人口960万人、国土のほとんどが山で覆われた小さな国ホンジュラス。
コーヒー好きの方ならその名をご存知の方も多いのではないでしょうか?
周りを囲むグァテマラやニカラグアを抑えてコーヒー生産数は中南米一!
そんなホンジュラスコーヒーの歴史や、人気の秘密をご紹介いたします。
目次
コーヒーの産地ホンジュラスとは
中南米に位置する、カリブ海と太平洋に面した小さな国ホンジュラス。
日本の1/3程の広さでありながら、コパン遺跡や、世界で2番目に大きいと言われている珊瑚礁帯など、その景観の美しさを求めて観光客が絶えない世界有数のリゾート地です。
古代文明の跡が残るホンジュラスは、未だ謎に包まれた地が多くあり神秘の国とも言われています。
ホンジュラスの産地について
ホンジュラスという産地は、国土の80%が山土であり、標高の高い山が連なっています。
気候は温暖で、地球上で1割しかないと言われている火山性土壌が豊富であり、それらは全てコーヒー栽培をする上で非常に良い条件が備わっています。
まさにコーヒー生産の聖地とも言えますね。
主な生産地は、コパン、オパラカ、最近ではサンタバルバラなどいずれも高山地域での栽培が盛んに行われています。
ホンジュラスにおけるコーヒー栽培の歴史
ホンジュラスにおけるコーヒー栽培の歴史は、19世紀末にコーヒーノキの苗木を植栽した事から始まったと言われています。
栽培に好条件な環境を持つ事は隣国のグァテマラや、ニカラグアと同等でしたが、規模も小さく交通手段などのインフラが整っていなかった事からしばらくは国内のみで消費していました。
その為ホンジュラスのコーヒーはあまり知られていませんでしたが、交通機関の発達、生産数の増加に伴い、現在では世界に名が知れ渡る名産地となりました。
ホンジュラス産コーヒー豆の栽培環境
ホンジュラス産コーヒー豆の栽培環境は、熱帯気候である事から、温度だけでなく湿度も高く、一見「コーヒー栽培に不向きなのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、国土のほとんどが標高1000mを超える高山地帯である為、昼夜の寒暖差がコーヒー豆の品質を向上させるのです。
ホンジュラス産コーヒー豆の生産状況
ホンジュラス産コーヒー豆の生産状況は、現在、年間約750万袋ほど生産されていて、重さにすると36万トンと世界シェア4割を占めるほど。
ほとんどが輸出されており中南米最大の生産数を誇っています。
ホンジュラス産コーヒー豆の等級・グレード
ホンジュラス産コーヒー豆の等級・グレードについて解説します。
ホンジュラスでは栽培されている場所の標高の高さで、3段階にコーヒー豆の品質が評価されています。
- 標高600m~900mの場合は「CS(セントラル・スタンダード)」
- 900m~1200m「HG(ハイ・グロウン)」
- 1200m以上の場合は最も等級の高い「SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン)」
ホンジュラス産コーヒーの特徴
ではここから、ホンジュラス産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
ホンジュラス産コーヒーの精製方法
ホンジュラス産コーヒーの精製方法は、元来の品質を損ねないように、丁寧に時間をかけて処理をする「ウォッシュド製法」が主流です。
たくさんの水で果肉を綺麗に洗い、1週間かけて乾燥させます。
ホンジュラス産コーヒーの味わい・香りの特徴
ホンジュラス産コーヒーの味わいは、フルーティーな酸味と、すっきりとした爽やかさが特徴です。
焙煎度合いによってコクや苦みが変化する事も魅力の一つです。
香りの特徴は、総じて甘くすっきりとしていますが、産地によってチョコレートのフレーバーを感じたり、柑橘系などフルーツの甘酸っぱい香りがするコーヒーもあります。
ホンジュラス産コーヒーの品種・種類
ここから、ホンジュラス産コーヒーの品種・種類について解説します。
ブルボン種
ホンジュラスで主に栽培されているブルボン種。コーヒーは「アラビカ」と「カネフォラ」の二つに分類されるのですが、ブルボン種は「アラビカ」に属します。
数ある属種の中でも「ティピカ種」と並ぶ優良品種であり、豊かな甘い香りと濃厚なコクを持で有名です。世界の各地で栽培されている人気品種です。
カトゥアイ種
カトゥアイ種も「アラビカ」に分類される品種であり、「カトゥーラ」と「ムンドノーボ」という品種を人工的に交配して作られたものです。
