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コーヒーの豆知識

ジャマイカコーヒー豆の特徴

ジャマイカコーヒー豆の特徴

ジャマイカコーヒー豆の概要をまとめました。

地域 カリブ海諸国
国の山岳地全域
味わい・香り チョコレート、キャラメル、ぶどうなど
コーヒー生産量 世界第46位(1,200トン)
※2021年のデータ
栽培品種 アラビカ種100%
ティピカなど
精製方法 ウォッシュド

ブルーマウンテンを含むジャマイカのコーヒー豆は、豊かな香りとチョコレートのようなフレーバーが特徴です。

もともと生豆が深煎りに向かないこともあり、ジャマイカのコーヒー豆は浅煎りから中煎りで販売されるのが一般的です。

浅煎りではブドウのような甘みと優しい酸味が感じられ、中煎りではチョコレートやキャラメルのような甘いフレーバーが強く感じられる特徴があります。

昔から日本でも人気のジャマイカコーヒーですが、現地では栽培をやめる農家が相次ぐなどの問題も抱えています。

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※参考文献:jamaicaobserverciboj.orgjacra.org

ジャマイカコーヒー豆の特徴

ジャマイカコーヒー豆の特徴

ジャマイカのコーヒー豆は香りが強く、チョコレートのような甘み、繊細な風味、なめらかな口当たりが特徴です

小さな島国のほぼ全域で栽培されるコーヒー豆は、高級銘柄「ブルーマウンテン」を始め、政府により栽培・加工・輸出が厳格に規制されています。

この規制は、ジャマイカコーヒー豆の品質を保証するためですが、加工所を作ったり販売をするにも一定の規模など条件をクリアし、認可を受ける必要があります。

このため、一部の大きな農園や加工会社に権利が集中しています。

生産の8割を占める小さな農家は貧しく、十分な投資ができないため良好な自然環境に見合った本来の収量が得られていません

ジャマイカコーヒーの品種

ジャマイカコーヒーの大部分は、アラビカ種ティピカです。

ティピカは香りが豊かで繊細な風味を持つ伝統的な品種ですが、病害虫に弱いなど栽培にコストがかかる品種でもあります

病害虫の予防が必要ですが、ジャマイカのコーヒー農家は小規模で予防するための資材が購入できません。

また、ブルーマウンテン地区で企業から土地を借りている農家は、コーヒー以外の作物やシェードツリーを植えることが禁止されています。

手間のかかるティピカ種の栽培に見合った投資ができるよう、小さな農家の収入向上と栽培の自由化が求められています。

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ジャマイカコーヒーの生産地域

ジャマイカコーヒーの生産地域は以下の通りです。

ブルー マウンテン (BM) 地域 セント アンドリュー、ポートランド、セント トーマス、セントメリーの4教区内で800~1200mの標高の地域。ブルーマウンテン山麓に特徴的な霧がコーヒーの実をひきしめ、甘みと香りが強くなる。
その他の地域 上記以外の地域。

ジャマイカは日本の岐阜県とほぼ同じサイズの小さな島国です。

東西に広がる高地の全域でコーヒーが栽培されており、ブルーマウンテンの銘柄で販売できる産地はその中のごく一部です。

政府はブランドを守るためにブルーマウンテン地区について定義し、収穫、加工についても厳密な規制を敷いています。

地区内で認可を得た大規模な農園や精製所は、生産コストをかけて高級なコーヒー豆を出荷できます。

しかし、その他の地域ではブルーマウンテン地区ほどの価格がつかないため、コスト増に対応できず生産量が激減しました。

コーヒー専門家
1950年代から変わらない規制は、小規模農家にとって障害になっています。

例えば、精製所を作るのに規模の条件(年間生産量6000箱以上)がありますが、小規模農家がこの条件をクリアすることはほぼ不可能です。

ですが、このような問題に対して、ある団体が農家をまとめて組合を作り、基準をクリアした精製所を作るなどの例もあるので、期待が集まっています。

ジャマイカコーヒー生産量の推移

ジャマイカのコーヒー豆生産量は1,200トンで世界第46位です。※2021年のデータ

生産年度 生産量(t)
2021年 1,200
2020年 1,200
2019年 1,380
2018年 1,080
2017年 1,140
2016年 1,080

出典:国際コーヒー機関(ICO)統計資料

ジャマイカコーヒーの生産量は2015年までの5年間で半減し、その後は横ばいです

生産が減った原因は2012年のコーヒーさび病の流行と2013年のハリケーンです。

もう少し長いスパンで見ると、1990年代から生産量は半減しています。

ジャマイカコーヒー豆の特徴

出典:米国農務省(USDA)

半減した理由はブルーマウンテン地区以外での急減によるものです。(栽培をやめる農家が相次いだ)

