日本ではあまり馴染みないインド産のコーヒー。
しかし、実は特有の深い味わいとエキゾチックな香りが魅力的な品質の高いコーヒーが作られています。特に「モンスーンコーヒー」は他のどのコーヒーとも違った風味で人気が高まっています。
本記事では。そんなインドコーヒーの魅力に迫るとともに、おすすめのコーヒー豆も紹介していきます。
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コーヒーの産地インドとは
南アジアに位置するインドは、世界第2位の人口数と世界第7位の土地面積を誇る大きな国です。
紀元前2500年頃に古代インドの文明であるインダス文明が築かれて以来、現在に至るまで長い歴史を有する国でもあります。
その長い歴史から、州によって民族や言語、宗教が異なる多民族国家となったインドは、土地によって食文化も大きく異なります。
インドの産地について
インドにコーヒーのイメージがない人もいるでしょう。しかしその歴史は古く、生産量も世界で10位以内というコーヒー栽培が盛んな国です。
インドでのコーヒー生産は、約9割が北緯25度~南緯25度のエリアを指す「コーヒーベルト」に属する南部地域で行われています。
主な栽培地域はカルナータカ州、ケララ州、タミル・ナードゥ州です。
インドにおけるコーヒー栽培の歴史
インドにコーヒーが持ち込まれたのは17世紀の後半。イスラム教徒であったババ・ブダンが、聖地巡礼としてイエメンのイスラム教寺院からコーヒー豆を7粒持ち出したことが始まりです。
当時、コーヒー豆をイエメン国外に持ち出すことは禁止されていました。しかしババ・ブダンはこっそりと隠し持ってインドへの持ち込みに成功。そのうちの1粒が育ったことでコーヒー栽培が始まりました。
その後、盛んになったコーヒー栽培ですが、コーヒーノキを枯らしてしまう「サビ病」が流行してしまいます。
そのためインドでの栽培は、サビ病への耐性がある「ロブスタ種」へと変化していきました。現在もインドで生産されるコーヒーのうち約7割がロブスタ種です。
インド産コーヒー豆の栽培環境
インドの南部地域が属する「コーヒーベルト」は、気温が年平均20℃を超えるコーヒー栽培に適した地です。しかし、インドは赤道付近に位置していることもあり日照量が多い国です。直射日光を当てすぎてしまうことはコーヒーノキにとって良くありません。
そのため、背の高い他の木を植えることで直射日光を遮る「シェードツリー」という方法が多く用いられています。
インド産コーヒー豆の生産状況
インドにおける2019年のコーヒー豆生産量は、319,500トンです。これは世界第8位で、インドで多くコーヒー栽培が行われていることがわかります。
元々インドでは北部が紅茶文化、南部でコーヒー文化と言われており、コーヒー文化が浸透していたわけではありません。しかし最近では徐々に国内需要が高まっており、北部での栽培も行われています。
国外への輸出も多く行っていますが、その先は多くがヨーロッパであり、日本にはあまり輸入されていません。
インド産コーヒー豆の等級・グレード
インド産コーヒー豆の等級・グレードについて解説します。
インドのコーヒー精製方法は、「ウォッシュド」(豆を水で洗ってから乾燥させる方法)と「ナチュラル」(豆を洗わず乾燥させる方法)の2つです。
まず精製方法と豆の品種によって決められる等級があり、大きく以下の4つに分類されます。
- 「プランテーション」…アラビカ種のウォッシュド
- 「アラビカチェリー」…アラビカ種のナチュラル
- 「パーチメント」…ロブスタ種のウォッシュド
- 「ロブスタチェリー」…ナチュラル
この中で重さやサイズ、栽培場所の標高といった品質により、上からAA、A、B、C、PBと細分化されています。
そのほかに「モンスーンコーヒー」というインド独特のコーヒーもあり、それはモンスーン・マラバールAAやバサナリーといった上記とは異なる等級になります。
インド産コーヒーの特徴
ではここから、インド産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
インド産コーヒーの精製方法
インド産コーヒーの精製方法は、主に上記で紹介した「ウォッシュド」と「ナチュラル」の2種類です。
ウォッシュドとは、コーヒー豆を乾燥させる前に洗い流す精製方法です。安定して品質を保ちやすく、すっきりとした爽やかな味わいが生まれます。
一方ナチュラルとは収穫したコーヒー豆をそのまま乾燥させる方法で、洗い流すことをしないため本来の甘味や、うまみが強くなります。
