アメリカで「東洋のパナマ」と称されるミャンマーのコーヒー。東南アジアで美味しいコーヒーができる新たな産地として、近年注目を集めています。そんなミャンマーコーヒーの産地や味・香りの特徴を解説していきます。
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コーヒーの産地ミャンマーとは
インドシナ半島の西海岸に位置するミャンマーは、日本の約1.8倍の面積を有し、南西はベンガル湾、南はアンダマン海に面しています。人口は約6,000万人。ビルマ族を中心に約130の民族で構成されている多民族国家です。
まずは、ミャンマーという国の特徴やコーヒーの栽培環境を解説します。
ミャンマーの産地について
ミャンマーという産地は、東南アジアの亜熱帯気候地域で、良質なコーヒーが栽培できるコーヒーベルトに位置しています。標高の高い山々に囲まれており、質の高いアラビカ種のコーヒーを栽培できる土壌があると言われています。
主な産地はミャンマー北東部のシャン州、シャン州より南のカレン州で、どちらも自然が豊かな高原地帯です。また、標高の高い山々のあるチン州のコーヒー栽培も盛んになってきています。
ミャンマーにおけるコーヒー栽培の歴史
ミャンマーにおけるコーヒー栽培の歴史は、イギリス植民地時代の1885年に、宣教師から伝わったとされています。ビルマ南部のタニンダーリ州とカレン州にロブスタ種のコーヒー豆栽培を導入したのが最初と言われています。
その後、1930年代にはシャン州にアラビカ種のコーヒーが紹介されました。
イギリス植民地ということもあり、コーヒーよりも紅茶文化が主流だったミャンマー。質の高い土壌を持ちながら、コーヒー栽培技術は高くありませんでした。
しかし、近年の民主化によりアジア最後のフロンティアとも呼ばれ、経済的に発展するミャンマーは、コーヒー豆の栽培技術も向上。世界の珈琲業界から注目を集めています。
2014年、SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)の関連団体である、コーヒー品質協会「CQI」が、ミャンマーの中小規模コーヒー農家の生産支援を開始しました。
また、2016年に開催されたSCAAエキスポ(Specialty Coffee Expo)で高評価を受けたミャンマーは、アジアの産地として世界から注目を集めています。
ミャンマー産コーヒー豆の栽培環境
ミャンマー産コーヒー豆の栽培環境は、コーヒーベルトの緯度に位置し、標高は1,000メートル以上の立地であることから、非常に恵まれていると言えます。
ミャンマーには約40,000エーカーの高地コーヒー農園と、約10,000エーカーの低地コーヒー農園があります。ミャンマーコーヒーはこの約50,000エーカーの農園で栽培されています。
主に栽培されているアラビカ種は温度変化に弱く、夏は日陰を作り、冬は冷たい霧などから守るためのシェルターとなる木が必要とされています。
主要産地のシャン高原は、気温の高低差が激しく、氷点下から高いときには38度まで上がります。夏季の日差しと冬場の低温を避けるために、シルバーオークを栽培し、シェルターとして活用しています。
ミャンマー産コーヒー豆の生産状況
ミャンマー産コーヒー豆の生産状況は、2018年のデータで年間生産量が8,607トン、世界のコーヒー豆生産量ランキングで41位です。
一方、隣国のタイでは32,684トンの生産量があることから、ミャンマーは栽培に適した土地をもちながら、生産量の水準が低いことが分かります。イギリス植民地時代の影響により、紅茶文化が根強いため、国内消費量を増やすことが生産量を増やす鍵となりそうです。
ミャンマー産コーヒー豆の等級・グレード
ミャンマー産コーヒー豆の等級・グレードについては公式な等級規格はありません。生産地域や生産者ごとにランク付けはされています。
ミャンマーは2016年3月に同国で開催された品評会で、エントリーした60種のうち、56種がSCAAの基準で80点以上を獲得し、スペシャルティコーヒー産地の仲間入りを果たしました。
今後、更なる成長を遂げていく中で等級・グレードに関しても公式規格が設定されていくことでしょう。
ミャンマー産コーヒーの特徴
ではここから、ミャンマー産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
ミャンマー産コーヒーの精製方法
ミャンマー産コーヒーの精製方法は、「ウォッシュド」と「ハニープロセス」があります。
