エチオピアコーヒーは世界最高峰の香りを持つコーヒーとして知られ、コーヒー産地としてはトップに君臨するブランド国です。
普段何気なく見聞きしている”カフェ”という言葉も元の起源はエチオピアの”カファ” という地名なのです。
近年では専門店もでき世界中から注目されている、コーヒーを語る上で欠かせない存在のエチオピアコーヒー。
本記事では、そんなエチオピアコーヒーコーヒーの味や香りの特徴、おすすめコーヒー豆も紹介していきます。
コーヒーの産地エチオピアとは
エチオピアはコーヒー発祥の地として知られ、低コストでありながらも世界最高峰のコーヒーが楽しめることが魅力です。
最も好きなコーヒー豆の産地にエチオピアを挙げるコーヒー愛好家も少なくないでしょう。
それほどまでの魅力は、デリケートなコーヒーノキが自生できてしまう程の適した環境と、コーヒーと共に生きる文化にあるのではないでしょうか。
エチオピアの産地について
エチオピアの正式名称は『エチオピア連邦民主共和国』。
海岸線を持たず、内陸の標高約2000mの高地に位置するアフリカ東部の国です。
エチオピアではコーヒー産業を主な産業とし、国民の10人に1人がコーヒー産業に従事しています。
国の経常収入の60%をコーヒー産業が締めていますが、その生産量の半数を自国で消費しているまさに”コーヒー大国”です。
また、”カリオモン”と呼ばれる伝統的なコーヒーセレモニーが習慣としてあり、これは日本の茶道のようなもので女性がおもてなしを込めて披露します。
コーヒーはただの飲み物では無く、エチオピアの文化として人々の生活に密接に関わっているのです。
エチオピアにおけるコーヒー栽培の歴史
エチオピアにおけるコーヒー栽培の歴史は、世界で最も古くコーヒー発祥の地として知られています。
羊飼いの少年がコーヒーの実を発見した伝説はご存知でしょうか。
放飼されていた羊がコーヒーの実を食べているのを発見した少年がコーヒーの実を煮て飲んだことが始まりとされています。
現在世界中で愛飲されているアラビカコーヒーですが原産地はエチオピアです。
自生していたコーヒーノキが対岸のイエメンに持ち込まれ、世界最初のコーヒー栽培が始まり、世界中へとコーヒーは広まっていきました。
また、そのイエメンで栽培されたコーヒーが歴史上最も古いコーヒーブランド”モカ”のことです。
エチオピア産コーヒー豆の栽培環境
エチオピアのコーヒー豆の栽培は農園の形態は少なく、自生するアラビカ種を最低限の伝統的な方法で守り続けています。
そのため、生産される90%がオーガニックです。
東西広い地域でコーヒーが栽培されているため、栽培地域によって味わいに違いがあります。
エチオピアは標高が高く平均気温が13度と涼しい国で、雨量もある為コーヒー栽培にとても適した環境であり、特にモカハラーの栽培地では火山灰による恵まれた土質、日当たりの良い斜面、日中の寒暖差と好条件が揃っています。
エチオピア産コーヒー豆の生産状況
エチオピアのコーヒー豆生産量は世界5位(482.561t)です。
主な産地は大きく分けて南部のシダモ地方、中東部のハラー、カファ地方です。
そのうち20%が森の中で採れるフォレストコーヒー、35%が若干整備された森で採れるセミフォレストコーヒー、さらに35%が農家の庭先で採れるガーデンコーヒー、残り10%だけがコーヒー農家で栽培されるプランテーションコーヒーです。
エチオピア産コーヒー豆の等級・グレード
エチオピア産コーヒー豆は5つのグレードに分けられます。実際にはG9までありますが、輸出されるのはG5までとされ日本にはG4より下のグレードが入ってくることはほとんどありません。
- G1 :300g中の欠点豆が0~3個
- G2 :300g中の欠点豆が4~12個
- G3 :300g中の欠点豆が13~27個
- G4 :300g中の欠点豆が28~45個
- G5 :300g中の欠点豆が46~90個
エチオピア産コーヒーの特徴
ではここから、エチオピア産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
エチオピア産コーヒーの精製方法
エチオピア産コーヒーの精製方法は、約70%が伝統的なナチュラル製法で加工されていますが、一部地域ではウォッシュド製法が用いられています。