コーヒー栽培には病害虫の予防やハリケーンに対する保険など、もともとコストがかかります。

それに加え、ブルーマウンテン地区ではブランド化により価格が上昇するにつれて、大規模生産者が設備投資を行いました。

それによってジャマイカコーヒー全体の生産コストが上がりました。

しかし他の地域では価格が上がらなかったため、植え替えや作業効率を上げる投資ができず、栽培をやめる農家が相次いだのです。

ジャマイカコーヒー豆の等級(格付け)

ジャマイカ産コーヒー豆の等級は「ブルーマウンテン」と「ノン・ブルーマウンテン」の2種類があります

ジャマイカでは輸出コーヒー豆の品質を保証するため、厳しい規格があります。

「ブルーマウンテン」の名で販売できるのは、ブルーマウンテン山脈の標高800~1,200 mの指定された地域で栽培され、JACRAの審査に合格した豆のみで、審査にはカッピングなども含まれます。

ブルーマウンテンは豆の大きさや欠点豆の数などの基準で、さらに細かく分かれています。

最上級のブルーマウンテンNo.1はブルーマウンテン全体の約30%です。

ブルーマウンテン

ブルーマウンテンNo.1 S17~18(6.8㎜~7.2㎜)
ブルーマウンテンNo.2 S16~17(6.4㎜~6.8㎜)
ブルーマウンテンNo.3 S15~16(6.0㎜~6.4㎜)
ピーベリー 丸豆
セレクト(またはトリエイジ) S15~18(6.0㎜~7.2㎜)で欠点数が多い

ノンブルーマウンテン

ハイマウンテン ブルーマウンテンエリア以外での栽培、かつ標高1000m~1200mで栽培されたコーヒー豆
プライムウォッシュ ハイマウンテンの規格外かつ、標高300m~1000mで栽培されたコーヒー豆

ジャマイカコーヒーの歴史

ジャマイカコーヒーの歴史を簡単にまとめました。

1728年 植民地政府イギリスの総督がコーヒーをジャマイカに導入。自然条件に恵まれ急速に栽培が広まる。
1800年代 大規模農園が680か所以上に増える。15,199トンの輸出を記録。
1820~1830年代 奴隷貿易の廃止、その後の奴隷解放により労働力が不足し、コーヒー産業は急速に衰退する。
1850年 この年までに大規模農園は186か所、輸出は1,486トンに激減する。
1900~1930年代 輸出業者の過度な競争により、サンプルと異なる低品質の豆を出荷するようになる。
1943年  主要輸出先のカナダ・米国の業者がジャマイカコーヒーの輸入を拒否第二次世界大戦により、欧州への輸出も不可能となりジャマイカは大量の在庫を抱える。
1944年 政府が精製・等級付け・輸出業務を担うことで輸出が再開。一定の品質は保証されたが決して高品質とは言えなかった。
1950年 ジャマイカコーヒー産業公社(現在のジャマイカ農産品規制公社:JACRA)が設立され、「ジャマイカ・ブルーマウンテンJamaica Blue Mountain® 」が商標登録される。
1980~2000年代 ブルーマウンテンのブランド化に成功。価格は40倍以上($70→$3000)、生産量は10倍に増加。一方、他の地域のコーヒー価格はブルーマウンテンの3分の1にとどまり、コスト高から生産は3分の1に急減。

エスプレッソにはジャマイカのブルーマウンテンピーベリーを使う?

ジャマイカのブルーマウンテンコーヒーの中で、ピーベリーは伝統的にエスプレッソ用に使われてきました。

ただし現在ではピーベリーも普通の平豆と同じように、様々な淹れ方で飲まれています。

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市場価格の推移(過去3年間)

ジャマイカコーヒーの中でもブルーマウンテンの価格は収量につれて大きく変動します。

近年では2012年のハリケーン被害、2013年のさび病が原因で、2015年には約2倍に急騰しています。

一方で、ほかの地域の価格はそれほど変わりませんでした。

2015年の世界平均価格0.57米ドルに対して、ブルーマウンテンは1.1米ドル、他地域は0.53 米ドルでした。(1ポンド当たり)

しかし、その後2020年にはブルーマウンテンが0.53米ドル、他地域が0.44米ドルまで下がっています。

ジャマイカでは、輸出先の2割を占める米国への輸出拡大を目指しており、豆だけでなく、より付加価値の高いアイスクリームやカプセルコーヒーなど加工品の開発を進めるべきだという意見も出ています。

