200gで32,400円の超高級コーヒーを飲んだり、自分で焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、スターバックスコーヒーで販売されている定番の人気コーヒー豆「エチオピア」を飲んでみた。
エチオピアがコーヒー発祥の地であることは有名だが、いまセブンイレブンなどで販売されている「モカブレンド」なども、エチオピア産のコーヒー豆である。
エチオピア産のコーヒー豆の最大の特徴はフルーティーで華やかな香りだ。花のような香りが立つものや、ジャスミンのような香りが立つものなど、様々な種類のモカが存在する。
この芳醇な香りを最大限生かして風味豊かなコーヒーに仕上げるため、一般的なモカは浅煎り焙煎される。すると苦味よりも酸味が強いコーヒーになる。
エチオピア産のコーヒーは華やかな香りと爽やかな酸味があるものだと思っていたのだが、ずばりスタバのエチオピアは「本当にエチオピアなの?」と疑いたくなるほど風味が残念に仕上がっている。
スタバのコーヒー豆「エチオピア」を、飲んだ感想を交えながらおすすめしない理由も述べていく。
スタバのコーヒー豆「エチオピア」とは
公式ホームページによると、ダークチョコレート、ペッパーのようなスパイス、そしてスイートシトラスの風味が楽しめる、やわらかでベルベットのような口あたりのコーヒーだそう。
さっそく購入したコーヒー豆を自宅に持ち帰って開封して豆に目をやると、割れたり欠けたりの豆はさほど多くない。
エチオピアの値段(税抜)
1,330円
※100gあたりの価格は532円
エチオピアの容量
250g
エチオピアの生産地
- エチオピア シダモ
- エチオピア リム
エチオピアの焙煎度合い
スターバックスミディアムロースト
※中煎り。ハイロースト~シティローストまでを指す。
エチオピアの風味を5段階でみる
スタバのコーヒー豆「エチオピア」を3つのコーヒー器具で飲み比べ
▲右から
- HARIO(ハリオ)V60ドリッパー
- HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパー(丸太衣料(マルタ)4枚接ぎネルフィルター)
- Aeropress(エアロプレス)
今回は、まずペーパードリップの定番であるハリオV60で抽出して飲んでみて、さらに美味しく飲むために、ほかの2つのコーヒー器具を厳選した。
抽出環境
- 豆の挽き具合:
- やや細挽き(カリタ・ニューカットミル:ダイヤル2にセット)
- 豆と湯の量:
- 16g 160cc
- お湯の温度:
- 85℃
- その他コーヒー器具:
- タカヒロ製コーヒードリップポット雫 0.9L
HARIO(ハリオ)V60ドリッパーで抽出
カリタニューカットミルでやや細めに挽いたスタバのコーヒー豆「エチオピア」を、ハリオV60ドリッパーにセット。
タカヒロ製ドリップポット雫でお湯をそっと落としていくと、モカ特有の華やかな香りがかすかに感じられる。
ただドリップ時にコーヒー粉はドーム状に膨らまず、ベチャっとお湯に浸かっていく様子はすでに何度も見ているので今更何も思わないが、鮮度の悪さは相変わらずだ。
さっそく一口飲んでみると、やや深めに焙煎されているため、エチオピアらしい酸味は一切なく、ほんのりとした苦味が口に広がる。
旨味や甘み、コクや味の奥行きといったものが感じられない。
僕が以前飲んだ深煎りのモカは豆本来の酸味が旨味に変わっていて大変美味しいものだったが、今回はじっくり飲み進めていってもモカの旨味が感じられないのが残念。
全体的に味がやや濃いめ。そのため後味にしつこさが少々残る。
あっさり飲みたいなら豆10~12gで160mlを抽出するのがいいだろう。
次はエアロプレスで抽出してみよう。味の濃さはそのままに、苦味のキレを良くして、後味すっきりに仕上げるのが狙いだ。
Aeropress(エアロプレス)で抽出
スタバのコーヒー豆「エチオピア」をエアロプレスで抽出して飲んでみると、豆本来のくるみのような風味が感じられるようになった。
そしてかすかに酸味も抽出され、味のバランスが整って、ふくよかで厚みのある味わいに仕上がった。
苦味のキレも良くなり後味もスッキリと、まさに狙い通りだ。
ハリオV60ドリッパーの時よりも、個人的には格段に飲みやすくなったと感じている。
フレンチプレスは通常の使い方をすれば薄いコーヒーが完成するが、インヴァート方式というやり方で抽出すると、濃いめに淹れることができる。エアロプレス本体は値段も手頃なので一つ持っておくことをおすすめする。
▲上下を逆に使って抽出するのがインヴァート方式。味が濃くなる。
エアロプレスは、ペーパードリップとフレンチプレスの両方を良いとこ取りをしたような味に仕上がり、なにより手入れが簡単なのが嬉しい。
最後にネルドリップ抽出を試してみる。使うフィルターはマルタ製の4枚接ぎネルフィルターだ。
HARIO(ハリオ)ウッドネック ネルドリッパーで抽出(マルタ製ネルフィルター)
スタバのコーヒー豆「エチオピア」をマルタ製ネルフィルターで抽出して飲んでみると、苦味の後ろに、かすかに感じられる酸味との一体感が感じられる味わいになる。
まろやかな口当たりで重ための一杯になった。個人的には好みの口当たり。
かすかにモカの風味が、コーヒーを飲んだ時に鼻から抜けていく。これでもう少し旨味や甘みがあれば良かった。
まとめ
スタバのコーヒー豆エチオピアを3つの抽出器具を用いて飲んでみた。
個人的にはエアロプレスで淹れた一杯がボディ感もあり、後味のキレが良くて好みだった。豆本来のくるみのような風味が感じられたのも少し面白かった。
ネルドリップ抽出を行うと重ためでまろやかな一杯に仕上がる。
ペーパードリップで抽出すると苦味が際立って抽出された。
しかし、いずれの抽出でもコーヒーの旨味や甘みは感じられず、深い味わいも楽しむことができず。スタバのエチオピアは「エチオピアのコーヒーらしさ」がないので購入はおすすめしない。
値段も100gあたり532円とスタバにしては高め。この金額を出すなら、別の美味しいコーヒー豆をあなたにはおすすめしたい。
感動するような美味しいコーヒーは、実はあと200円ほど出せば手に入る。そして10倍は満足感が違うはずだ。
優れた焙煎技術でローストされ、豆の品質が本当に高いコーヒーは、ドリップした時にお部屋に広がる香りの良さも全然違い、口に含んだ時の幸福感は言葉にできないほどだ。
僕が今まで飲んできて、自信を持っておすすめできるコーヒー豆は別記事にランキング形式でまとめたので、おいしいコーヒー豆選びの参考にしてもらえるとうれしい。
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