200gで32,400円という値段の超高級コーヒーを飲んだり、おいしいコーヒーを飲むために自分で焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、東京・銀座の名店カフェ・ド・ランブルに訪れ、「グァテマラ(深煎り)」を豆の状態で持ち帰って飲んでみたので、感想を正直に述べる。
こちらのお店では、コーヒー豆を数十年寝かせた「オールドコーヒー」をはじめ、ネルドリップコーヒーを味わえる。
僕は実際に店舗でもコーヒーをいただいたが、正直いまいち感動するような美味しさを体験できなかった。
しかし、自分でドリップして飲んだら一味違った美味しいコーヒーを味わえるのではないか?と考え、ちょっと高級といえるコーヒー豆を買って自宅で飲んでみた。
カフェ・ド・ランブルの「グァテマラ」
カフェ・ド・ランブルでは10年以上寝かせたオールドコーヒーを豆の状態では販売していない。
よって、こちらのグァテマラは10年未満のオールドコーヒーということになる。
また、カフェ・ド・ランブルでコーヒー豆を売ってもらうには、「ネルドリップで飲むことが条件」と公式ホームページに記されている。
しかし実際は購入する時に「ネルドリップで飲みますか?」などと訊かれたりはしないので、どなたでも購入することが可能だ。
▲豆の粒が均一にキレイに揃っており、焼きムラや欠点豆も見られない。また豆はふっくらと大きく焼きあがっており、これは豆の芯まで火が通っている証でもある。
値段(税込)
870円
コーヒー豆の量
100g
コーヒー豆の生産地
グァテマラ
焙煎度合い
フルシティロースト(深煎り)
グァテマラの風味を5段階でみる
カフェ・ド・ランブルのグァテマラを3つの方法で飲み比べ
▲左から
- HARIO(ハリオ)V60ドリッパー
- HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパー(丸太衣料(マルタ)4枚接ぎネルフィルター)
- bodum(ボダム)フレンチプレス
今回は、まずペーパードリップの定番であるハリオV60で抽出して飲んでみて、さらに美味しく飲むために、ほかの2つのコーヒー器具を厳選した。
抽出環境
- 豆の挽き具合:
- やや細挽き(カリタ・ニューカットミル:ダイヤル2にセット)
- 豆と湯の量:
- 16g 160cc
- お湯の温度:
- 85℃
- その他コーヒー器具:
- タカヒロ製コーヒードリップポット雫 0.9L
HARIO(ハリオ)V60ドリッパーで抽出
カフェ・ド・ランブルのグァテマラを細挽きにし、タカヒロ製ドリップポット雫を使って静かにお湯を落としていく。
コーヒー粉が湯に触れると大きくドーム状に膨らんでいき、コーヒー豆が新鮮であることを示している。
さっそく一口飲んでみると、ほのかな甘みが口に広がり、ナッツを思わせる「コーヒー豆本来の味」が感じられ、かすかな苦味が余韻に残る。
透明感のあるクリアな味わいで雑味が一切なく、豊かな甘みが幸せな気持ちにさせてくれる。
苦味は想像よりも控えめで、ほどよいコクがあり、しつこ過ぎない程度にボディ感もあるので、ミルクを入れて飲んでもコーヒーの風味が負けることなく楽しめる。
飲み進めていくとコーヒーの熱が冷めてきて、より甘みが強く感じられるようになるので砂糖は不要かもしれない。
正直、カフェ・ド・ランブルの店舗でコーヒーを飲んだ時は美味しいと感じなかったので、コーヒー豆の味にも期待を抱いていなかったのだが、いざ飲んでみると非常に満足度の高い美味しいコーヒーであった。
次はフレンチプレスプレスで抽出してみて、豆本来の味を存分に試してみたい。
フレンチプレスで抽出
カフェ・ド・ランブルのグァテマラを、フレンチプレスで抽出して飲んでみると、ペーパードリップで飲んだ時よりも酸味が感じられるようになり、味のバランスが整って飲みやすい一杯になった。
また、豆本来のナッツのような風味は、より強く感じられて奥行きのある風味になる。
コーヒーマニアに好まれそうな、飲んでいて面白味を感じる味わいだ。
また、フレンチプレス特有のまろやかな舌触りが加わったことによって重厚感のある口当たりになった。
最後にカフェ・ド・ランブルの店舗と同じように、ネルドリップで飲んでみる。
店舗では、オリジナルのネルフィルターを使っていたが、僕はマルタ製ネルフィルターを使って抽出してみる。
HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパーで抽出(マルタ製ネルフィルター)
▲お湯がコーヒー粉に触れると、粉はドーム状に大きく膨らむ。これはコーヒーの鮮度の良い証である。
カフェ・ド・ランブルのグァテマラをマルタ製ネルフィルターで抽出して飲んでみると、旨味と甘みがぎゅっと濃縮された味わいに仕上がった。
ペーパードリップでの抽出よりも明らかに苦味の角が取れて、甘みが際立った一杯になった。(というより、強い甘みが苦味をかき消しているようにも感じられる)
フレンチプレスで抽出したコーヒーが広がりのある味だとすれば、ネルドリップで抽出したコーヒーは甘みと旨味が凝縮された、まとまりのある味だと表現したい。
まとめ
さて、今回はカフェ・ド・ランブルのグァテマラを3つの方法で飲んでみた。
ネルドリップで飲んだコーヒーも好みだったが、僕はフレンチプレスで抽出したグァテマラの味が、もっとも飲んでいて面白さを感じた。
コーヒー豆100gで870円と値段は安くないが、相応の味が楽しめるクオリティの高い逸品であった。
自宅でコーヒーを抽出できる環境が整っているなら、店舗で飲むよりも豆での購入をおすすめする。
カフェ・ド・ランブルではコーヒー豆の通販も行っているので、誰でも気軽に購入できる。
唯一のネックは送料が907円~と少々高めなこと。「◯◯円以上の購入で送料無料」などのサービスも行っていない。