イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

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イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

イタリアンローストとは、エスプレッソなどイタリアのコーヒーの飲み方に適した焙煎につけられた名称です。

深煎りの中でも特に長時間の焙煎をしたもので、黒に近い外観と濃厚な苦み、スモーキーな香りが特徴です。

ミルクと相性がよく、カフェオレなどに向いているほか、苦味を活かしてアイスコーヒーにしてもよく合います。

今回はイタリアンローストの特徴について解説し、通販で購入できるイタリアンローストの焙煎豆を3つ紹介します。

この記事の監修者

コーヒーマニア 山口誠一郎

山口 誠一郎
焙煎士/バリスタ

TV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。

1,000種以上の通販コーヒーを飲むマニア。

※当ページの情報は執筆時点の情報です。商品に関する最新の情報は各メーカー、販売店にお問い合わせください。※当サイトのコンテンツではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。

イタリアンローストとは?

コーヒー豆の焙煎度合い

コーヒーの焙煎度合いは焙煎時間によって決まります。焙煎時間が短いと浅煎り、長くなるにつれて中煎り・深煎りと呼ばれます。

ローストの深さ(焙煎度合い)は、細かく分けると次の8段階に分類され、ローストの深さによって酸味や苦味、風味、香りがそれぞれ異なります。

  1. ライトロースト
  2. シナモンロースト
  3. ミディアムロースト
  4. ハイロースト
  5. シティロースト
  6. フルシティロースト
  7. フレンチロースト
  8. イタリアンロースト

「〇〇ロースト」という焙煎の名称は、各地域のコーヒーに適した焙煎方法につけられており、〇〇には国名・地名が入ることが多いです。

イタリアンローストはエスプレッソに代表されるイタリアのコーヒーの飲み方に適した焙煎の名称で、深煎りの中でも特に長時間の焙煎をしたものです。

生のコーヒー豆を焙煎し始めてしばらく経つと、パチパチと豆のハゼる音がします。焙煎士はハゼの音を聞いて焙煎度合いを判断しています。

1回目のハゼが終わった後、しばらくすると2回目のハゼが始まりますが、このタイミングで焙煎を止めたのが、日本で一般的なシティローストです。

止めずに2回目のハゼの音が聞こえなくなった時点まで焙煎し続けたものが、イタリアンローストです。豆の外見は真っ黒で、表面には豆から出た油がツヤツヤと光って見えます。

イタリアンローストは濃厚な苦味が特徴

コーヒーの味は、焙煎が浅いと酸味が強く、焙煎が深くなるほど酸味が消えていき、苦味が強くなります。

イタリアンローストは深煎りの中でも特に深煎りですので、濃厚な苦味があり、酸味は全くと言っていいほど感じられません。

苦味は濃厚ですが、コクの方は長時間の焙煎により減少しており軽めで、甘さもそれほど感じられません。

イタリアンローストは元々エスプレッソを目的とした焙煎ですが、エスプレッソの本場イタリアでは砂糖を加えて飲むのが一般的なので、コーヒーの甘味はそれほど重要視されていないのかもしれません。

香りはダークチョコレート、ココア、焼いたマシュマロ、糖蜜などに例えられ、スモーキーさ(煙のような香り)が際立っているのが特徴です。

国名が入っている理由は?

イタリアンローストは、イタリアの人々が好むコーヒーの飲み方に適した焙煎です。

コーヒーの飲み方は各国・地域で異なっており、それぞれ適した焙煎があります。そのため、「〇〇ロースト」の〇〇には国名や地名がつくことが多いのです。

例えば、米国では浅~中煎りのコーヒーが好まれ、ミディアムローストは別名をアメリカンローストといい、シティローストの「シティ」はニューヨークを差します。

欧州の人々は深煎りのコーヒーを好む傾向があり、フルシティローストは別名ウィーンロースト、コンチネンタル(大陸の)ローストとも呼ばれます。

イタリアで「コーヒー」とはエスプレッソを意味します。マシンで瞬時に抽出されたエスプレッソを「立ち飲み」に近い状態で飲み切るのがイタリアのスタイルで、砂糖を入れて飲むのが一般的です。

つまり、イタリアでは濃厚で甘いエスプレッソに合わせた極深煎りの特徴ある焙煎が行われていることから、イタリアンローストと名付けられたわけです。

 

イタリアンローストのおすすめの楽しみ方は?

