミルキーで滑らかな味わいや、ナッツの香り、チョコレートのような香味があります。ミルクや砂糖との相性が非常によく、アイスコーヒーにも向いています。

ロブスタ種がまずいと言われる2つの理由

そもそも「味の美味しさ」を追求していない

ロブスタ種がまずいと言われる理由は、まず栽培目的の違いが挙げられます。

生産者にとって、ロブスタ種を植えるメリットは収量が多く栽培が楽なことであり、味の追求ではありません。

インスタントコーヒーや、レギュラーコーヒーを増量させる目的で使うなら、このような低価格、低品質のコーヒー豆で十分なのです。

ですが、エスプレッソの本場イタリアでは、ロブスタ種特有のしっかりしたコクを活かして、アラビカ種のエスプレッソに苦みとクリーミーさを加えるためにブレンドして使います。

ロブスタ種だけをそのまま飲んだら「まずい」と感じるかもしれませんが、ブレンドして使うことでアラビカ種だけでは出せない「力強さ」を加えることができます。

日本に高品質なロブスタ種が出回りにくい

もう一つ、ロブスタ種がまずいと言われる理由があります。それは、日本に高品質なロブスタ種が出回りにくいこと。

最高品質のロブスタ種は、北米などの高級エスプレッソで使われます。本当に美味しいロブスタ種の豆は買い占められることも多いです。

そのため、アジア向けには高品質の美味しいロブスタ種が出回らず、日本でロブスタ種自体の評価が低くなる一因となりました。

 

ロブスタ種はアラビカ種のように「銘柄」が存在しない

コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

コーヒーの銘柄は、日本では全日本コーヒー公正取引協議会によって定められています。

アラビカ種にはブルーマウンテンやキリマンジャロなど登録された銘柄がありますが、ロブスタ種にはありません。

これはロブスタ種が主に加工用、業務用など経済性を重視した豆として使われているのに対し、アラビカ種は産地、農園、加工業者が品質を追求しているためです。

また、アラビカ種はさまざまな品種にわかれていることも、多くの銘柄が存在する理由です。一方、流通しているカネフォラ(ロブスタ)種には2種類の品種、カネフォラ種ロブスタ(ウガンダ)とカネフォラ種コニロンしかありません。

コニロンはブラジルで栽培されているカネフォラ種で、世界的にはロブスタ種=カネフォラ種として呼ばれています。

世界的に見れば、ベトナムのDalat Peaberry Robusta(ダラットピーベリーロブスタ) 、ロブスタ100%のエスプレッソ用コーヒー豆「Borbone(ボルボーネ)」など、ロブスタ種にもさまざまな銘柄(ブランド)が存在します。

 

ロブスタ種の方がクロロゲン酸は多い?

クロロゲン酸はコーヒー豆から初めて見つかった物質です。多くの機能性を持つポリフェノール物質群の1つで、脂肪の吸収抑制、発がん予防、糖尿病予防などが報告されています。

ロブスタ種に含まれているクロロゲン酸は7~11%で、アラビカ種の5~8%に比べやや多いです。ただしこれは生豆での含有量で、焙煎が深くなると減少します。

これはクロロゲン酸がポリフェノールの性質を持つ別の物質に変わるためではないかと考えられています。

クロロゲン酸にはさまざまな仲間があり、なかにはロブスタ種にしか含まれていないクロロゲン酸の仲間もあります。

ロブスタ種はダイエットに適している

ロブスタ種のカフェイン量はアラビカ種の2倍あり、クロロゲン酸もアラビカ種よりも多いため、コーヒーダイエットにも高い効果が期待できます。

次の記事では、実際にコーヒーダイエットを行ったビフォーアフター画像や体重を公開しています。

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ロブスタ種のおもな生産国

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ロブスタ種の生産量世界1位の国はベトナムです。第2位はブラジル、インドネシア、ウガンダ、インドと続きます。メキシコはアラビカ種で有名な中米諸国の中で、唯一ロブスタ種の栽培がさかんな国です。