さらにインドには特有の「モンスーンコーヒー」というものがあります。これはモンスーン(季節風)を利用したインド独特の精製方法から作られています。湿気の多いモンスーンにコーヒー豆をあて、並びかえや集めて広げるといったことを7週間ほど続けるという手間のかかった精製方法です。
インド産コーヒーの味わい・香りの特徴
インド産コーヒーの味わいの特徴は、マイルドな甘味と酸味です。軽やかな苦みのある上品な味わいは、ヨーロッパでも人気があります。
香りは独特で、特にモンスーンコーヒーは他にないスパイシーさがあります。
インド産コーヒーの品種・種類
ここから、インド産コーヒーの品種・種類について解説します。
アラビカ種
栽培は難しいですが、品質が高いことがアラビカ種の特徴です。インドの南部は、厳しいアラビカ種の栽培条件を満たしている貴重な地域です。
アラビカ種は豊かでフルーティな味わいがあります。
ロブスタ種
インドで流行したサビ病をきっかけに広まったロブスタ種は、アラビカ種に比べ栽培しやすい利点があります。
ロブスタ種は苦味が強く、甘さがやや控えめです。そのため、アイスコーヒーやエスプレッソなどに使用するのもおすすめです。
インドで栽培されるロブスタ種は品質が高く、アラビカ種にも引けを取りません。
インドモンスーン
インドモンスーンは、インド特有の精製方法からなる種類です。精製を経て黄金色になることから、「黄金コーヒー」とも呼ばれています。
独特の甘みと香りがあるため苦手に感じるかも知れませんが、インドを代表する人気のある品種であり、日本で出回っているほとんどがモンスーンです。
インド産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次はインド産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
インド産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
インド産コーヒーのおすすめの焙煎度合いは、独特で豊かなコクや香りをより一層感じられる深煎りです。
浅煎りにすると飲みやすく、軽やかな味わいが楽しめます。
深煎りにすると、エキゾチックな香りやしっかりとした苦味が感じられます。
おすすめの挽き具合
インド産コーヒーのおすすめの挽き具合は、細挽き~中挽きです。
ネルドリップなどで抽出することで、インド産コーヒーの豊かで奥深い味わいを際立たせることができます。
なお、インドでは細挽きが主流です。
おすすめの淹れ方
インド産コーヒーのおすすめの淹れ方は、現地式のインディアンコーヒーです。
少量のコーヒーにミルクと砂糖を多めに加えます。そして2つのカップを使用し、高い位置から交互に何度も注ぎます。こうして泡立てることで、まろやかな風味が生まれるインドの伝統的な淹れ方です。
インドのおすすめコーヒー豆3選
ここから、インド産のおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
今回は、Amazonなどの通販や市販で気軽に買えるインド産コーヒーをセレクトしました。
FELICE:モンスーン"マラバールAA"
インドの代表的な種類である「モンスーンコーヒー」の中でも、厳しい規格をパスしているのがマラバールAAです。
深煎りのため、豊かで味わい深いインドの風味をじっくりと感じられます。
ブルートーカイコーヒー:アティカン産地 アラビカ豆
厳選されたアラビカ種のコーヒー豆です。
産地であるアティカンはインドで最も標高が高く、バランスの良い酸味があります。
こちらの商品は非常にダークなものなので、エスプレッソが好きな方におすすめです。
ばいせん工房:珈琲倶楽部 インドモンスーン
インドの「モンスーンコーヒー」を好み通りに焙煎してくれる商品です。
焙煎度合いが高いほど苦味が強くなるので、苦味が苦手な方はシナモンローストなど浅煎りで注文すると良いでしょう。
インド産コーヒーの特徴まとめ
今回は、インド産コーヒーの特徴について解説してきました。
日本で見かけることは少ないですが、手間と時間のかかったインド産コーヒーは絶品です。豊かなコクと芳醇な香りは、落ち着きたい時にもぴったりです。
ぜひご家庭やお仕事の合間などに、インド産コーヒーでゆったりしたひとときを過ごしてください。
インドコーヒー以外にも、様々なおすすめコーヒー豆を下記で紹介しています。
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