東ティモール産コーヒーは、マイルドな風味とフルーティで爽やかな酸味が特徴です。
様々な淹れ方で楽しめるので、コーヒー好きにはもちろん、ブラックコーヒーが苦手な方にも試していただきたいコーヒーです。
この記事では、東ティモール産コーヒーの味や香り、おすすめのコーヒー豆を紹介していきます。
目次
コーヒーの産地東ティモールとは
東ティモール共和国は独立してまだ間もなく、国民の平均年齢が18.8歳であり「アジアで最も若い国」と言われています。
国土は日本の岩手県ほどの大きさです。
インドネシアの東方、ティモール島の東部分に位置しており、島の西部分はインドネシア領、南にはオーストラリアがあります。
東ティモールの産地について
東ティモールという産地は、コーヒー豆の栽培を行うにあたって好条件がそろっています。
その理由は熱帯気候による寒暖差、降水量や標高の高さなどにあります。
また、アジアで最も貧しい国と言われ、コーヒー豆栽培に農薬や化学肥料を使う資金がありませんでした。
その結果、完全無農薬のオーガニックコーヒーという栽培方法に至り、世界でも注目されています。
東ティモールにおけるコーヒー栽培の歴史
東ティモールにおけるコーヒー栽培の歴史は、独立前の1815年にさかのぼります。
ポルトガル領であった時代に、総督によりアラビカ種の苗が持ち込まれ、コーヒー豆栽培がスタートしたと言われています。
コーヒー産業を推進するため、各国のNGOやNPOに支援を受けて少しずつ品質を向上してきました。
しかし長期化した内乱で荒れた国土は、復興が進まず、収入源となる産業はありませんでした。
そういった理由から資金源が乏しく、農薬や肥料が買えなかったため、無農薬栽培が定着したと言われています。
現在は、条件の揃った環境やオーガニックコーヒーへの注目度も高まり、国民の5人に1人がコーヒー産業に従事していると言われています。
東ティモール産コーヒー豆の栽培環境
東ティモールの環境は、コーヒー豆栽培にとても適しています。
熱帯気候で朝晩の寒暖差があり、年間降水量も高く、標高の高さが1000m以上の所もあります。
そのおかげで、東ティモールでは身の引き締まったコーヒー豆が栽培できます。
東ティモール産コーヒー豆の生産状況
東ティモール産コーヒー豆の生産状況は、世界では30位前後となっています。
小規模零細農家が、日本やその他各国の支援団体により指導を受け、丁寧に栽培しています。
現在では、国の産業の中で石油についで2番目に盛んな産業となりました。
また、1996年よりスターバックスにて東ティモール産コーヒー豆の取り扱いが始まり、世界に知られるようになりました。
東ティモール産コーヒー豆の等級・グレード
東ティモール産コーヒー豆の等級・グレードについて解説します。
東ティモール産のコーヒー豆は、ほとんとがあまり等級づけをしていません。
インドネシア式にならい、欠点豆の割合での等級付けを行う業者もいますが、まだ少数となっています。
小規模農家が完全無農薬の有機栽培を行っているため、等級よりオーガニック認証を得ているかが重要視されています。
日本であれば有機JAS認証です。JAS認定を受けるには、日本の定めた基準をクリアし、さらには書類審査・実地審査と厳しい審査を通過したものだけが認定証の交付を受けることができます。
東ティモール産コーヒーの特徴
ではここから、東ティモール産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
東ティモール産コーヒーの精製方法
東ティモール産コーヒーの精製方法は、ほとんどが「ウォッシュド」と呼ばれる水洗処理で行われています。
まずコーヒーチェリーのヌルヌルとした粘液(ミューシレージ)をたっぷりの水で洗い流します。
その後しっかりと豆を広げ、天日干しにします。
これらの工程を行うことで、クリーンな酸味を含むコーヒー豆になります。
東ティモール産コーヒーの味わい・香りの特徴
東ティモール産コーヒーの味わいは、しっかりとした苦みとほのかな甘み、りんごのような爽やかな酸味が特徴です。
香りの特徴は、ダークチョコレートやクルミのような香ばしく芳醇な香りです。
東ティモール産のコーヒーは重さがなく「すっきりとした味わい」なので、ブラックコーヒーが苦手な方にも飲みやすい、おすすめのコーヒーといえます。
東ティモール産コーヒーの品種・種類
ここから、東ティモール産コーヒーの品種・種類について解説します。
東ティモールでは、大きく分けて3種のコーヒー豆が栽培されています。
標高1000m以上の地域ではアラビカ種を、その他の地域ではロブスタ種を栽培しています。
また、ティモールハイブリッドと呼ばれる種類も自然交配により誕生しました。
