200g 32,400円のコーヒーを飲んだり、焙煎(ばいせん。生豆を焼くこと)も行うコーヒーブロガー山口が、スタバのコーヒー豆「パイクプレイスロースト」を自宅でおいしく飲む方法を徹底検証する。
スタバのパイクプレイスローストは福袋に入っていたり、ギフトでいただく機会もあるかも知れない。
もっともポピュラーな飲み方「ペーパードリップ」では、美味しく飲むことが正直難しい。
フレーバーシロップを入れれば美味しく飲めるのは事実である。
しかし、甘いのが苦手だったり「フレーバーコーヒーは好みじゃない」という場合もあるだろう。
そこで今回は、コーヒーを抽出する器具だけを変えて、美味しく飲む方法を検証していく。
また、値段に見合ったコーヒー豆なのかという点についても言及していく。
まずは、スタバのパイクプレイスローストとは、どんなコーヒー豆なのか一緒に見ていこう。
パイクプレイスロースト
▲スターバックス パイクプレイスロースト(250g) 1,140円
※100gあたり492円(税込)
パイクプレイスローストは、
- ココアや煎ったナッツのようなほのかな香ばしさ
- バランスのとれたなめらかな口あたりが特徴
- 毎日でも楽しめるような飽きのこない味わい
と、公式サイトで説明されている。
100gあたりの価格は税込492円。
通常、この価格帯のコーヒー豆を買えば、それなりに満足できる味わいが楽しめる。
炭火焙煎珈琲を手がける有名な「南蛮屋」のコーヒー豆も500円あれば購入できる。
欠点豆の量が半端じゃない
スターバックスのパイクプレイスローストは250g入っているが、そのうち50gは欠点豆じゃないか?と思えるほど欠点豆が多い。
欠点豆とはコーヒーの風味を損ねる、割れたり欠けたりしている豆のこと。
パイクプレイスローストに含まれる欠点豆を手作業で取り除くが、気の遠くなる量である。
僕が普段注文しているコーヒー専門店はもちろん、同価格帯の南蛮屋でも欠点豆を見たことがない。
「丸山珈琲」や「堀口珈琲」などのスペシャルティコーヒー専門店では当然、欠点豆は一粒も入っていない。
そういう高級豆と比べると、お手頃価格のパイクプレイスローストだが、購入後に手間がかかってしまうのがネックだ。
- コーヒー豆は買ってからすぐに飲みたい
- プレゼント用のコーヒーなので変なものは渡せない
こういった場合、別のコーヒー専門店で買うことをおすすめする。
4つのコーヒー器具で飲みくらべ
▲(右から)ハリオV60ドリッパー
・ハリオ製ウッドネック ネルドリッパー
・bodum製フレンチプレス
・カリタ3つ穴ドリッパー
今回は、まずペーパードリップの定番でるハリオV60で抽出して飲んで、さらに美味しく飲むために3つの器具を厳選。
焙煎度合い:スターバックスミディアムロースト(中深煎り)
豆の挽き具合:やや細挽き(カリタ ニューカットミル:ダイヤル2にセット)
豆と湯の量:16g 160cc
お湯の温度:85℃
その他コーヒー器具:タカヒロ製コーヒードリップポット雫 0.9L
ハリオV60ドリッパー
スタバ パイクプレイスローストの風味を5段階でみる
カリタ製ニューカットミルでやや細めに挽いたスターバックスのパイクプレイスローストを、タカヒロ製ドリップポット雫で静かにお湯を落としていく。
すると、かすかにココアのようなほろ苦さをイメージさせる香りと、ローストナッツを思わせる芳ばしい香りが広がる。
さっそく一口飲んでみると、ナッツのような風味と強い苦味を感じる。
甘みや旨味、コクはほとんど感じない。
熱風焙煎されたコーヒー豆特有の、深みに欠ける味わいである。
次は、カリタドリッパーで抽出してみる。
カリタドリッパー
スタバのパイクプレイスローストを、カリタドリッパーで抽出して飲んでみると、ハリオよりもあっさりした口当たりになる。
飲みやすくなったものの、残念ながら旨味が感じられない。
カリタドリッパーを使うとあっさり目のコーヒーになるが、このドリッパーは旨味を引き出すのが得意である。
思惑通りの味にはならなかったので、次はフレンチプレスで抽出する。
フレンチプレス
スタバのパイクプレイスローストをフレンチプレスで抽出すると、野性味あふれる豆本来のアーモンドのような風味が感じられるように。
この香りは好みが分かれそうだが、僕は嫌いではない。
風味はペーパードリップより良くなったが、旨味やコクはアップせず。
最後に、究極の抽出方法と言われる「ネルドリップ」を行う。
ネルドリップ
スタバのパイクプレイスローストをネルドリップすると、まろやかな口当たりに仕上がる。
突出したような苦味はマイルドに感じられ、苦味と酸味のバランスが整って飲みやすくなった。
しかし、個人的にはフレンチプレスで淹れたコーヒーの風味が好みだった。
まとめ
さて、今回はスタバのコーヒー豆「パイクプレイスロースト」を4つの抽出器具で飲んでみた。
味のバランスを重視するならネルドリップ。
豆本来の野性味あふれる風味を楽しむならフレンチプレスでの抽出がおすすめ。
しかし、欠点豆を取り除く手間や、コーヒーの品質を考えると、100gで492円は少々高いように感じた。