「ウォッシュド」とは、世界で最も広く行われている精製方法です。コーヒーチェリーをパルパーへ入れ、果肉から種を取り出します。その後、水槽へ入れ、ミューシレージと呼ばれる粘液質を取り除きます。粘液を完全に取り除いたら乾燥させ、精製する方法です。
それに対し、「ハニープロセス」とは、コーヒーの果肉から種を取り出した後、種の周りについたミューシレージを残した状態で乾燥させ、精製する方法です。乾燥中に周りの糖分により発酵が進み、ハチミツを思わせる独特のフレーバーが引き立ちやすいことから、このように呼ばれます。
ミャンマー産コーヒーの味わい・香りの特徴
ミャンマー産コーヒーの味わいの特徴は、優しい酸味とマイルドな旨味です。深みがありながらフルーティさも兼ね備え、後味も良く、非常にバランスのとれた味わいです。
香りの特徴は、フローラルで果実のような酸味のある香りです。ハニープロセスされたものはキャラメルのような甘い香りが特徴です。
ミャンマー産コーヒーの品種・種類
ここから、ミャンマー産コーヒーの品種・種類について解説します。
ミャンマーで主に生産されているのはアラビカ種で80%を占めます。これ以外に、アラビカ種とは対照的なロブスタ種も生産されています。それぞれの品種の特徴は以下の通りです。
アラビカ種
・栽培条件が厳しい
・耐病性が低い
・一度に収穫できる量が少ない
・香りが華やかで高品種
ロブスタ種
・栽培しやすい
・耐病性が高い
・一度に大量に収穫できる
・苦みが強く、渋みもある
・比較的安価で取引され、インスタントコーヒーや缶コーヒーに使用される
ミャンマー産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次はミャンマー産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
ミャンマー産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
ミャンマー産コーヒーのおすすめの焙煎度合いは、中煎り~深煎りです。
中煎りではフルーティなフレーバーを感じつつも、後味はすっきり。非常にバランスのとれた味わいです。
深煎りでは濃厚な苦みがチョコレートのようなフレーバーを感じさせてくれます。苦みファンの方にはたまらない一杯となるはずです。
おすすめの挽き具合
ミャンマー産コーヒーのおすすめの挽き具合は、中挽きか中粗挽きです。
お使いの器具に合わせた挽き方を選択されるのがおすすめ。粗すぎると風味がなくなったり、細かすぎると雑味まで抽出されてしまいます。
おすすめの淹れ方
ミャンマー産コーヒーのおすすめの淹れ方は、ペーパードリップかネルドリップです。
ペーパードリップは円錐型を使用すると、雑味が出にくくスッキリした味わいです。
ネルドリップはコーヒーのドリップ過程を楽しみたい方におすすめ。ドリップ中の豆が膨らむ様子は見ているだけでも楽しむことができます。
ミャンマーのおすすめコーヒー豆3選
ここから、ミャンマー産のおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
今回は、Amazonなどの通販や市販で気軽に買えるミャンマー産コーヒーをセレクトしました。
やなか珈琲店 シャンリーハイランド
やなか珈琲店のシャンリーハイランドはミルクチョコレートに似たソフトな香り、クリーンで仄かな甘みが特徴です。
コーヒーのおともを邪魔しないクリアな味なので、食後だけでなく、食事中も楽しめます。
銀河コーヒー 星山 シティロースト(中煎)
銀河コーヒーの星山は、クリアで苦みや酸味が少なく、後味もスッキリ。飲むとミャンマーの澄み切った空気と肥沃な土壌が思い浮かぶ味わいです。
「アジアンスペシャリティ」という異名を持つ星山の味をぜひお試しください。
グルメコーヒー豆専門!加藤珈琲店 ミャンマー世界規格Qグレード珈琲豆
加藤珈琲店のコーヒー豆は選りすぐりのアラビカ種100%使用にこだわりロブスタ種は一切使用していません。ヘーゼルナッツのような甘い香りを持ち、酸味と甘味の絶妙なバランスが特徴です。
おすすめはエルサルバドル・マンデリン・ミャンマーのQグレード3種飲み比べです!
ミャンマー産コーヒーの特徴まとめ
今回は、ミャンマー産コーヒーの特徴について解説してきました。
ミャンマーコーヒーは酸味と甘味のバランスが取れており、様々な方に飲んでいただきやすい特徴のコーヒーです。
SCAAでも高評価を得たミャンマーコーヒーは、今後ますます成長し、世界で広く飲まれるようになるでしょう。
ぜひご家庭やお仕事の合間などに、ミャンマー産コーヒーでゆったりしたひとときを過ごしてください。
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