アメリカ合衆国農務省が発表した2022年の統計によると、ロブスタ種は23の国で生産されており、主な生産量は次のようになっています。

  • 1位ベトナム(1800t)
  • 2位ブラジル(1278t)
  • 3位インドネシア(558t)
  • 4位ウガンダ (300t)
  • 5位インド (255t)

6位~10位はマレーシア(120t)、コートジボアール(88t)、タンザニア及びタイ(約40t)と続き、11位~15位はラオス、メキシコ、カメルーン 、フィリピン、マダガスカルです。

その他に、コンゴ共和国 、エクアドル、ギアナ、グァテマラ、トーゴ、ニカラグア、シエラレオネ、パプアニューギニア、アンゴラの各国で、10t以下生産されています。

 

ロブスタ種と交配した品種

ハイブリッドティモール種

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ハイブリッドティモール種は、1920年にインドネシアの東ティモールでロブスタ種とアラビカ種の自然交配によって生まれたハイブリッド種です。

アラビカ種とロブスタ種は染色体の数が違うため、自然交配はありえないと考えられてきましたが、突然変異したロブスタ種がアラビカ種との自然交配をしたという非常に稀なケースで、さび病への耐性から注目を集めました。

ハイブリッドティモール種の誕生は、その後のハイブリッド種開発の契機となりました。

アラブスタ種

アラブスタとは、人工的に交配させたアラビカ種とロブスタ種のハイブリッド品種の総称です。

ハイブリッド・ティモールが持つさび病への耐性に注目した世界各地の研究機関により開発されました。

インドネシアでは、1950年代からティモール島で、1978年にはスマトラ島でも栽培が始まりました。そこで突然変異などにより生まれたさまざまなタイプのハイブリッド種はカティモールやサルティモール、コロンビアなどさらなる新種の開発に利用されました。

アフリカの低地でも栽培がさかんで、コートジボワールなど西アフリカ産は風味の良い豆の生産で知られています。インドで開発されたデバマシーやブラジルで開発されたイカトゥなどもアラブスタに含まれます。

カティモール種(カチモール種)

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カティモール種(カチモール種)は、1959年にハイブリッドティモール種とカトゥーラ種を交配させて作られた栽培品種です。

ポルトガルでハイブリッドティモール種を親として熱心な育種が進められる中で生まれました。

高収量で、さび病などコーヒーチェリーの病気全般に耐病性のある品種です。

1970年にはブラジルやアフリカに導入されましたが、本格的に栽培が普及したのは1980年代、大量に流通が始まったのは1995年のことです。

バリエダコロンビア種

バリエダコロンビアは、コロンビアのFNCという研究機関が1968から1982年にかけて、ハイブリッドティモールとカトゥーラを交配して開発したハイブリッド品種です。

1983年にコロンビアでさび病がまん延した際も耐性を示し、国のコーヒー産業を救いました。木が小型で密植が可能という生産性の高さから、従来のアラビカ種から切り替えが進み、コロンビア国内で広く普及しました。

しかし、風味や香味には欠けるため、さらに改良が重ねられ、より風味がよく耐性の高い栽培品種「カスティージョ」が生まれる基盤となりました。

 

ロブスタ種の基本情報

ロブスタ種の栽培環境

コーヒー豆を収穫する機械

ロブスタ種は、原生地である中央~西アフリカの環境を好みます。年間気温22~26℃、年間降水量1200~2500mmの多湿な熱帯雨林気候が適しており、乾季が長く続く場所は向いていません。

標高250~1500mの低地で平らな水はけのよい土地を好み、酸性の酸性土壌や痩せた土壌でも育ちます。

ロブスタ種の木は自分自身の花同士で種を作れず、子孫を残すには他家受粉が必要です。種で増やそうとすると子孫はそれぞればらばらの性質を持った雑種となってしまいます。

そのため、1本の木を剪定して何十年も栽培し続ける方法が昔から取られてきました。

広大な平地で栽培されるロブスタ種は機械で収穫されています。木の列をまたいで進む大きな収穫機が実を振り落として収穫します。

ロブスタ種の栽培の歴史

ロブスタ種という名前が付けられたのは、アラビカ種より100年以上も後の19世紀末のことです。

1898年にコンゴ、その後ウガンダで発見された後、20世紀初めには世界中の低地に普及しました。

第二次世界大戦が終わると、アフリカ諸国は次々に独立しましたが、カメルーン、コートジボワールなどでは新しい政府の支援の下、小規模な農家で広く栽培されるようになりました。

