コーヒーブロガー山口が全国にある有名コーヒー専門店で販売されている豆の風味や、値段に見合った価値を感じられるコーヒーなのかを、ユーザー目線で検証していく企画。
今回は神奈川県の厚木に本店を構え、東京や埼玉、愛知などに20店舗以上を構える炭火焙煎コーヒー専門店「南蛮屋」の「ブラジルショコラ」を飲んでみた。
名前を聞くだけでも甘そうな風味が想像できるこのブラジルショコラ。
実際に飲んでみて、本当に甘いのかどうかを検証するために、今回は4つのコーヒー器具を使って抽出して飲んでみた。
もちろん、それぞれの器具で抽出した際の風味や、味の特徴もお伝えしていく。
あなたの手持ちの器具で淹れると「こんな味で楽しむことができるんだな」と参考にしてもらえればうれしい。
南蛮屋とは
1984年創業の老舗コーヒーロースターである南蛮屋は、備長炭を使った炭火焙煎を行っていて、ガスや熱風による焙煎とはひと味違った風味を低価格で楽しむことができるのが特徴。
「炭火焙煎のおいしいコーヒー豆屋さんはどこですか?」と自家焙煎を行っているようなカフェで質問すると、何度も名前が挙がるような有名店なので、あなたもご存知かもしれない。
以前、南蛮屋の一番人気の「うまか珈琲」というコーヒー豆を買って飲んでみたが、こちらは100g 562円と手頃な値段ながらも、満足度の高いおいしいコーヒーを楽しむことができたので、今回「ブラジルショコラ」も試してみることにした。
この記事のおわりに「うまか珈琲」のリンクを貼っておくので、あわせて読んでみてほしい。
南蛮屋のブラジルショコラとは
▲南蛮屋の「ブラジルショコラ」 100g 540円(税込)
南蛮屋で販売されているコーヒー豆の中で、もっとも甘そうなイメージが広がる「ブラジルショコラ」は、ショコラケーキを思わせる重厚感ある甘い香りと豊かなコクが特徴と、オンラインショップに記されている。
こちらの豆は、南蛮屋のためにブラジルで特別に生産されているそうで「重量感あふれる甘味」にこだわり抜いた一品。
ブラジルにある20農園で生産されたコーヒー豆の中から、南蛮屋の焙煎責任者である村松さんが厳選した、たったひとつの銘柄。
それが今回レビューする「ブラジルショコラ」である。
さて、さっそく袋をあけて豆を出してみると、焼きムラがほとんど見られずキレイに焙煎されている。
また炭火焙煎された豆のみで感じることができる、スモーキーで芳ばしい香りに加え、黒蜜のような甘い香りが印象的だ。
豆が入っているパッケージの裏には、おいしく飲める期間について「袋詰めから10日間」と記されている。
ガス焙煎や熱風焙煎にくらべて酸化が遅いため、長い期間おいしく飲めるのも炭火焙煎の特徴だが、やはり購入後は早めにキャニスターなどの保存容器に入れて、直射日光をさけて保存するのがいい。
南蛮屋の「ブラジルショコラ」を4つの器具で抽出
▲左からHARIO V60ドリッパー、bodum製フレンチプレス、AEROBIE製エアロプレス、HARIO製ウッドネック ネルドリッパー。
同じコーヒー豆でも抽出に使う器具が変わると風味も大きく変わるのがコーヒーの奥深いところでもあり、楽しさでもある。
なかでも今回は、とくに変化が大きく感じられる4つの器具を厳選して抽出してみた。
焙煎度合い:シティロースト(中深煎り)
豆の挽き具合:やや細挽き(Kalitaニューカットミル:ダイヤル2にセット)
豆と湯の量:16g 160cc
お湯の温度:85℃
その他コーヒー器具:タカヒロ製コーヒードリップポット雫 0.9L
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1・HARIO V60ドリッパーで抽出
南蛮屋の「ブラジルショコラ」の風味を5段階でみる
Kalita製の電動ミルで、やや細めに挽いた南蛮屋のブラジルショコラをHARIO V60ドリッパーにセットし、タカヒロ製のドリップポットでポトポトと、雑味を出さないよう静かにお湯を落としていく。
すると、あたりにはキャラメルのような甘い香りが広がり、ドリップ時から心地よい気持ちになる。
さっそく一口飲んでみると、ブラジルらしいシャープな苦味のなかに、重厚感ある甘さを感じられるコーヒーという印象を受けた。
実をいうと、僕はあまりブラジル産のコーヒーを普段好んで飲まない。
あのブラジルコーヒー特有のシャープな苦味があまり好みではない。
ただ、この南蛮屋のブラジルショコラの苦味はまろやかで、あの突き刺さるようなシャープさを感じないため飲みやすい。
そして、この重厚感ある豊かな甘みも苦味をよりマイルドにしていて、口当たりをまろやかに、やさしくしている。
また、一口飲んだ際に感じた深いコクも印象的で「豆の芯まで味わえている」そんな気持ちにさせられる深さと旨みがある。
