穀物コーヒーは気になるけど、どういうものなのかな?という人に向けて、穀物コーヒーの基礎情報をお届けしていきます。
この記事では、コーヒーと穀物コーヒーの違いをはじめ、穀物コーヒーの効果やおすすめの商品について詳しくお伝えします。
穀物コーヒーって美味しいの?と不安な方にも安心して飲んでいただけるよう、味の特徴や美味しく飲むポイントも詳しく解説していきますので、是非参考にしてみてください。
この記事を書いた専門家
三村 はるか
(管理栄養士)
食品業界の経験を活かして、現在はフリーランスの管理栄養士としてHACCP普及のためのコンサルやブログ執筆を行う。飲食店に寄り添ったHACCP運用はご好評をいただいております。
ブログ:街のお店のためのシンプルにすぐわかるHACCP&食品衛生
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穀物コーヒーとは?普通のコーヒーとの違い
普通のコーヒーと穀物コーヒーを並べてみるとよく似ており、一見すると違いがわかりません。
穀物コーヒーはコーヒー豆を使いませんが、見た目以外に味もよく似ています。そのため「コーヒーの代用品」としても飲まれています。
しかし、コーヒーとは違う点が大きく分けて3つあります。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
穀物コーヒーは大麦やチコリを使った「コーヒー風味の飲み物」
コーヒーはコーヒー豆から抽出した飲み物です。
原材料となるコーヒー豆は、「コーヒーノキ」に実る果実を使います。果実から豆を取り出し、焙煎してコーヒー豆ができあがります。コーヒー豆を挽いた粉末から、水またはお湯で成分を抽出して作ります。
一方の穀物コーヒーは、大麦やチコリを焙煎して使用するコーヒー風味の飲み物です。使用する原材料は一種類だけでなく、複数の原材料をブレンドして作るものもあり、様々な種類があります。
穀物コーヒーは「ノンカフェイン」
穀物コーヒーと普通のコーヒーの大きな違いは、カフェインの含有量です。レギュラーコーヒー浸出液(コーヒー豆の粉末10gを熱湯150mlで浸出)のカフェイン量は100mlあたり約60mg含まれます。
一方、穀物コーヒーに含まれるカフェインは0mg(ノンカフェイン)です。
カフェインは適量だと体に良い効果を発揮しますが、過剰に摂取してしまうと不調につながる場合があります。そのためカフェインの摂取を控えている方には特に穀物コーヒーがおすすめです。
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穀物コーヒーは「コーヒーと紅茶をブレンドしたような味」
穀物コーヒーの味は普通のコーヒーに似ていますが、全く同じというわけではありません。ほんのりとほろ苦さを感じますが全体的に少し薄めで、コーヒーと紅茶をブレンドしたような味がします。
香りに関してはコーヒーはコーヒー豆を焙煎して作られますが、穀物コーヒーも大麦やチコリなどを焙煎して作られているため、焙煎した香ばしい香りを楽しむことができます。ブレンドされている原料の違いで味や風味が変わってきます。
穀物コーヒーの効果・効能
コーヒーと穀物コーヒーを比べてみると、様々な観点での違いが見えてきましたね。
見た目は同じでも原材料の違いによって味や香りが変わります。そしてカフェインが入っていないことが大きな特徴だということがわかりました。
では、ここから穀物コーヒーを飲むと体にとってどのような良いことがあるのか、穀物コーヒーの効果・効能についてお伝えしていきます。
血糖値の上昇を抑える
穀物コーヒーの原料に使われている根菜類の根の部分には水溶性食物繊維の「イヌリン」という物質が多く含まれています。「イヌリン」は、小腸で糖の吸収を抑制する作用があります。
また、大腸においては「イヌリン」の働きによって血糖値の上昇を抑える「インスリン」という物質が生産するため、血糖値の上昇をゆるやかにすることができるのです。
