インドネシア・スマトラ島北部で栽培される「マンデリン・ビンタンリマ」は、さまざまなマンデリンの種類の中でも最高品質を誇りますが、なかなかお目にかかることができない希少なコーヒー豆です。
今回は、そんなビンタンマリの特徴やおすすめコーヒー豆、他のマンデリンとの違いなどを解説します。
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ビンタンリマとは「5つ星(最上級)」という意味
インドネシアの現地用語で、“Bintang(ビンタン)”は「星」、“Lima(リマ)”は「5」と言う意味を持ちます。
インドネシア・スマトラ島で生産される「マンデリン」は、数あるコーヒー豆の中で、日本人にも人気が高い銘柄の1つ。
中でも「マンデリン・ビンタンリマ」は、“5つ星の称号”と呼ばれるのにふさわしい、最上級のマンデリンの事を指します。
そして、スマトラ島北部・標高の高い地域にある指定農家によって、厳選された木から栽培されたコーヒー豆だけが、ビンタンリマとして認められます。
マンデリン ビンタンリマの特徴
味は力強く、香りはエキゾチック
マンデリンは飲みごたえのあるコクと強めの苦み、酸味が少なくスパイシーな香りが際立ちます。
加えてビンタンリマには、どこか異国を感じさせるトロピカルフルーツの香り、熟したワインの様な濃厚な味わいも感じることが出来ます。
マンデリンの中で、最もマンデリンらしさを感じられるのが、ビンタンリマと言えるでしょう。
コーヒーの酸味が苦手な方や、朝の出勤前に気持ちをシャキッとしたい方におすすめのコーヒーです。
また、苦みが強いマンデリンは、チョコレートやクッキーなどの甘いお菓子と合わせても、ケーキやアイスと言った食後のデザートにもよく合います。
他のマンデリンとビンタンリマの違いは「味のみずみずしさ」
例えば、北西部に位置するアチェ州のマンデリンは、苦みがありつつも比較的スッキリとしたみずみずしい味わいです。
スマトラ島の中でも、一部の地域でしか栽培できないマンデリン。実は栽培する地域によって味が変わります。
これは農家によって、コーヒー豆を乾燥させる程度が違ったり、気候や土壌の条件が異なるからです。
ビンタンリマは酸味が少ない「深煎り」で飲むのが一般的
ビンタンリマを含む全てのマンデリンは、「深煎り」が一般的です。
本来、コーヒー豆を深煎りにすると、豆が元々持っている味わいや香りなどを壊してしまいます。
しかしマンデリンは、深煎りにしても特有の味わいや香りを保つことが出来るので、酸味よりも苦みを好む日本人にとても人気のあるコーヒー豆です。
しかし、浅煎りや中煎りでもマンデリンの美味しさを味わうことはできます。
コーヒー豆の特徴として、浅く煎ると花やチェリーのような香りが出てきます。苦みよりも酸味が強くなりますが、スッキリとした味わいを楽しめます。
中煎りは、苦みと酸味のバランスが良く飲みやすく、甘みもしっかり感じられます。
ビンタンリマはアイスコーヒー、カフェオレにもおすすめ
マンデリンの苦みはミルクとの相性がとても良いので、カフェオレにして飲むのにも向いています。
また、水出しでアイスコーヒーにすることでまろやかになり、マンデリンの良さが引き立ったクリアな味わいが楽しめ、特にスッキリしたい夏場におすすめです。
この場合、深煎りのマンデリンを選ぶようにしましょう。
浅煎りの豆でアイスコーヒーを作ると、人間の舌は冷えたときに酸味を感じやすくなります。
カフェオレの場合、ミルクは酸味を引き立たせる効果があります。
ビンタンリマのおすすめコーヒー豆3選
1:INDONESIA インドネシア マンデリン ビンタンリマ 200g
価格 | 2,000円 |
内容量 | 200g |
100g単価 | 1000円 |
1杯単価 | 100円 |
焙煎度合い | 深煎り |
千葉県成田市のコーヒーロースター「HOUEI COFFEE」が手がけるビンタンリマは、マンデリン特有のどっしりとした苦味と濃厚なコク、ふくよかな甘みが特徴。
深煎りでしっかりとした苦味があるのでブラックはもちろんカフェオレ、カフェラテにもおすすめ。また、ほんのり感じられるスパイシーな風味が印象的です。
2:インドネシア マンデリン ビンタンリマ 200g
価格 | 1,580円 |
内容量 | 200g |
100g単価 | 790円 |
1杯単価 | 79円 |
焙煎度合い | 深煎り |
「生豆を洗ってから焙煎する」という手間のかかる作業で、本当においしいコーヒーを生み出す「NECOME COFFEE」のビンタンリマは、こっくりと深いコクのある味わいとすっきりとした苦味が特徴。
苦味のキレが非常によく、飲んだ瞬間口の中ですっと消えていくのが印象的。苦味が消えた後にまろやかな甘みが追随します。
非常にすっきりした味わいと、透明感のあるおいしさが感じられます。何杯飲んでも胸焼けせず、本当に飲みやすいビンタンリマです。