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

イタリアンローストはミルクと相性が抜群ですので、カフェオレがおすすめです。

カフェオレを作るときはコーヒーを濃いめに淹れておきます。コーヒーと温めたミルクを同時に1:1の割合でカップに注ぐと出来上がりです。

また、濃厚な苦味がアイスコーヒーにも向いています。

イタリアンローストは本来エスプレッソのための焙煎なので、エスプレッソにするとその特長が最大に発揮されます。

家庭で気軽にエスプレッソを淹れるには、マキネッタと呼ばれる器具が便利です。最近はIH式や電気式のマキネッタも出ています。

使い方は粉と水を入れて加熱するだけなので、ドリップよりもずっと簡単です。

エスプレッソに温めたミルクを入れるとカフェラテになります。割合はエスプレッソ2に対しミルク8です。

 

イタリアンローストの美味しい淹れ方

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

イタリアンローストでカフェオレやアイスコーヒーを作る場合は、ペーパードリップでも細挽きが適しています。

ミルクを入れても風味がしっかり感じられる濃いめのコーヒーが抽出できるためです。

美味しく淹れるポイントはお湯の温度です。深煎りのイタリアンローストは焙煎の間に成分が抽出されやすくなっているため、92~88℃のお湯が適しています。

もう1つのポイントは豆の量です。深煎りのコーヒー豆は中煎りより軽く、コーヒー用の計量スプーンで計ると、中煎りが10g、深煎りが9~8gです。

コーヒー豆は焙煎する間に膨らんで、かさが増えていくためです。ですので普段中煎りを淹れている人は10%ほど多めに豆をすくう必要があります。

カフェオレはさまざまなレシピがありますが、豆の量を増やすことでミルクに負けない濃厚さが生まれます。

またアイスコーヒーにするときは、ストレートで飲むときの倍量の豆を使います。

イタリアンローストの豆を抽出する際のポイントは、蒸らすことです。少量のお湯を注いだ後、20~60秒を目安に蒸らすのが一般的です。

蒸らす目的はコーヒー豆に含まれる炭酸ガスを抜いてお湯と豆をよくなじませるためです。

蒸らし終わったら、お湯を注ぎますが、注ぐ回数を3回程度に減らし、1回に注ぐ量を増やすとカフェオレやアイスコーヒーに向いた濃厚な液体が抽出できます。

イタリアンローストは体に悪い?

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

真っ黒な外観のイタリアンローストの豆を見て、体に悪いのではないかと心配する人もいるようです。

しかし、コーヒーをイタリアンローストにすることで特に体に悪い成分が生まれるということはありません。

深煎りのコーヒーはカフェインが多いというのは誤解です。カフェインは焙煎によって減少するからです。ただしその差はごくわずかで、同じ豆を浅煎りにしても深煎りにしても、体が受ける影響はあまり変わりません。

カフェイン量が大きく異なるのは、コーヒー豆の種が違う場合です。カネフォラ種(ロブスタ種)にはアラビカ種の約2倍のカフェインが含まれています。

ロブスタ種はエスプレッソ用のコーヒーや深煎りのコーヒーに使われることが多いので、深煎りのコーヒーはカフェインが多いという勘違いが生まれたのかもしれません。

最近話題のクロロゲン酸はコーヒーに含まれているポリフェノールの一種です。 抗酸化作用や脂肪の蓄積を抑え、糖尿病や肥満の予防に効果的だと注目されている成分です。

クロロゲン酸は焙煎により減少します。日本で一般的なフルシティローストでは約半分になり、イタリアンローストではほとんど消滅しています。

ですので、クロロゲン酸を摂取したい人にはイタリアンローストなどの深煎りのコーヒーではなく、浅~中煎りのコーヒーが向いているといえます。

 

イタリアンローストとフレンチローストで味はどれくらい違う?

イタリアンローストとフレンチローストに共通しているのは、黒に近い色とつやのある外観、苦味が強く酸味がほとんどない点です。例えられる香りもビターチョコやカカオ、カラメルなど共通しています。

イタリアンローストの焙煎は2回目のハゼが完全に終了したタイミングですが、フレンチローストは2回目のハゼの終わりごろです。

つまりイタリアンローストはフレンチローストより焙煎時間が長いので、苦味とスモーキーな香りがより強く感じられます。

一方フレンチローストには、イタリアンローストにないコクと甘みが残っています。

 

スタバはイタリアンローストよりもフレンチローストの方が深煎り

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

スターバックスのイタリアンローストとフレンチローストの豆を比較してみると、フレンチローストのほうがより黒く、香りもスモーキーです。

風味も、苦味一色のフレンチローストに対して、イタリアンローストは甘味やコクが感じられます。

世界で一般的には、イタリアンローストのほうがフレンチローストより深煎りで扱われています。

しかし「〇〇ロースト」の呼び方は焙煎度合いではなく、あくまで焙煎の名称なので、イタリアンはフレンチより深煎りだという定義があるわけではありません。

スターバックス1号店がオープンしたシアトルは米国の西海岸にあり、実は米国の西海岸では、イタリアンローストよりフレンチローストのほうが深煎りなのです。

そのため、シアトル発祥のスターバックスでもフレンチローストがいちばん深煎りのコーヒーなのです。

 

