あまり知られていないかもしれませんが、メキシコは世界でも有名なコーヒー産地の1つです。
生産されるコーヒーの種類も豊富で、同じメキシコ産のコーヒーでも様々な風味が楽しめるため、飲み比べる面白さがあります。
また、本場メキシコの特別な抽出方法も特徴的です。
この記事では、そんなメキシココーヒーの産地についてや味・香りの特徴、コーヒーの種類などを紹介していきます。
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コーヒーの産地メキシコとは
アメリカ合衆国と中央アメリカの間に位置するメキシコは、コーヒーの産地として有名なグアテマラ、リゾート地として有名なベリーズに面していて西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面しています。
メキシコは世界遺産の宝庫として有名なので、歴史や文化を肌で感じられる国でもあります。
そんな魅力あふれる国メキシコの特徴やコーヒーの栽培環境について解説します。
メキシコの産地について
コーヒーの産地としても有名なメキシコは、中南米地域のコーヒー生産国として最北端に位置しています。
意外と知られていませんが、世界の60%のオーガニックコーヒーはメキシコで生産されています。
気候は高温多湿で、高原地帯は温帯に近い気候で、グアテマラ国境付近のチアバス州や東部のベラクルス州などがコーヒーの産地として有名です。
近年、メキシコはスペシャルティコーヒーの産地としても高い評価を受けています。中でもオーガニックコーヒーの栽培に力を入れていて、マイルドな味わいとバランスの良い風味が特徴です。
メキシコにおけるコーヒー栽培の歴史
メキシコにおけるコーヒー栽培の歴史は、1790年代のスペイン植民地時代にスペイン人がコーヒーの木を移植したのが、メキシココーヒーの始まりです。
当時から地域にコーヒーは根付いていましたが、金や銀などの鉱物が豊富にあったためコーヒーの価値を見出されることはありませんでした。そのため、コーヒーを生産していた先住民らはメキシコ南部の山間地に追いやられ、小さな土地や共有地で栽培することになります。
さらに、スペインから独立後はコーヒープランテーションが広がりました。1860年代のグアテマラ国境紛争により、土地の登記が進められ富を持つ少数のヨーロッパ人が広大な土地を購入し農業に取り組むようになります。
そんな中で地元の有権者はなんとか自分たちの土地を確保するため、小規模農家をさらに山間地へと追いやります。このような理由から小規模農家がコーヒー栽培に専念できたのは、メキシコ革命後になります。
メキシコ革命後の農業改革によって、先住民や労働者に小さな土地が分け与えられました。コーヒープランテーションで働かされていた労働者はそれぞれの地域へ戻り、その時に培ったノウハウでコーヒー栽培を行うようになりました。
20世紀初頭、メキシコの政党PRIはコーヒー栽培が国の経済に貢献するものと考え、メキシコ国立コーヒー研究所を設立し、コーヒーの生産を支援するようになります。その結果、支援が大きかった1973年から1990年にかけて、コーヒー生産量が爆発的に増えました。
その後、メキシコ国立コーヒー研究所は短期間の実験としての機能だったため解散。コーヒー生産者に対する支援は打ち切られてしまいました。
そこで、カトリック教会などの支援によりコーヒー協同組合CEPCOとUCIRIを設立。コーヒー生産者への支援や社会的貢献でメキシココーヒーの基盤を築いています。
メキシコ産コーヒー豆の栽培環境
メキシコ産コーヒー豆の栽培環境は、国土のほどんどが標高1,000m以上で生産量の70%が海抜400〜900mで生産されています。30万人を超えるコーヒー産業従事者の大半は25ヘクタール未満の小規模農園を経営しています。
コーヒー豆を生産する際に標高が高いと日中と夜の寒暖差が大きくなり、美味しいコーヒー豆に仕上げられます。
年間降水量は1400〜2000mmほどでコーヒーノキを栽培している地域の気温は平均19度で常に土壌の状態は良好です。日射量についてもシェイドツリー(日除けの木)を植えて調整しておりコーヒーノキを栽培するのに適した環境となっています。
