200gで32,400円という破格の超高級コーヒーを自腹で飲み、おいしいコーヒーを飲むために自分で焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、ドトールで販売されているコーヒー豆「マンデリン」を飲んでみたので、味の感想を正直に述べる。
マンデリンといえば、数あるコーヒー豆のなかで僕がもっとも愛する銘柄であり、初めて訪れるカフェやコーヒー豆専門店でも先ずマンデリンを注文する。
これまでで、もはや数え切れないくらいのマンデリンを口にしてきたので少々辛口のレビューになるかもしれないが、ドトールで豆購入を考えているなら参考になる内容なので最後まで読んでほしい。
まずは、ドトールのコーヒー豆「マンデリン」の特徴や豆の状態などを一緒に見ていきましょう。
ドトールのコーヒー豆「マンデリン」
ドトールのコーヒー豆「マンデリン」は公式サイトで「パンチのある甘みと苦味、クリーミーで濃厚な風味が特徴。野性味あふれる豊かなコクとほどよい酸味、ミルキーで独特な甘い香り」と述べられているが、真に受けると後悔することになるのだが、その理由は後に述べる。
豆の状態だが、粒は均一に揃っており、焼きムラも目立たない。コーヒーチェーンの豆のなかでは良好といえる。
▲ドトールでは「マンデリン」を含む全てのコーヒー豆が国内で焙煎されている。
そして全てが直火で焙煎されているはずだが、特有の香味をこのマンデリンから感じない。
▲マンデリンといえばスクリーンサイズ(豆の大きさ)が大きいのが特徴なのだが、ドトールのマンデリンは豆が小さく、同店の定番豆「マイルドブレンド」と変わらない。
マンデリンの値段(税込)
970円
マンデリンの容量
200g
マンデリンの生産地
- インドネシア
マンデリンの焙煎度合い
中煎り(ミディアムロースト)
マンデリンの風味を5段階でみる
「マンデリン」を3つの方法で飲んでみた
▲左から
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- HARIO(ハリオ)V60ドリッパー
- HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパー(札幌カフェ「森彦」の4枚接ぎネルフィルター)
写真中央
- 丸太衣料(マルタ)4枚接ぎネルフィルター
今回は、まずペーパードリップの定番である「ハリオV60ドリッパー」で抽出して飲んで、さらに美味しく飲むためのコーヒー器具を厳選した。
抽出環境
- 豆の挽き具合:
- 中挽き(カリタニューカットミル:ダイヤル3にセット)
- 豆と湯の量:
- 16g 150cc
- お湯の温度:
- 85℃
- 蒸らし時間:
- 30秒
- その他コーヒー器具:
- タカヒロ製コーヒードリップポット雫 0.9L
HARIO(ハリオ)V60ドリッパーで抽出
中挽きにしたドトールのコーヒー豆「マンデリン」を、ハリオV60ドリッパーにセットし、お湯を静かに落としていく。
お湯と混じり合ったコーヒー粉はドーム状に膨らまず「ベチャッ」と広がり、新鮮でないことを示している。
また香りも弱く、本当に直火焙煎されているのかと疑いたくなる。
気を取り直して一口飲んでみると、酸味が際立っており、コクや旨味が感じられない。
あまりに酸味が強いため苦味もほとんど感じられない。
マンデリンという豆は、中煎りでもある程度のコクが味わえるはずだが、ドトールのマンデリンは「マンデリンらしさ」が一切ない。
後味はすっきりとキレが良く、しつこさは感じない。
酸味のあるコーヒーが苦手なら飲まないほうがいい。僕も酸味は得意でないので、リピートすることはないだろう。
この酸味を和らげたいので、ネルドリップを試みる。
使うネルフィルターはマルタ製フィルター。こちらを使うと味の角が取れて、味をぎゅっと凝縮させたような仕上がりになる。
HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパーで抽出(マルタ製ネルフィルター)
ドトールのコーヒー豆「マンデリン」を、マルタ製ネルフィルターで抽出して飲んでみると、見事に酸味は和らいで飲みやすい一杯になった。
まだ苦味よりも酸味が強いが、ペーパードリップで飲んだ時よりも味のバランスが取れている。
甘みや旨みはペーパードリップで飲んだ時と変わらず、ほとんど感じない。
最後に、札幌のネルドリップ専門店「森彦」のネルフィルターを使って抽出してみよう。
HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパーで抽出(森彦ネルフィルター)
ドトールのコーヒー豆「マンデリン」を、札幌の名店「森彦」特製ネルフィルターで抽出して飲んでみると、酸味よりも苦味が感じられる一杯になった。
これまで際立っていた酸味は、舌の上でスーッと消えていくような爽やかさな酸味に変わった。
コクもこれまでで、もっとも感じられるようになったが、コーヒーにおいて重要な「甘み、旨味」が感じられないのが非常に残念。
まとめ
さて、今回はドトールのコーヒー豆「マンデリン」を3つの方法で飲んでみた。
もっともポピュラーな飲み方であるペーパードリップでは正直「酸っぱい」としか言えない味であった。
ネルドリップを行うことで酸味は和らぎ、なんとか飲めるようになるが、そこまでの手間暇をかけてわざわざ飲みたいコーヒー豆かと問われれば、答えはNOだ。
なぜなら、ドトールのマンデリンは甘みや旨味がほとんどなく香りも弱い。直火焙煎かどうかも疑わしいレベルである。
食品においてもっとも重要な「鮮度」も良くない。個人的にドトールのコーヒーはこれまで美味しいと評価してきただけに残念な気持ちでいっぱいだ。
ドトールのマンデリンにお金を払うなら、あと少しお金をプラスして10倍おいしいコーヒー豆をあなたには飲んでもらいたい。品質の高いコーヒー豆はドリップ時にお部屋に広がる香りの良さも全然違い、ひとくち飲んだ時の幸福感がたまらない。香りが良くて甘みや旨味、コクの深いコーヒーは本当においしい。
僕が今まで飲んできて、自信を持っておすすめできるコーヒー豆は別記事にランキング形式でまとめたので、おいしいコーヒー豆選びの参考にしてもらえるとうれしい。
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