食後での血糖値上昇の抑制効果もありますが、食後だけでなく、長期的な効果も期待できます。
整腸作用
「イヌリン」は消化吸収できない食物繊維の一種です。
イヌリン自体は消化吸収されることはありませんが、腸内の善玉菌であるビフィズス菌の餌になります。腸内で増殖したビフィズス菌の働きにより、お通じが良くなることで便秘解消効果が期待できます。
また摂取された「イヌリン」は100%腸内細菌に利用されるため、善玉菌が増え腸内フローラを改善します。腸内フローラが改善すると腸内環境が良くなるため、おなかの調子が整います。
冷え性の改善
コーヒーに含まれるカフェインは過剰に摂取すると冷え性の原因となります。
カフェインを過剰に摂取すると、自律神経のバランスが崩れるため、血行が悪くなります。血液は心臓をポンプにして全身に流れているので、血行が悪くなると、心臓から遠い部分である手指や足先まで血液が届きにくくなるため、「冷え」の症状が出ます。
穀物コーヒーはカフェインが含まれていないため、体を冷やす心配がありません。特にたんぽぽコーヒーの場合、血流を良くして体を温める効果があります。
穀物コーヒーはこんな方におすすめ
ここまで穀物コーヒーを飲むことで得られる効果・効能をお伝えしてきました。
穀物コーヒーにはコーヒーと違った効果があります。カフェインレスであるということだけでなく、体にとって良い効果や効能が沢山あることがわかりました。
そこでここからは、どのような方に穀物コーヒーを飲んでいただくのがよいか、効果・効能をお伝えしながらご紹介していきます。
妊娠中や授乳中の方
妊娠中「カフェインを控えましょう」ということはよく言われています。
カフェインは血管を収縮させる作用があるため、お腹が張りやすくなるため、流産や早産のリスクが高まる可能性があります。お腹の張りが強く出てしまう妊婦の方は特に注意が必要です。
また、授乳中にカフェインを摂取すると、母乳を通してカフェインの一部が赤ちゃんにも移行するため控えたほうが良いでしょう。妊娠中や授乳中で、普通のコーヒーを控えたい方に穀物コーヒーは最適です。
カフェイン依存症に悩まされている方
カフェインには適量の摂取であれば体にとって良い効果を得ることができますが、中毒性があるため、知らず知らずのうちに大量のカフェインを摂取してしまう可能性があります。
大量のカフェイン摂取は「カフェイン依存症」に陥ることがあります。
「カフェインを摂取しないと体に不調が現れる」そのような状態になるとカフェイン依存症の可能性も考えられます。カフェイン依存症から抜け出すために、味や香りが似た穀物コーヒーを代わりに飲んでみてはいかがでしょうか。
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カフェインの効果を管理栄養士が解説|摂取量に注意して健康的なコーヒー生活を
夜間にコーヒーを楽しみたい方
家事や仕事が終わった夜の自分時間にホッと一息、コーヒーでリラックスタイムを送りたいと思う時はよくありますよね。
しかし、カフェインには覚醒作用があるため夜間にコーヒーを飲むと眠れなくなることも。眠れなくなるのが嫌でコーヒーを夜間飲まないようにしている人もいます。
穀物コーヒーであれば覚醒作用のあるカフェインが入っていないので、眠れなくなる心配がある方でも安心して飲むことができます。穀物コーヒーは夜のリラックスタイムに最適な飲み物です。
穀物コーヒーの選び方
ここまで穀物コーヒーを飲むのにおすすめの人をお伝えしてきました。
穀物コーヒーを飲んでみたい!けど沢山種類があって選べない・・・そんな方々のために、ここからは穀物コーヒーの選び方についてお伝えしていきます。
何を基準に選んだら良いのかをわかりやすく解説します。そして最後におすすめの商品をご紹介いたします。
使われている原材料で選ぶ
穀物コーヒーの原材料は麦、チコリ、タンポポの根などさまざまです。1種類の原材料から作られているものもありますが、多くの商品が複数の原材料をブレンドしています。