ロブスタ種はアフリカにとどまらず、ブラジル北部やインドネシア、インド、フィリピン、ベトナムといったアジア地域にも広がりましたが、それは病気や害虫の甚大な被害との戦いの歴史とも言えます。

例えばウガンダでは、コーヒー青枯病(立ち枯れ病)などの病気に対抗して国のインフラ並みに重要であるコーヒー産業を守る必要からロブスタ種を選んで栽培してきました。

また、インドでは40年間に約33万の生産者がアラビカ種からロブスタ種に切り替えていきましたが、理由は「white stem borer」というアラビカ種の茎に穴を開ける害虫の発生でした。

ロブスタ種の生産量は2000年代も増加を続けており、2020年の世界の生産量は4400tで、15年間前の約1.5倍となっています。

 

ロブスタ種のおすすめコーヒー豆3選

ここから、ロブスタ種のおすすめコーヒー豆を3つ紹介します。

1.ロブスタ ハニー 200g Future Farm シングルオリジン

コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

価格 1,300円
内容量 200g
100g単価 650円
1杯単価(10g) 65円
豆の産地 ベトナム ラムドン省 Future Coffee Farm
精製方法 水洗式(ウォッシュド)
豆の品種 ロブスタ種
焙煎度合い 中深煎り(シティロースト)

Future Coffee Farmの農園主Toiさんは、ロブスタ種の品質を極限まで高めるべく、栽培から精製方法まで常に新たなチャレンジを行っています。コーヒーへの情熱を持ち、農薬を使わない自然栽培で、環境にも配慮しています。

販売元のベトナムコーヒー豆専門店「ベトナム珈琲豆屋」では、現地のコーヒー農園を直接訪問し、品質管理が行き届いている農園の生豆だけを厳選して輸入し、東京の焙煎工場にてQグレーダー資格を持つ焙煎士が焙煎しています。

コーヒー品質協会(CQI)のRobusta Technical Report(ロブスタテクニカルレポート)でスコア85.00を獲得済みで、ロブスタならではのしっかりした味わいを持ちながら、クリーンさがあり独特の「ワインのような香り」が感じられます。

 

2.ウガンダ カウェリ農園 ナチュラル ロブスタ

コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

価格 1,416円
内容量 300g
100g単価 472円
1杯単価(10g) 47円
豆の産地 ウガンダ ムベンデ地区 カウェリ農園
精製方法 ナチュラル式
豆の品種 ロブスタ種
焙煎度合い 浅煎り~深煎りまで

カウェリ農園はウガンダで唯一の大規模コーヒー農園です。

首都カンパラから約200kmに位置するムベンデ地区は、樹齢100年を超えるロブスタの木がたくさん自生しています。熱帯雨林と共にある環境は、高品質なロブスタを作り上げている理由の1つです。

そんなカウェリ農園のロブスタコーヒー豆は、野生実のある口当たりとビターチョコレートのような風味、力強いコクが感じられます。

注文を受けてから焙煎してくれるので、飲みごろの新鮮な状態でロブスタコーヒーが味わえます。

 

3.インド ロブスタ シングルオリジン

コーヒーの品種「ロブスタ種」とは?味の特徴やアラビカ種との違い、おすすめの豆を3つ紹介!

価格 637円
内容量 100g
1杯単価(10g) 63.7円
豆の産地 インド
精製方法 水洗式(ウォッシュド)
豆の品種 ロブスタ種 S274
焙煎度合い 深煎り(フルシティ)

日本でもあまり流通していないインドの最高品質ロブスタ種です。実際に飲むとビターチョコレートのようなコクと、まろやかでクリーミーな味わいが感じられます。

アイスコーヒーにしたり、他の豆とあわせてオリジナルブレンドを作ったりと、いろいろ楽しめるコーヒー豆です。

 

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