メキシコ産コーヒー豆の生産状況
メキシコ産コーヒー豆の生産状況は、ラテンアメリカにおいてブラジル、コロンビアに次いで第3位のコーヒー生産国です。北米と陸続きということもあり、コーヒー豆生産量の約7割を輸出しています。
2018年のメキシコのコーヒー年間生産量は158,325トンで、コーヒー生産国第11位です。
メキシコ産コーヒー豆の等級・グレード
メキシコ産コーヒー豆の等級・グレードについて解説します。
メキシコでは標高の高さを等級・グレードの基準に採用しています。
最も等級・グレードが高いコーヒー豆は、標高1700m以上で生産された「ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)」。
次に等級・グレードが高いコーヒー豆は、標高1000〜1600mで生産された「ハイ・グロウン(アルトゥーラ)(HG)」。
最後に標高700〜1000mで生産された「プライム・ウォッシュド(スタンダード)(PW)」になります。
格付けに使われる指標はその国の事情や特徴によって異なります。メキシコではおもに標高により評価され、標高が高ければ高いほどに価値も値段も上がります。
メキシコ産コーヒーの特徴
ではここから、メキシコ産コーヒーの精製方法、味わい・香りの特徴を解説します。
コーヒー産地ごとの味や香りの特徴が分かると、自分好みのコーヒー豆を選びやすくなるので、チェックしてみてください。
メキシコ産コーヒーの精製方法
メキシコ産コーヒーの精製方法は、ウォッシュド(水洗式)が主流です。
コーヒーの精製とは、コーヒーの果実から種子を取り出す作業のことを指します。コーヒーの精製法には大きく分けてナチョラル(乾式)とウォッシュド(水洗式)の2種類があります。
ナチョラルは、コーヒーを摘み取って乾かすのに対して、ウォッシュドは、皮を剥がして発酵させ粘液質(ミューシレージ)を除去する方式です。
メキシコ産コーヒーの味わい・香りの特徴
メキシコ産コーヒーの味わいの特徴は、爽やかな酸味で苦味は控えめです。酸味と甘みがバランスよく調和しています。
香りの特徴は、香り高く芳醇でフルーツ系の香りが楽しめます。
メキシコ産コーヒーにはいくつかの品種があり、品種によって異なる味わいが楽しめるのも特徴です。
メキシコ産コーヒーの品種・種類
ここから、メキシコ産コーヒーの品種・種類について解説します。
メキシコで収穫されるコーヒーはおもに「アラビカ種」ですが、ほかにも複数の種類があります。
中には希少性が高い銘柄もあるので、メキシコで収穫される様々なコーヒーの品種を紹介します。
品種や種類について理解を深めると、より自分好みのコーヒーを選びやすくなります。
アルツーラ種
メキシコの高地で収穫される最高品質です。
「メキシコAL」とも呼ばれるこの品種は、アルツーラ地域の標高1700m以上で収穫されています。
軽い酸味と苦みが特徴で、後味は香ばしくほのかなフルーティーさが感じられます。
メルセデス種
メキシコで栽培される「プルマヒダルゴ」と呼ばれる品種。
酸味と甘みがバランスよく調和して芳醇な香りから「コーヒーの女王」とも称されています。
この品種は、首都メキシコシティの南東にあるオアハカ州ブルマ地方の「メルセデス農園」で生産されています。この地域はメキシコ最大のコーヒー生産地として有名です。
斜面を利用した栽培方法で赤い実だけを丁寧に摘み分けて天日乾燥で仕上げます。労働生産性が悪く生産量も限られているため希少品種といえます。
コアテペック種
メキシコで最も古いコーヒーの産地であるコアテペック。
この品種は、カリブ海に面したベアクルス州の「コアテペック地区」に広がる小規模農園で生産されています。
メキシコの中でも昔ながらの伝統を守りながら良質のコーヒーを生産する地域としても有名です。
農園は1000~1200mの高地に広がり、昼夜の寒暖差が激しく肥沃な土壌に覆われています。年間降水量も豊富でコーヒー豆の栽培に適した地域です。