チコリは、料理にも使われる植物です。欧米やヨーロッパで親しまれています。穀物コーヒーではチコリの根を乾燥させてから焙煎して使います。味の特徴としては甘みが感じられる穀物コーヒーです。
麦にも種類があり、大麦やライ麦などが使われています。麦で作られた穀物コーヒーは麦の香ばしい香りとすっきりした後味を楽しむことができます。
産地から選ぶ
穀物コーヒーは、ヨーロッパ全体で広く親しまれてきた飲み物です。
ナポレオン戦争時代にフランスへのコーヒーの輸入がストップし、コーヒーの入手が困難な時代がありました。そこでコーヒーの代わりに飲まれていたのが穀物コーヒーです。
このような背景があるため、今でもヨーロッパでは一般的な飲み物として親しまれています。原産国がヨーロッパの商品を選べば、伝統的な本場の味を楽しむことができます。
できる限りオーガニックを選ぶ
穀物コーヒーは焙煎された穀物をそのままお湯に溶かして飲むため、穀物に残留した農薬を体内に摂取することになります。
残留農薬の心配をなくすためにも、輸入商品を購入する際はオーガニック認証が取れている商品を選ぶと良いでしょう。各国で厳しい基準が定められているため安心して飲むことができます。
国産であれば「残量農薬基準」を満たした穀物のみが使用されています。国産のものでもオーガニック認証が取れているものの方がより安心です。
利用頻度と飲むシーンで選ぶ
穀物コーヒーにはコーヒー同様、様々な種類があります。ドリップタイプ、ティーバッグタイプ、パウダー状のインスタントタイプなどです。
手軽なのはパウダータイプですが、湿気を吸って固まりやすいため消費スピードが早い人に向いています。
ドリップタイプとティーバッグタイプは淹れるのに少し手間がかかりますが、湿気を吸う心配が少ないため、たまにしか飲まない人でも安心です。忙しい時や時間に余裕のある時で使い分けるのも良いでしょう。
穀物コーヒーのおすすめ人気ランキング10選【管理栄養士監修】
ここから、穀物コーヒーのおすすめ人気ランキング10選を紹介します。
今回はAmazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどで売れ筋ランキング上位の穀物コーヒー10商品から、どれが最もおすすめの穀物コーヒーなのか実際の口コミなども交えて決定していきます。
1.ボッテガバーチ 有機穀物コーヒーMIX 100g
ノンカフェインとは思えない深いコクと甘みが特徴。カフェオレにもおすすめ
有機いちじくなどを使用した穀物コーヒーです。カフェイン入りコーヒーのような深いコクと優しい甘みが印象的。
苦味が少なく、ほどよい酸味があって爽やかな口当たり。毎朝飲みたくなる「安定感のある美味しさ」があります。アイス・ホットどちらも対応しているので一年を通して飲めます。
どれを買うか迷ったら、まずはこちらを選ぶと良いでしょう。
2.ボッテガバーチORGANIC CEREAL COFFEE+Dandelion
シンプルでマイルドな味わいの穀物コーヒー
有機たんぽぽに有機スペルト(古代麦)と有機チコリを加えて焙煎した穀物コーヒー。シンプルでマイルドな味わいですが、ノンカフェインで苦味や渋みも少ないため、妊娠中の方やお子様にも安心です。
3.西尾製茶玄米珈琲 煮出し用粒タイプ
安心の無農薬・有機JAS認定栽培玄米のみ使用
鹿児島県産の無農薬・有機JAS認定栽培玄米を100%使用した煮出して飲む穀物コーヒー。粒の量や煮出す時間を調節すれば、コクや風味、苦味の変化を楽しむことができます。
4.ミトク ビオピュール 有機穀物コーヒー
バランスのとれた深い味わいが特徴の穀物コーヒー
チェリーのような爽やかな酸味と、カラメルのような甘い香りが印象的な穀物コーヒー。しつこさがなく、スッキリした余韻が楽しめます。ついつい何度も口を付けたくなる旨みが特徴。コーヒーとほうじ茶の中間というイメージの味わいです。
5.Teeccino(ティーチーノ)ハーバルコーヒー ヘーゼルナッツ
まろやかでほんのり甘味を感じるナッツバターの風味が特徴。カフェラテにもおすすめ