ウォッシュドの方がより質が高く高値で取引されています。
エチオピア産コーヒーの味わい・香りの特徴
エチオピア産コーヒーは甘みと酸味のバランスの良さが特徴です。
独特のフルーティーな酸味とコクの深さ、豊潤な甘味もエチオピア産コーヒーの特徴です。
エチオピア産コーヒーの品種・種類
アラビカ種
エチオピアで栽培されるコーヒー豆のほとんどがアラビカ種で、豊かな風味と酸味が特徴です。
高温多湿に弱くデリケートな為、栽培が難しいことでも知られています。
エチオピア産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次はエチオピア産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
エチオピア産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
エチオピア産コーヒーのおすすめの焙煎度合いは、ハイロースト〜フレンチローストです。
意外に思われるかもしれませんが、エチオピアのコーヒーは深煎りにすると酸味が控えめになり、甘味が際立ちます。
エチオピアコーヒーらしい華やかな香りは浅煎り、深煎りどちらでも楽しめます。酸味が際立つコーヒーが好みならハイローストがおすすめ。
甘味が際立つコーヒーが好みならシティロースト、フルシティロースト、フレンチローストなどの深煎りがおすすめです。
焙煎度合いについて、こちらでも詳しく解説しています。 続きを見る
コーヒー豆のローストや焙煎度合い・焙煎方式ごとの味の違いを解説
おすすめの挽き具合
エチオピア産コーヒーはペーパードリップ用の中挽きがおすすめです。
おすすめの淹れ方
爽やかな味が楽しめるペーパードリップ方式がおすすめの淹れ方です。
150mlを2分(2分のうち蒸らしは1分)で抽出すれば、甘い酸味を含んだエチオピアコーヒーが楽しめます。
甘味、酸味を感じやすい85〜90℃の間で淹れるのがおすすめです。沸騰させたお湯を常温のドリップケトルに移せば、90℃前後まで下げられます。
エチオピアのおすすめコーヒー豆3選
ここから、エチオピア産のおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
今回は、Amazonなどの通販や市販で気軽に買えるエチオピア産コーヒーもセレクトしました。
1:パウリスタ 森のコーヒー
パウリスタ
森のコーヒー(エチオピア&ブラジル)
国内外のファンに100年以上飲まれているブレンドコーヒー。
ひとくち飲んだ瞬間「オレンジのような甘み」が口に広がります。
ほどよい苦味とコクがあり、長く続く「甘い余韻」が印象的なコーヒー。
雑味がないクリアな美味しさと、ほのかなフルーティー感が特徴です。
筆者も3年間リピートしているおすすめコーヒー豆。
2:銀河コーヒー モカ イルガチェフ ナチュラル (エチオピア)

銀河コーヒー
モカ イルガチェフ ナチュラル (エチオピア)
非常に透明感のある味わいで、優しい酸味と甘みが身体に染み込んでいくコーヒー。
オレンジやピーチを思わせるフルーティーな風味が印象的です。
苦味が少なく、まるで紅茶を思わせる味わい。
酸味の強いモカや、イルガチェフェが好みじゃない人にもおすすめのコーヒー豆です。
3:ode(東京コーヒー)エチオピア モカ

ode(東京コーヒー)
エチオピア モカ
コーヒーを口に含んだ瞬間、まろやかでリッチな甘みと旨味が。口に広がります。
酸味を抑えた焙煎度合い(フルシティロースト/深煎り)で、バランスの良い味わいが特徴。
モカ特有の華やかなフレーバーと、鼻から抜ける香味が秀逸なコーヒー豆です。
エチオピア産コーヒーの特徴まとめ
今回は、エチオピア産コーヒーの特徴について解説してきました。
エチオピア産のコーヒーは知れば知るほど奥深く、世界中にファンが付くほどの魅力的なコーヒーです。
コーヒーの酸味が苦手な方は塩を入れて飲んだり、フルーツの乗ったスイーツなどと合わせて飲むのもおすすめです。
ぜひご家庭やお仕事の合間などに、エチオピア産コーヒーでゆったりしたひとときを過ごしてください。
エチオピアコーヒー以外にも、様々なおすすめコーヒー豆を下記で紹介しています。あわせてチェックしてみて下さい。