カルディのイタリアンローストはお店で一番苦い

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

カルディでは、販売しているコーヒー豆の風味を酸味と苦味・軽いボディーと重いボディーのチャートで示しています。

カルディのコーヒー豆で苦味が強いコーヒーは「モーニングブレンド」「リッチブレンド」などがありますが、その中でもイタリアンローストはいちばん苦味が際立つコーヒー豆です。

ボディーは中程度で、苦味を活かしたエスプレッソに最適です。

苦みが好きな人にはドリップでストレートもおいしく感じられるはずですが、ミルクや砂糖との相性がよいので、カフェラテやカフェオレに向いています。

カルディのイタリアンローストは、夏季には販売休止になりますが、それは商品名を「アイスブレンド」としてアイスコーヒー向けに販売しているためです。

 

イタリアンローストのコーヒー豆はクレマを形成しやすい

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

イタリアンローストのコーヒー豆は、エスプレッソの「クレマ」を形成しやすいことも特徴です。

エスプレッソは液体の上に泡立った層ができていて、この層を「クレマ」といいます。

クレマはエスプレッソの味では非常に重要で、クレマの厚さ・きめ細やかさ・色はエスプレッソの評価基準に入ります。

クレマの正体は、抽出したときに豆の内部から出てきた二酸化炭素とコーヒー豆の油分が乳化して一体となった泡です。

コーヒーをドリップで淹れるときに出る白い泡も原理は同じですが、漉されてしまうためカップには入りません。

一方エスプレッソでは、抽出時に密閉されているので二酸化炭素の逃げ場がありません。カップに注がれた瞬間、閉じ込められていた二酸化炭素が一気に泡立って、クレマになります。

豆に油分が多いとクレマが出にくくなりますが、ロブスタ種の豆はアラビカ種より油分が少ないため、クレマを出す手助けをしてくれます。

そのためエスプレッソ用のイタリアンローストには一定量のロブスタ種がブレンドされていることが多いです。

また、ナチュラルプロセスで精製された豆も厚くしっかりしたクレマを形成しやすいため、エスプレッソ用のイタリアンローストに適した豆といえます。

 

イタリアンローストのコーヒー豆おすすめ3選

1.ヨシモトコーヒー イタリアン ロースト

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

価格 1880円
内容量 200g
100gあたり 940円
1杯あたり 94円
豆の産地 ブラジル
焙煎度合い 極深煎り(イタリアンロースト)

エスプレッソに適した苦みと香ばしさ、キレのよいすっきりとした後味が特徴。アメリカ―ノ(お湯割り)やアイスコーヒーに牛乳を入れてカフェオレにしても相性が良いです。

エスプレッソマシン、マキネッタ(直火型エスプレッソマシン)で楽しむなら細挽き~極細挽きにして、1回の豆の量を20g~24gくらいを目安に抽出するのがおすすめです。

 

2.STAY DREAM COFFEE

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

価格 1,480円
内容量 200g
100gあたり 740円
1杯あたり 74円
豆の産地 コロンビア、ブラジル
焙煎度合い 極深煎り(イタリアンロースト)

苦味と酸味のバランスがよく、マイルドな味わいのコロンビア産コーヒー豆と、柔らかい酸味とナッツやチョコレートのような甘い香りが特徴のブラジル産コーヒー豆をブレンドしています。

この2つをブレンドすることにより、ストレート1つでは出せない重厚な苦味と深いコクが感じられます。Amazonレビューでも星5つ中の4.3を獲得している話題のコーヒー豆です。

 

3.土居珈琲 エスプレッソブレンド

イタリアンローストとは?特徴やおすすめを紹介!

価格 2052円
内容量 200g
100gあたり 1026円
1杯あたり 103円
豆の産地 インドネシア、コロンビア、ブラジル
焙煎度合い 極深煎り
(イタリアンロースト、フレンチローストどちらかを選択可能)

大阪の老舗ロースター「土居珈琲」のエスプレッソブレンド。同店のイタリアンローストは強い苦味のなかにしっかりと甘みを感じられるのが特徴。

ふくよかな味わいのマンデリン、マイルドな苦味のコロンビア、チョコレートのような風味のブラジルの銘柄を使い、複雑な香味を感じることができます。

日本中のファンが買い付けるだけあって、他店では味わえない特別感のあるおいしさが感じられます。

ミルクとの相性の良さはもちろん、ブラックで飲むのもおすすめのコーヒー豆です。

 

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