なんとこのティモールハイブリッドは、世界初のハイブリッド種なのです。
通常アラビカ種とロブスタ種による自然交配はできないと考えられていました。
しかし、染色体の変異したロブスタ種が近くのアラビカ種と交配し、誕生したといわれています。
アラビカ種
アラビカ種は、“高地栽培に適している・耐病性が弱い”という特徴を持ち、育てにくい品種といえます。そのため生産量がそれほど多くありません。
しかし、そのような条件下でもしっかりと育ったコーヒー豆は、品質が高いと言われています。
深いコクとほどよい酸味があり、風味も良いので、ストレートで飲むのが一般的です。
ロブスタ種
アラビカ種より病気や害虫に強く、比較的育てやすい品種といえます。
1本の木にたくさんの実がつくため、生産量も多いです。
しかし、アラビカ種に比べ香りや味わいが劣るため、インスタントコーヒーやブレンドする際の増量に用いられています。
ティモールハイブリッド
アラビカ種より耐病性があり、交配も可能であるため、新種交配の際に多用されています。
ブラジルのカチモールや、ケニアのルイルイレブンなどもこちらの改良品種として出回っています。
味や香りは、ロブスタ種に比べて良いのですが、全体的にマイルドな味わいと言われています。
東ティモール産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次は東ティモール産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
東ティモール産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
コーヒー豆の焙煎度合いは浅煎りから深煎りまで、8段階に分かれています。
その中で、東ティモール産コーヒーにおすすめの焙煎度合いは浅煎りです。
具体的にはシナモンロースト~ミディアムローストがおすすめです。
シナモンローストといえば、まだ豆の青臭さもあり、好みの分かれる風味です。
しかし、しっかりとした苦みと爽やかな酸味があるため大変飲みやすく、浅煎りの苦手な方にもぜひチャレンジしていただきたい焙煎度です。
浅煎り豆は喫茶店などで口にするコーヒーの味とは別物なので、一般的な味わいのコーヒーに飽きた方もぜひお試しください。
おすすめの挽き具合
東ティモール産コーヒーのおすすめの挽き具合は、飲み方により異なります。
ペーパードリップであれば細挽きでしっかりと抽出を。
コールドブリュー(水出しアイスコーヒー)であれば中細挽きをおすすめします。
おすすめの淹れ方
東ティモール産コーヒーは、風味や香りがマイルドであるため、どの淹れ方でも楽しめます。
中でもおすすめなのは、コールドブリューです。
コールドブリューでの抽出は、フルーティな香りと爽やかな酸味を味わうことができ、アイスコーヒー好きにはたまりません。
暑い夏にすっきり飲みたい美味しさです。
東ティモールのおすすめコーヒー豆3選
ここから、東ティモール産のおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
今回は、Amazonなどの通販や市販で気軽に買える東ティモール産コーヒーをセレクトしました。
TOKYO COFFEE 東ティモールシングルオリジンオーガニックコーヒー
有機JAS認証のオーガニックコーヒー豆を100%使用した、高品質の商品です。自家焙煎のため新鮮でいちばん美味しい状態で自宅に届きます。
アメリカンローストで香ばしいフレーバーとしっかりした酸味の飲み口です。
ハンドドリップでいただくのがおすすめです。
茜珈琲 レテフォホ
レテフォホフレーバーは、酸味や苦みなどのバランスが程よく、ほのかな甘みもあります。
焙煎度は一般的なシティーローストです。
挽き豆はお好みの挽き方が選べますので、飲み方に合わせて注文可能です。
パルシック 焙煎器 煎り上手&東ティモールコーヒー生豆セット
こちらはなんと焙煎器とコーヒー生豆がセットになっています!
コーヒー生豆はもちろんJAS認証を取得したものを使用。
焙煎器はご自宅のコンロで簡単に焙煎を楽しめるアルミ製。
自分で浅煎りした豆を使い、コールドブリューでゆっくりと抽出したコーヒーを味わう。
そんな贅沢な過ごし方はいかがでしょうか。
東ティモール産コーヒーの特徴まとめ
今回は、東ティモール産コーヒーの特徴について解説してきました。
様々な飲み方に適しており、他の豆とも相性が良く、誰からも愛される味わいの東ティモール産コーヒー。
あなたの1番好きな飲み方を探してみてはいかがでしょうか。
東ティモールコーヒー以外にも、様々なおすすめコーヒー豆を下記で紹介しています。あわせてチェックしてみて下さい。