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ジャマイカコーヒー豆の偽物の見分け方

ジャマイカコーヒー豆の中で、「ブルーマウンテン」と「ハイマウンテン」はその知名度から偽物が多く出回っています。

ジャマイカ農産品規制公社(JACRA)は偽物のせいでジャマイカが数百万ドルの損失を被っていると考えています。

偽物を見分けるとき、いちばん確かなのは、商標を確認することです。

ジャマイカコーヒー豆の特徴

「ジャマイカブルーマウンテンコーヒー」「ジャマイカハイマウンテンコーヒー」は政府公認の商標(マーク)があります。

2つめは産地を確認することです。

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ブルーマウンテン地区内の農園名も参考になります。

3つめは価格です。

日本でブルーマウンテンの小売価格は100gあたり2,000~3,000円が相場です。

これより極端に安い価格の場合、偽物の可能性が高くなります。

4つめは「ブレンド」の偽物です。

ジャマイカ政府では「ブルーマウンテンブレンド」という商標は出していません。また国際的に認められた基準もありません。

日本では30%ブルーマウンテンが含まれていれば「ブルーマウンテンブレンド」と呼んでもよいことになっています。

ただし風味がまろやかで飲みやすいブルーマウンテンは、ブレンドに向きではなく、「ブルーマウンテンブレンド」を販売する目的は価格を下げて購入しやすくするためです。

ブルーマウンテンブレンド」とブルーマウンテン100%の豆は全くの別物と割り切ったほうがよいでしょう。

最後に、購入前に販売者とコミュニケーションを取ることです。

オンライン通販で情報が不確かな場合、遠慮なく問い合わせてみましょう。

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ジャマイカの有名な農園

1.Mavis Bank Coffee Factory(MBCF)

まず最初に紹介する「メイビスバンクコーヒーファクトリー」は1885年に英国人が購入したコーヒー農園です。

1923年に現在のブルーマウンテンエリアに精製所が建設され、加工・輸出業者としてコーヒーを扱っています。

100%本物のブルーマウンテンを購入するなら、メイビスバンク社のコーヒー豆を購入するのが確実です。

日本との取引は1953年から続き、ジャマイカのコーヒー産業の発展に寄与してきた名門精製工場です。

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メイビスバンクはジャマイカ最大のコーヒー生産者で、年間約6,000の農家から持ち込まれる450トン以上の生豆を精製しています。

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なお、日本でもメイビスバンク社のコーヒー豆が購入可能です。

ジャマイカコーヒー豆の特徴

ジャマイカコーヒー豆の特徴

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2.Clifton Mountain Estate(クリフトンマウントエステート)

クリフトンマウントエステートは、ジャマイカで最も古い歴史がある農園です。

レイン フォレスト アライアンスの認定を受けており、コミュニティと労働者を大切にしています。

水を循環させて使用を最小限に抑えるパルパーなど、環境保護のため最新の技術を取り入れています。

3.Wallenford Coffee Company社

ウォーレンフォードコーヒーカンパニーは2000年に民営化されたジャマイカコーヒー産業公社の商業部門が、社名を変更してできた農園です。

2013年には、ジャマイカでリゾートなどを経営し、慈善活動も行うカナダ企業に買収されました。

ブルーマウンテンだけでなく、ハイマウンテンやジャマイカプライムなども取り扱っています。

4.Flamstead Estate coffee

フラムステッド エステートは1764年にジャマイカで初めてコーヒーの栽培が記録された、セントアンドリュー教区のフラムステッドにある農園です。

標高1,300mで香りの強さが特徴です。

5.Greenwich Estate coffee

ジャマイカコーヒー豆の特徴

グリニッジ エステート コーヒーの設立は1975年、コーヒーへの愛情が高じて生産者となったグラハム家が経営する農園です。

首都キングストンから車で約90分の距離にあり標高は1,000mほどです。

日本で購入できるおすすめのジャマイカコーヒー豆(ブルーマウンテンなど)

ジャマイカコーヒー豆の特徴

日本でもAmazon楽天などのECサイトで購入可能です。

ただしブルーマウンテンは香りの強さが最大の特徴なので、必ず豆の状態で購入することをおすすめします

ブルーマウンテンに限らず、コーヒー豆は粉の状態になると信じられないスピードで劣化し、香りや風味が失われます。

いくらブルーマウンテンといえど、粉の状態で購入すれば時間が経ったインスタントコーヒーと変わらない味になります。

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また、ブルーマウンテンに匹敵する美味しさの「ハイマウンテン」などが500円台で飲めるサービスもあります。

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ジャブルムコーヒーとは?(Jablum Coffee)

ジャマイカコーヒー豆の特徴

一部のブルーマウンテンのパッケージには、ジャブルム(JABLUM)と記載されています。

JABLUMとは、ジャマイカの老舗名門コーヒーブランドです。

もっと詳しく解説すると、JABLUMは2007年にコーヒー焙煎に特化したチェコの家族経営の会社「JABLUM Czech」として設立されました。

JABLUMでは4台の焙煎機を使い、ウォーレンフォード農園などで収穫されたブルーマウンテンの生豆をローストして自社のオンラインストアやECサイトなどで販売しています。

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Jablumのコーヒーが世界で一番おいしい!というコアなファンも多いです。

ちなみに、エスプレッソマシンで有名なJURA(ユーラ)の親会社もJABLUMです。

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