栽培が難しいとされていた「ムンドノーボ」の品質と収穫量を増やす目的で作られた「カトゥアイ種」は害虫への耐性も強く、生産性が高いことも特徴の1つとして挙げられます。
カトゥアイ種は軽い口当たりとマイルドな風味が特徴で、幅広い人に好まれるおすすめの品種です。
カトゥーラ種
先ほどご紹介した「ブルボン種」が突然変異してできたのが「カトゥ―ラ種」です。カトゥーラ種は病気や日光に強い丈夫な品種です。
2012年にホンジュラスでも大流行し、コーヒーをほとんど壊滅させた「サビ病」にも耐性があります。
その為、生産量が高くコーヒー農家の方に非常に人気があります。
カトゥーラ種の味わいは、ほんのり感じる甘みとバランスのとれた安定感が特徴です。
ティピカ種
コーヒー豆史上最も古い品種であり、現在出回っている品種の産みの親的存在。
所属する「アラビカ種」の中で、「ブルボン種」と並ぶ優良品種であります。
しかし、害虫や気候への耐性が弱く育てにくい事から生産性が非常に低い事でも有名です。
上品な酸味と数ある品種の中でも群を抜く風味がある事から、生産性を上げるため品種改良に使われています。
ホンジュラス産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次はホンジュラス産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
ホンジュラス産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
ホンジュラス産コーヒーのおすすめの焙煎度合いは、ハイローストからシティローストがおすすめ。
柔らかくすっきりとした味わいが特徴的なホンジュラスコーヒーですが、焙煎度によって風味が変わる事も魅力の一つです。
飲みやすい風味と程良い苦みの絶妙なバランスを味わうには中煎りがベストです。
ペーパードリップで抽出する方や、よりすっきりとしたアメリカンタイプの飲み口がお好きな方には浅煎りがおすすめです。
おすすめの挽き具合
ホンジュラス産コーヒーのおすすめの挽き具合は、中挽きか中細挽きがおすすめです。
中細挽きはグラニュー糖よりも少し大きい粒子で最もポピュラーな大きさです。
粒の大きさに迷った時やペーパードリップで抽出するときに選ぶと良いです。
サイフォンなどでじっくり時間をかけて抽出する場合は、中細挽きよりも粗めの中挽きがおすすめです。
おすすめの淹れ方
ホンジュラス産コーヒーのおすすめの淹れ方ですが、すっきりとした酸味を感じたい方は、浅煎りでペーパードリップするなど一般的な淹れ方がおすすめです。
苦味も感じたい!と思う方は中深煎りされた豆をサイフォンや、フレンチプレスでじっくり抽出する淹れ方がおすすめです。
ホンジュラスのおすすめコーヒー豆3選
ここから、ホンジュラスのおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
ほどよい酸味と苦味のバランスのとれた飲みやすいコーヒーをピックアップしました。お値段的にも手頃なコーヒー豆(粉)を選んでいるので、ぜひ試してみてください。
加藤珈琲店 ホンジュラスHG
加藤珈琲店のホンジュラスHGは、豊かな香りとフルーティーな甘いフレーバー、なめらかなコク、ほどよい酸味と苦味のバランスのとれた飲みやすいコーヒーです。
同店のコーヒー豆は鮮度もよく、お手頃価格で購入できるおすすめコーヒー豆です。
藤田珈琲 ホンジュラスブレンド
藤田珈琲のホンジュラスブレンドは、ほどよいコクと穏やかな酸味が特徴的なコーヒー豆です。
繊細な味わいのなかに、フルーティな甘い風味が感じられるおすすめコーヒー豆です。
ヒルス ハーモニアス ホンジュラス ウーマンズコーヒーブレンド
ヒルスのハーモニアス ホンジュラス ウーマンズコーヒーブレンドは、フルーティーな酸味とやさしい甘みが特徴的なブレンドコーヒーです。
すでに挽いてあるコーヒー粉の状態で購入できるため、コーヒーミルをお持ちでない方でも楽しめます。
ほどよい酸味のあるホンジュラス産の銘柄を飲みたい方におすすめコーヒー粉です。
ホンジュラス産コーヒーの特徴まとめ
今回は、ホンジュラス産コーヒーの特徴について解説してきました。
初心者でも挑戦しやすい、甘い香りとすっきりとした味わいで、産地で異なるフレーバーが楽しめる事も魅力的ですね。
高品質で世界から認められているホンジュラスコーヒーで素敵なひと時を過ごしてみてください。
ホンジュラスコーヒー以外にも、様々なおすすめのコーヒー豆を下記で紹介しています。あわせてチェックしてみてください。