ブラジルショコラの重厚感ある甘みの正体は、このコクにあるといっても過言ではないくらい存在感が大きい。
コーヒーが少し冷めてくると、ほんのり酸味が感じられるようになるが、これは気になるほどでもないので、酸味が苦手でも問題なく飲めるだろう。
南蛮屋のブラジルショコラをHARIO V60ドリッパーで淹れると、重厚感ある豊かな甘さと深いコクを感じられる一杯に淹れることができる。
ほどよい苦味で飲みやすく、かつ価格も手頃なので常備用コーヒーとしておすすめできるし、来客用として出しても美味しいコーヒーだと言ってもらえるのではないだろうか。
広く支持されそうなバランスの取れた味わいなので、ギフトに送っても喜ばれそうだ。
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次は少しあっさりめに飲んでみたいので、エアロプレスで抽出してみよう。
2・エアロプレスで抽出
南蛮屋のブラジルショコラをエアロプレスで抽出すると予想どおり、あっさりした味わいになった。
苦味は少し控えめになったかな?という程度で、さきほどと同様に飲みやすい。
ただ、ブラジルショコラの特徴でもあり、良さでもあった重厚感ある豊かな甘みと深いコクは、かなり控えめになり、僕はちょっと物足りなく感じた。
そのかわり後味はHARIO V60ドリッパーで抽出したときよりも、よりさっぱりとキレが良くなった。
また苦味や甘みなど、味の各要素が少しずつ抑えられた分、炭火焙煎特有のスモーキーな風味がより感じられるようになった。
エアロプレスでの抽出は好みが分かれそうだが、日頃あっさりしたコーヒーを好んで飲んでいるなら、エアロプレスで抽出するといい。
僕はコーヒーを淹れる際、一般的な分量より少し多めの豆を使ってコーヒーを抽出している。
こうすると、たとえば今回のエアロプレス抽出のように、あっさりした味わいに仕上がりながらも、多くの豆を使っているので豆の味をより堪能できるのだ。
このブラジルショコラでは、よく染み込んだ炭火焼きの香ばしい風味とシュガーナッツのような味を楽しめる。
エアロプレスは、フレンチプレスとペーパードリップのいいとこ取りをしたような味に仕上がり、豆を味を楽しむことができ、かつ手入れが非常に簡単なコーヒー器具なので、機会があればぜひ1度使ってみてほしい。
いつものコーヒーがひと味違って楽しめるようになるはずだ。
さて、次はフレンチプレスで抽出してみよう。
3・フレンチプレスで抽出
南蛮屋のブラジルショコラをフレンチプレスで抽出すると、豆本来のシュガーナッツのような味わいを強く感じられるように。
また、これまででもっとも炭火焙煎の風味を堪能できるように。
全体的にエアロプレスで抽出した時に近い味わいで、ややあっさりめ。
ただ抽出にペーパーを使わない分、コーヒーオイルたっぷりに仕上がるため口当たりはフレンチプレスのほうが濃厚になる。
南蛮屋のブラジルショコラをフレンチプレスで抽出すると、味わいあっさり、口当たり濃厚、そして豆のスモーキーさとシュガーナッツのような味を強く感じられる一杯に淹れられる。
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最後に、ネルドリップで抽出してみよう。
4・ネルドリップで抽出
南蛮屋のブラジルショコラをネルドリップすると、HARIO V60ドリッパーで抽出したコーヒーを少しすっきりさせたような味に。
HARIO V60ドリッパーとの大きな違いは、後味のすっきり感。
HARIO V60ドリッパーで抽出したときは、重厚感ある甘みがやや強く口に残ったが、ネルドリップすると甘さを十分に堪能でき、かつすっきりとキレが良い、まるで「大人のスイーツ」のような上品な口当たりになる。
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まとめ
さて、今回は南蛮屋のブラジルショコラを4つの抽出器具を使って飲んでみたが、僕はHARIO V60ドリッパーで飲んだ一杯が、重厚な甘みと深いコク、そして旨みを感じられて好みの味わいだった。
甘みを感じつつ、すっきりとキレのよいコーヒーが好きならネルドリップで淹れることをおすすめする。
ただ、いずれの淹れ方でも甘みとコクを感じられ、変なクセもなく純粋なコーヒーらしい味わいを楽しめる、満足度の高いコーヒーだった。
値段も100g 540円と手頃なので「甘い炭火焙煎コーヒー」が飲みたいなら迷わず買いだろう。
常備用コーヒーとしておすすめできるし、来客用として出しても申し分ない。
広く支持されるであろう味わいなので、ギフトに送っても喜ばれそうだと正直に感じた。
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