200g 32,400円の高級コーヒーを飲んだり、おいしいコーヒーを飲むために焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、無印良品で販売されているコーヒー豆「オリジナルブレンド」を飲んでみたので、感想を正直に述べる。
今回は3つのコーヒー器具を使って抽出して飲んでみたが、結論からいうと僕個人は正直、あまり美味しいとは感じなかった。
価格が手頃なので「毎日飲むのにはちょうど良い」とネットでの口コミや評判を目にするが、個人的には同じくらいの値段で購入できるドトールのカフェヨーロピアンをおすすめしたい。
そんな無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」の豆の状態からまずは見てほしい。
目次
無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」
無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」は、公式サイトで次のように紹介されている。
ブラジル、コロンビア、グアテマラのアラビカ豆をバランス良くブレンドしました。飲みやすくマイルドな口当たりです。
出典:無印良品
コーヒー豆をパッケージから取り出してみると、豆はムラなくきれいに焙煎されている。
粒も均一に揃っており、見た目は美しいものの香りが弱い。
焙煎度合いはハイロースト~シティローストあたりの中煎り。
酸味と苦味のバランスを重視したものと思われる。
しかし、僕はこの熱風焙煎されたであろうコーヒー豆を見た時点で味が想像できてしまった。
※無印(Café&Meal MUJI)では多くの店舗で「NOVO」という熱風式焙煎機を使用。
▲無味乾燥とした見た目のコーヒー豆からは香りが立っておらず、この時点で美味しそうな予感がしない。
値段(税込)
490円
容量
200g
生産地
- ブラジル
- コロンビア
- グァテマラ
※アラビカ種のコーヒー豆を100%使用
焙煎度合い
中煎り(ハイロースト~シティロースト)
コーヒー豆の味わいを5段階でみる
オリジナルブレンドを3つのコーヒー器具で飲んでみた
▲左から
- bodum(ボダム)フレンチプレス
- HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパー(マルタ製4枚接ぎネルフィルター)
- HARIO(ハリオ)V60透過ドリッパー
はじめにペーパードリップの定番であるハリオV60ドリッパーで抽出して飲んでみて、その後コーヒー豆に合った抽出器具を厳選した。
- 豆の挽き具合:
- 粗挽き(カリタニューカットミル:ダイヤル6にセット)
- 豆と湯の量:
- 16~20g 150cc
- お湯の温度:
- 85℃
- 蒸らし時間:
- 30秒
- その他コーヒー器具:
- カリタ製ペリカンポット 1.0L
HARIO(ハリオ)V60ドリッパーで抽出
カリタニューカットミルで粗挽きにした無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」をハリオV60ドリッパーにセットする。
カリタのホーロー製ポットでお湯を静かに落とすが、湯に触れたコーヒーからは香ばしさがあまり感じられない。
粗挽きにしたコーヒー粉もドーム状に膨れることなく、鮮度が落ちていることを示している。
さっそく一口飲んでみると、コクや旨味がかなり控えめで、苦味も酸味も主張してこない味わい。
逆に言うとプレーンなコーヒーの味わいとも言えるため、クセのないコーヒーが好きなら良いのかも知れない。
次はフレンチプレスでコーヒー豆20gを使って抽出してみる。
コクや苦味、豆本来の個性を引き出すのが狙いだ。
フレンチプレスで抽出
無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」を Bodum製フレンチプレスで抽出して飲んでみると、やや酸味が強く感じられるようになった。
しかし、コクや旨みなどコーヒーにおいて重要な要素はかなり控えめな印象だ。
フレンチプレスで抽出すると、多くの場合は豆本来のナッツのような風味などが感じられるが、無印のオリジナルブレンドからは特別な風味は感じられず、大人しいコーヒー豆である。
熱風焙煎は大量の豆をムラなく簡単に、誰でも焼けるのが特徴だ。
見た目もキレイに仕上がるため、実際に飲むまでは美味しいコーヒー豆なのか?そうでないかの判断がつきにくい。
しかし残念ながら、いざ飲んでみると香ばしい風味やコク、旨味などが感じられないケースが本当に多い。
熱風焙煎されたであろう今回の豆は、フレンチプレスを以ってしても旨味や面白さを引き出すことができなかった。
さて、最後に「究極の抽出方法」といわれるネルドリップを行って、コクや旨みを引き出せないか挑戦してみる。
今回使うマルタ製ネルフィルターは、深いコクや旨味、甘みを抽出するのに優れており、酸味を和らげてくれるのが特徴だ。
使うコーヒー豆は20gだと味が濃すぎるので17.5gを使用する。
ネルドリップで抽出
無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」をマルタ製ネルフィルターで抽出して飲んでみると、不思議とプレーンな味に戻ってしまった。
マルタ製ネルフィルターに酸味を抑える力があるのは、これまでの経験から学んでいたが、コクや旨みが引き出せない経験はあまりなかった。
結論として、最初から味の主張が控えめのコーヒー豆は、抽出器具を変えたところで大きな変化は起きない、ということを学ぶことができた。
まとめ
さて、今回は無印のコーヒー豆「オリジナルブレンド」を3つの抽出方法で淹れて飲んでみた。
200gで490円と安価なので、クセのないプレーンな味わいのコーヒー豆をお得に購入したい方にとっては良いのかもしれない。
しかし個人的には、あと400円プラスしてドトールのカフェヨーロピアンを購入することをおすすめしたい。