トルコの伝統的なコーヒーフレーバーやチョコレートのフレーバーとして有名な「ヘーゼルナッツ」をブレンド。ひとくち飲んだ瞬間、深くまろやかな香ばしさが口いっぱいに広がります。
6.Lebensbaum(レーベンスバウム)オーガニックインスタント穀物コーヒー
麦芽の軽やかな香ばしさがGOOD!ミルクや蜂蜜を入れてさらに深い味わいに
麦芽、大麦、ライ麦を使用した穀物コーヒーです。1杯あたり25円と穀物コーヒーとしてはお手頃価格ですが、ダマにならずにサッと溶け、麦芽の軽やかな香ばしさが楽しめます。
7.アリサンINKA(インカ)穀物コーヒー
無添加、甘味料不使用の自然な味わいが特徴
オーガニック食品業界で有名なアリサンの穀物コーヒーです。このインカは大麦とライ麦を原料とし、インスタントコーヒーの様に溶けやすくとってもお手軽。添加物、甘味料も不使用。ほどよい酸味と甘みがあり、多くの人にとって飲みやすい味わいです。
8.アリサン有機チコリ穀物コーヒー
有機チコリのほのかな甘みが美味しい。アイスにもおすすめ。
あっさりとした後味でチコリのほのかな甘みを感じます。アイスにしたい場合は少し濃いめに入れて、氷の入ったグラスに注ぐとおいしく仕上がります。
9.Bottega Baci(ボッテガ バーチ)有機穀物コーヒー たんぽぽ
妊娠中の方やお子様におすすめの穀物コーヒー
有機タンポポに有機スペルト小麦(古代麦)と有機チコリを加えて焙煎。原材料に乳糖などの動物性甘味料やコーヒーフレーバーなどの香料を一切使用していないため、特に妊娠中の方やお子様におすすめです。
10.日本珈琲貿易LEROUX(ルルー) インスタントチコリ
カラメルのような甘い香りが特徴の穀物コーヒー
他の穀物コーヒーとは一線を画す香ばしさが印象的です。コーヒーの香ばしさではなく「外国のビスケット」を思わせる甘い香り。いざ飲むと「たまごボーロのようなお菓子感」が満載の穀物コーヒー。
しっかりとした苦味もあり、酸味は控えめ。キャラメルラテなど甘いコーヒーが好きな方におすすめです。
FAQ(よくある質問)
Q:インスタントの穀物コーヒーを買ったのですが、カップ一杯どのくらい粉末を入れるものなんですか?
A:30mlあたり1gを入れると、しつこさもなく飲みやすいです。コーヒーカップ1杯150mlなら5g入れて飲むのが良いです。
Q:コーヒーを飲むと気持ち悪くなるのですが、オーガニックコーヒーや穀物コーヒーなら気持ち悪くならないですか?ちなみに緑茶では気持ち悪くなりません。
A:いいえ。質問者様の場合、体調不良がカフェインによるものではないと考えられます。気持ち悪くなる原因も様々(豆に付着している泥や、カビが原因なのか。単に味が濃すぎるなど)です。そこまで高額なコーヒーではないので、一度試してみてはいかがでしょうか。
Q:穀物コーヒーはカロリーはどのくらいですか?
A:1gあたり3.6Kcal程度です。詳しくは「コーヒーのカロリーと糖質を管理栄養士が解説|種類別カロリー一覧表も」で解説しています。
まとめ
本記事の内容をまとめます。
- 穀物コーヒーは大麦やチコリを使った「コーヒー風味の飲み物」
- 穀物コーヒーは「ノンカフェイン」
- 穀物コーヒーは「コーヒーと紅茶をブレンドしたような味」
- 穀物コーヒーの効果・効能:血糖値の上昇を抑える・整腸作用・冷え性の改善
- 妊娠中や授乳中の方にもおすすめ
- どれを買うか迷ったら「ボッテガバーチ 有機穀物コーヒーMIX」がおすすめ
カフェインレスであるため体に優しく、様々な効果・効能により体の調子を整えてくれる飲み物でもあります。しかし、原材料によって味や香りが大きく異なるため、合わないものもあるかもしれません。
美味しくなければ長続きしませんので、お気に入りの味や香りが見つかると毎日楽しむ飲み物として受け入れやすいと思います。ぜひ自分のお気に入りを見つけてみてください。
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