そんなコアテペック種は世界最高品質のコーヒーとして取引されています。
ほどよい酸味と苦み、なめらかなコク、ビターチョコレートのような濃厚な甘い香りとなめらかな舌触りが特徴のコーヒーです。
オアハカ種
オアハカ種は、スパイシーな香りが非常に特徴的なコーヒーです。
メキシココーヒーの他の品種と同じように標高が高く急傾斜という環境下で生産されています。
栽培方法は、できる限り農薬を使わずに丁寧に栽培されています。収穫時期は真っ赤に熟したコーヒーチェリーの実だけを丁寧に手摘みで収穫し、水洗式で水洗処理をし、ゆっくりと天日干しで精製します。
オアハカ種は、柑橘系の爽やかな酸味とカカオのような甘味と柔らかなコク、ほどよい苦みが特徴です。
香ばしいスパイシーな香りと、ベリー系の華やかな後味がさっぱりしていて、近年人気が高まっている品種です。
メキシコ産コーヒーの美味しい飲み方
品種や種類について理解を深めたところで、次はメキシコ産コーヒーの美味しい飲み方を紹介します。
メキシコ産コーヒーは豆の焙煎度合いや、コーヒー豆の挽き具合、淹れ方によって様々な味わいが楽しめます。
おすすめの焙煎度合い
メキシコ産コーヒーのおすすめの焙煎度合いは、ハイローストからシティローストがおすすめです。
ハイローストなら豆本来の個性的な風味と甘酸っぱさが楽しめ、シティローストならコクの深い味わいが楽しめます。
おすすめの挽き具合
メキシコ産コーヒーのおすすめの挽き具合は、コーヒーの雑味が出にくい中挽き〜中粗挽きがおすすめです。
やわらかな酸味のなかに甘みが感じられ、上品で香り高い風味が楽しめる挽き具合です。
おすすめの淹れ方
メキシコ産コーヒーのおすすめの淹れ方の1つは、伝統的なコーヒーの淹れ方の煮出しスタイルです。
鍋などにコーヒーの粉と水を一緒に入れてかき混ぜながら沸騰させます。
沸騰したら火から下ろし、蓋をして少し置いた後にカップへ注ぎます。
メキシコでは、煮出したコーヒーに砂糖やシナモン、クローブを加えて飲みます。黒砂糖などを加えるとさらにコクのある味を楽しめます。
メキシコのおすすめコーヒー豆3選
ここから、メキシコのおすすめコーヒー豆3選を紹介します。
浅煎りは、すっきりとした飲みやすさを味わいたい方に。中煎りは、ビターチョコレートのような味わいを堪能したい方におすすめです。苦みが少ないメキシココーヒーは深煎りしても嫌な苦みが残らず、さっぱりとした飲み口です。
お値段的にも手頃なコーヒー豆を選んでいるので、ぜひ試してみてください。
香福屋:メキシコアルツーラ
高品質なメキシコアルツーラ(アルチュラ)を、熱風式の焙煎機で芯までしっかりと焼き上げたコーヒー豆。深いコクとキレの良い苦味が特徴のおすすめコーヒー豆です。
ばいせん工房 珈琲倶楽部 メキシコ
次におすすめコーヒー豆は「ばいせん工房 珈琲倶楽部 メキシコ コーヒー豆」。
酸味と香りのバランスが良く、独特な嫌なコーヒーの酸味が出てきません。
また、ばいせん工房の特徴は焙煎度合いを自由に選べること。一般的なお店では提供されない浅煎りの「シナモンロースト」から深煎りの「フルシティロースト」まで5段階の焙煎度合いが選べます。
ますがバランスのとれた味わいが楽しめるハイローストで注文するのがおすすめです。
ode メキシコ オーガニック
最後にご紹介するメキシコ産のおすすめコーヒー豆は「ode メキシコ オーガニック」。
メキシコのシングルオリジンJASコーヒー豆で、上品でやわらかな甘みが特徴です。
焙煎度合いはフルシティローストですが、ほのかに酸味が残るフルーティーなテイストが印象的です。
メキシコ産コーヒーの特徴まとめ
今回は、メキシコ産コーヒーの特徴について解説してきました。
メキシコ産コーヒーは、生産地域によって気候条件が異なるため、同じメキシコ産コーヒーでも風味が微妙に異なります。銘柄による風味の違いも楽しめます。
オーガニックコーヒーなどにも力を入れているので、色々と試してあなたの好みを探してみるのもいいと思います。
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