3:インドネシア マンデリン ビンタンリマ ドリップバッグ20個セット
価格 | 2,980円 |
内容量 | 20袋 |
1杯単価 | 149円 |
焙煎度合い | 深煎り |
先ほど紹介したNECOME COFFEEのビンタンリマが、どこでも手軽に楽しめるようにドリップバッグになったもの。
外出先でも透明感のあるクリアなビンタンリマがお湯だけで簡単に味わえます。
ビンタンリマに味が似ているコーヒー豆はケニアとコロンビア
マンデリンは他にない唯一無二の味わいですが、強いて言うなら、ケニア産のコーヒー豆は深煎りにすることでビンタンリマに近い味わいになります。
ケニアはもともと明るい酸味が特徴のコーヒー豆ですが、深煎りにすることで酸味が抑えられ、マンデリンのような「ふくよかな甘み」が際立ちます。
または、コロンビア産のコーヒー豆も、マンデリンに近いコクと苦味があります。濃厚な甘さがありバランスの取れた味わいなので、マンデリンより飲みやすいと感じる方もいるかもしれません。
マンデリンに似た味のコーヒーを飲みたい方は、深煎りのケニアかコロンビアを試してみることをおすすめします。
ケニア産コーヒー豆の特徴、おすすめコーヒー豆はこちらをご覧ください。
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コロンビア産コーヒー豆の特徴、おすすめコーヒー豆はこちらをご覧ください。
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マンデリン ビンタンリマの等級(グレード)・品種
ビンタンリマはマンデリンの最上級グレード
「マンデリン・ビンタンリマ」は、最高品質の「マンデリンG1」よりも高いグレードです。
コーヒー豆の格付けは3つのポイントがありますが、マンデリンは欠点豆の数でグレードが決まります。
欠点豆とは、熟していない豆・欠けている豆・腐っている豆など、綺麗な状態ではない豆(美味しくない豆)のこと。コーヒー豆300gに対して何個混入しているかが基準です。
ビンタンリマは、農家の方が「ハンドピック」と言われる、欠点豆をはじく工程を2回行うことで常に「0個」を目指し、最上級の品質を維持しています。
品種はティピカ種
コーヒー豆は「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」に分類されます。
インドネシアのコーヒー豆は、約90%がロブスタ種、アラビカ種は残りの約10%しか栽培されません。
しかも、アラビカ種の中でもマンデリンはたった数%しか栽培されず、さらにビンタンマリはアラビカ種の中でも少ししか存在しない、ティピカ種と呼ばれるものです。
ティピカ種は滅多に栽培されることが無く、コーヒー専門店などでもほとんどお目にかかることが出来ない、非常に希少価値の高いコーヒー豆です。
精製方法はスマトラ式
スマトラ式は、インドネシアにおける伝統的な精製方法です。
コーヒー豆は、コーヒーチェリーから果肉や皮を除去し、種子の状態にしたものです。
地域によって種子にするまでの工程は様々ありますが、一般的には乾燥させてから果肉を除去します。
一方で、スマトラ式では果肉を除去して、湿った生豆(種子)のまま乾燥させるのが特徴です。
雨の多いスマトラ島ならではの手法だからこそ、エキゾチックな香りを生み出すことができます。
そして、「ビンタンリマ」は生豆の状態の物を農家から集め、乾燥以降の工程は同じ工場で行うことで、品質のばらつきを無くすことが可能です。
マンデリン ビンタンリマの精製方法・栽培環境・栽培の歴史
栽培環境は好条件が揃っている
ビンタンリマの生産地、北スマトラ州のリントン・ニ・フタ村は、昼と夜の寒暖差が激しい地域です。
コーヒー豆は寒暖差が激しいと、細胞の成長がゆっくりになり、旨味をギュッと蓄えます。
また、コーヒーが育つには雨の量も重要で年間1500~2500mm必要で、北スマトラ州は年間約1800mmの雨が降ります。
そして収穫時期に合わせて、雨季と乾季があるという事もコーヒーノキが育つ条件です。
さらに作物の育ちやすい火山性土壌であり、化学肥料を使用しなくて良いので、身体にも環境にも優しい有機栽培が可能です。
ビンタンリマは好条件の揃った土地で、人によって手間暇をかけ育った、本当に品質の良いコーヒー豆です。
栽培の歴史
17世紀末、インドネシアがオランダ領地時代だった頃、軍がアラビカ種をジャワ島に持ち込んだことがきっかけで、コーヒーの栽培は始まりました。
しかし、「さび病(カビ細菌が原因)」が流行したことでアラビカ種の農園は打撃を受け、病気に強いロブスタ種に置き換わっていきました。
しかし、何とか病害に耐えたアラビカ種をスマトラ島のマンデリン族が栽培し始めたことで、このコーヒーは「マンデリン」と呼ばれるようになりました。
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